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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow システム構築・運用ガイド


8.2.1 CSCIWの出力情報の取得

CSCIWを運用しているマシン上で,障害情報を取得してください。

〈この項の構成〉

(1) 出力する情報およびファイル名

CSCIWが出力する情報,および出力ファイル名を次に示します。

表8‒1 CSCIWが出力する情報

種別

出力する情報

エラートレースファイル

初期化トレースを作成するより前にエラーが発生した場合に出力します。エラーが発生しなかった場合,このファイルは作成されません。

初期化時トレースファイル

初期化時に作成し,初期化処理中のトレース情報を出力すします。なお,初期化時の情報が上書きされて消えてしまうのを防ぐため,通常のトレースファイルとは分けてあります。

トレースファイル

初期化処理が終了したあと,通常の運用時にトレース情報を出力します。

初期化時メッセージファイル

初期化時に作成し,エラーや警告のメッセージを出力します。

メッセージファイル

エラーや警告のメッセージを出力します。

コマンドトレースファイル

コマンドを実行した際のトレース情報を出力します。

コマンドメッセージファイル

コマンドを実行した際のエラーや警告のメッセージを出力します。

案件運用操作トレースファイル

案件運用操作を実行した際のトレース情報を出力します。

案件運用操作メッセージファイル

案件運用操作を実行した際のエラーや警告のメッセージを出力します。

アプリケーション呼び出しサービストレースファイル

アプリケーション呼び出しサービスを実行した際のトレース情報を出力します。

アプリケーション呼び出しサービスメッセージファイル

アプリケーション呼び出しサービスを実行した際のエラーや警告のメッセージを出力します。

運用管理RESTサービストレースファイル

運用管理RESTサービスを実行した際のトレース情報を出力します。

運用管理RESTサービスメッセージファイル

運用管理RESTサービスを実行した際のエラーや警告のメッセージを出力します。

表8‒2 出力ファイル名

種別

ローテーション種別※1

出力ファイル名

エラートレースファイル

ラップアラウンド

CIW_ERROR_<ハッシュ値※2>_TRC_<通番>.log

初期化時トレースファイル

ラップアラウンド

INIT_CIW<システムID>_<ロックID※3>_TRC_<通番>.log

シフト

INIT_CIW<システムID>_<ロックID※3>_TRC<通番>.log

トレースファイル

ラップアラウンド

CIW<システムID>_<ロックID※3>_TRC_<通番>.log

シフト

CIW<システムID>_<ロックID※3>_TRC<通番>.log

初期化時メッセージファイル

ラップアラウンド

INIT_CIW<システムID>_<ロックID※3>_MSG_<通番>.log

シフト

INIT_CIW<システムID>_<ロックID※3>_MSG<通番>.log

メッセージファイル

ラップアラウンド

CIW<システムID>_<ロックID※3>_MSG_<通番>.log

シフト

CIW<システムID>_<ロックID※3>_MSG<通番>.log

コマンドトレースファイル

ラップアラウンド

CIWCMD_<システムID>_<コマンド名※4>_TRC_<通番>.log

シフト

CIWCMD_<システムID>_<コマンド名※4>_TRC<通番>.log

コマンドメッセージファイル

ラップアラウンド

CIWCMD_<システムID>_<コマンド名※4>_MSG_<通番>.log

シフト

CIWCMD_<システムID>_<コマンド名※4>_MSG<通番>.log

案件運用操作トレースファイル

ラップアラウンド

CIWADM_<システムID>_<ロックID※3>_TRC_<通番>.log

シフト

CIWADM_<システムID>_<ロックID※3>_TRC<通番>.log

案件運用操作メッセージファイル

ラップアラウンド

CIWADM_<システムID>_<ロックID※3>_MSG_<通番>.log

シフト

CIWADM_<システムID>_<ロックID※3>_MSG<通番>.log

アプリケーション呼び出しサービストレースファイル

ラップアラウンド

APPCALLSVC_<システムID>_<アプリケーション番号※5>_<ロックID※3>_TRC_<通番>.log

シフト

APPCALLSVC_<システムID>_<アプリケーション番号※5>_<ロックID※3>_TRC<通番>.log

アプリケーション呼び出しサービスメッセージファイル

ラップアラウンド

