付録H.9 グループまたはref識別子を登録する際の指針
この項ではアプリケーション呼び出し制御情報のグループまたはref識別子を登録する際の指針を説明します。
- 重要
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この項の内容は,アプリケーション呼び出しサービスに関する性能要件がある場合に参照し,検討してください。
(1) アプリケーション呼び出し制御情報の概要
アプリケーション呼び出し制御情報とは,グループ,ref識別子,ref識別子共通設定に対して,実行間隔/リトライ間隔/リトライ回数/最大作業件数/障害復旧間隔を設定したものです。
- デフォルトの場合
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デフォルト(グループもref識別子も未登録)では,ref識別子共通設定(Common)だけ登録されています。この場合,すべてのref識別子は(Common)の設定で動作します。
図H‒11 デフォルトの場合 - グループまたはref識別子を登録した場合
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個別のref識別子を登録すると,そのref識別子は個別の設定で動作します。グループを登録すると,グループと関連づけたref識別子はグループの設定で動作します。個別に登録していないref識別子と,グループと関連づけていないref識別子は(Common)の設定で動作します。
図H‒12 グループまたはref識別子を登録した場合
(2) グループまたはref識別子を登録する際の指針の詳細
グループまたはref識別子を登録する際の指針を説明します。
- 基本的な指針
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あるref識別子に対して固有の設定を行う場合は,個別のref識別子を登録します。
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複数のref識別子に対して同じ設定を行う場合は,複数のref識別子をまとめて同じグループとして登録します。同じ設定で動作させたい場合は,グループにまとめて登録することを推奨します。
- メモ
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ref識別子共通設定(Common)は1つのグループと見なすことができるため,グループが1つだけの場合はグループを登録する必要はありません。
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グループにまとめる場合は,最大作業件数分の作業が障害復旧間隔以内に処理されるよう注意してください。グループにまとめ過ぎて障害復旧間隔以内に処理が終わらないと二重に呼び出してしまうおそれがあるため,まとめ過ぎることは避けてください。
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- 使い方によって考慮する指針
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アプリケーション呼び出しサービスのEARを複数インポートする場合,「総EAR数<=アプリケーション呼び出し制御情報の登録数」となるようにグループまたはref識別子の登録数を考慮してください。詳細は「付録H.10(2) 総EAR数の検討」を参照してください。
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平時のRESTアプリケーションのレスポンス時間として著しく長いものがある場合,レスポンス時間が短いref識別子と,著しく長いref識別子を同じグループにしないでください。詳細は「付録H.12 呼び出し処理に時間が掛かる場合の影響局所化」を参照してください。
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(3) グループまたはref識別子を登録する例
グループまたはref識別子を登録する例は「付録H.20 グループまたはref識別子の登録例」を参照してください。