APPCALLSVC_<システムID>_<アプリケーション番号※5>_<ロックID※3>_MSG_<通番>.log

シフト

APPCALLSVC_<システムID>_<アプリケーション番号※5>_<ロックID※3>_MSG<通番>.log

運用管理RESTサービストレースファイル

ラップアラウンド

MNGRESTSVC_<システムID>_<ロックID※3>_TRC_<通番>.log

シフト

MNGRESTSVC_<システムID>_<ロックID※3>_TRC<通番>.log

運用管理RESTサービスメッセージファイル

ラップアラウンド

MNGRESTSVC_<システムID>_<ロックID※3>_MSG_<通番>.log

シフト

MNGRESTSVC_<システムID>_<ロックID※3>_MSG<通番>.log

注※1

ローテーション種別については,「(2) 出力ファイルのローテーションの設定」を参照してください。

注※2

JavaVMがjava.lang.Runtimeのインスタンスに付与したハッシュ値が入ります。

注※3

OSのプロセス間で排他を取るためのロックIDが入ります。

注※4

先頭の「ciw」を省略したコマンド名が入ります。

注※5

J2EEサーバにインポートしたアプリケーション呼び出しサービスのJ2EEアプリケーション名の,末尾の番号が入ります。

(2) 出力ファイルのローテーションの設定

CSCIWが出力するメッセージ・トレースのローテーション種別は,次の2種類のモードがあります。メッセージ・トレースのローテーション種別は,セットアッププロパティファイルのLogRotationModeキーで設定します。セットアッププロパティファイルの設定内容については,「付録A.2 セットアッププロパティファイル」を参照してください。

(a) ラップアラウンドモード

  • ローテーション条件

    指定ファイル容量を超えた場合

  • ローテーション時のファイル名

    ファイル名がxxx_TRCの場合,xxx_TRC_1.log,xxx_TRC_2.log…のように通番が付与されたファイルが作成されます。通番の範囲は,1〜(設定したファイル面数)です。ファイル面数分のファイルが作成されたあとでローテーションが発生すると,出力先が通番1のファイルにローテーションします。

    ラップアラウンドモードのファイル名の付与例を次に示します。

    xxx_TRC_1.log
    xxx_TRC_2.log
    xxx_TRC_3.log

(b) シフトモード

  • ローテーション条件

    指定ファイル容量を超えた場合,または指定時刻になった時

  • ローテーション時のファイル名

    ファイル名がxxx_TRCの場合,トレースを出力するファイルは常に通番無しのxxx_TRC.log(現用系ファイル)になります。設定したローテーション条件を満たし,ローテーションが発生すると,バックアップファイルに対して,xxx_TRC1.log,xxx_TRC2.log…のように通番が付与されたファイル名に変更(リネーム)されます。このとき,通番が小さいファイルから順に,新しいファイルとなります。通番の範囲は,1〜(設定したバックアップ面数)です。また,シフトモードの場合には,トレースファイル以外に条件やローテーション状態を管理するためのコントロールファイルが生成されます。このため,ファイルの合計数は,指定したバックアップ面数+2(現用系ファイル,コントロールファイル)となります。

    シフトモードのファイル名の付与例を次に示します。

    xxx_TRC.conf       ← コントロールファイル
    xxx_TRC.log        ← 現用系ファイル
    xxx_TRC1.log       ← バックアップファイル
    xxx_TRC2.log       ← バックアップファイル
    xxx_TRC3.log       ← バックアップファイル

(3) 出力情報の設定

(a) 設定方法

エラートレース以外のトレースファイルとメッセージファイルに関してはセットアッププロパティファイルで設定します。セットアッププロパティファイルについては,「付録A.2 セットアッププロパティファイル」を参照してください。

エラートレースの出力先ディレクトリは環境変数で設定します。

エラートレースの設定値を次の表に示します。

表8‒3 エラートレースの設定値

設定項目

出力する情報

出力先ディレクトリ

環境変数で設定(${CSCIW_HOME}/log

トレースレベル

固定(20)

面数

固定(16)

サイズ

固定(2MB)

削除までの日数

固定(2日)

ローテーション種別

固定(ラップアラウンド)

注※

環境変数で設定していない場合は,カレントディレクトリに出力されます。また,環境変数で設定している場合でも,設定したディレクトリが使用できないときは,カレントディレクトリに出力されます。

(b) 出力レベルの設定

エラートレース以外の出力ファイルは,運用および障害発生時の対応時間を考慮し,出力レベルを設定できます。

設定できる出力レベル,および各レベルで出力される内容を次の表に示します。

表8‒4 出力レベルおよび出力内容

出力

レベル

設定基準

出力内容

トレースファイル

メッセージファイル

-1

トレース情報の出力を抑止

0

エラー発生時の情報だけが出力されるレベル

  • 例外発生

  • 例外発生時のスタックトレース

  • エラーメッセージ

  • 初期化・終了メッセージ

10

障害発生時の調査より性能およびトレース出力量を優先したレベル

  • 製品公開メソッドの開始・終了(属性取得メソッドは除く)

  • 他プログラムの呼び出し・戻り(一部頻度の高いものは除く)

警告メッセージ

20

通常運用で利用されることを想定したレベル

内部の主要メソッドの開始・終了

インフォメーション

30

障害発生時の調査を優先したレベル

  • 一部他プログラムの呼び出し・戻り(一部頻度の高いもの)

  • 一部の内部メソッドの開始・終了

40

障害発生時の調査を最優先したレベル

内部メソッドの開始・終了

(4) 各種トレースファイルの切り替えの流れ

各種トレースファイルが切り替わるのは,各種トレースの初期化処理が完了した時点です。各種トレースファイルの切り替えの流れを次の図に示します。

図8‒2 各種トレースファイルの切り替えの流れ

[図データ]

説明

上の図に示すように,終了処理が行われた時点で,通常トレースファイルと通常メッセージファイルはクローズするため,トレースおよびメッセージの出力は停止します。トレースおよびメッセージの再出力が開始されるのは初期化トレースの初期化完了後になります。ただし,例外発生などのエラーが発生した場合には,エラートレースファイルを作成します。また,初期化メッセージおよび通常メッセージの作成に失敗した場合もエラートレースを作成します。

(5) トレースファイル取得時の注意事項

(a) トレースファイルの自動削除機能について

CSCIWが出力するトレースファイルは,最終更新日より設定した日数を経過すると最初の出力処理時に,対象トレースファイルを自動で削除します。

自動で削除されるまでの日数は,エラートレースについては固定(2日),エラートレース以外のトレースファイルについては,セットアッププロパティファイルで指定できます。

なお,削除されるエラートレースは,環境変数CSCIW_HOME下のlogファイル(${CSCIW_HOME}/log)が対象です。環境変数CSCIW_HOMEが未設定時の場合は,エラートレースファイルは削除されません。また,カレントディレクトリに出力されたエラートレースは,不要になった時点で削除してください。

重要

Windowsの場合,1970年1月1日より以前のファイルを削除するような日数を指定した場合,すべてのトレースファイルが削除されます。

メモ

UNIXの場合,1970年1月1日より以前のファイルを削除するような日数を指定した場合,すべてのトレースファイルが削除されるようなことはありません。指定に従ってファイルが自動的に削除されます。

(b) 改行文字の扱いについて

各種トレースファイル(Cosminexus性能解析トレースを除く)に出力されるメッセージ本文(ファイル中のmessageの列)に改行文字が含まれている場合は,改行文字の個所でメッセージを区切り,改行文字以降のメッセージを次の行へ出力します。複数行にわたるメッセージについては,メッセージIDおよびメッセージタイプを1行目に出力し,2行目以降にはメッセージIDおよびメッセージタイプを出力しません。

Cosminexus性能解析トレースについては,メッセージ本文に改行文字が含まれていると,OPTの列に「0a」,ASCIIの列に「.」が出力されます。

(c) 1行に出力されるメッセージのバイト数について

各種トレースファイル(Cosminexus性能解析トレースを除く)のメッセージ本文(ファイル中のmessageの列)に出力される出力バイト数は,メッセージ1行につき最大4,095バイトです。4,095バイトを超えるメッセージ本文については4,096バイト目以降が削除され,4,095バイト目までを出力します。

(d) Unicodeの補助文字について

Unicodeの補助文字とは,基本多言語面(BMP)以外の文字,UnicodeのコードポイントU+10000〜U+10FFFFの範囲の文字,UTF-16エンコーディングでのサロゲート・ペアで表される文字のことです。このUnicodeの補助文字は,Windows VistaでサポートされたJIS X0213:2004の第三水準および第四水準の文字の一部に含まれます。メッセージ本文(ファイル中のmessageの列)にUnicodeの補助文字がある場合は,各種トレースファイルには該当する補助文字の部分が正しく出力されませんが,同一行および同一ファイル内のそのほかの文字出力には影響ありません。