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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow システム構築・運用ガイド


1.3 ワーク管理システムによる業務システム開発の流れ

この節では,ワーク管理システムを利用した業務システム開発の流れについて,ワーク管理システムに関連する部分を中心に説明します。

一般的に,ワーク管理システムを利用した業務システムは,次のような流れに沿って開発します。

図1‒2 ワーク管理システムによる業務システム開発の流れ

[図データ]

  1. ワーク管理システムで業務を運用するための計画

    主に次のような作業をします。

    ●対象となる業務範囲と適用方法の明確化

    現行の業務の問題点や改善点について分析します。そして,ワーク管理システムの適用対象として検討する業務について,その目的と範囲,対象となる組織構造を確認します。また,ワーク管理システムの適用方法を決定します。

    ●対象業務内容の共通認識の確認

    業務フロー図などを作成し,現行業務の基本的な内容を理解します。各業務で実際に使用されているドキュメント類の調査も,業務内容を理解するために有効です。

    また,システム化の具体的な目標を明確にするため,業務上発生している問題を収集します。収集した情報を基に,各問題点がどのように関連しているかを検討し,問題解決のための業務課題を設定します。

  2. ビジネスプロセスと業務システムの設計

    ●案件の定義およびビジネスプロセスの切り出し

    システム化する業務が対象とするものを案件として定義します。具体例としては,販売業務での「商談」,生産業務での「製造ロット」などがそれぞれ案件となります。案件に対する一連の業務処理群が,1つのビジネスプロセスの単位となります。

    ●ビジネスプロセスを構成する業務状態の定義

    各ビジネスプロセスをどのような業務状態(業務ステップ)に分解できるか, どのように遷移させるか,どのような条件で開始・終了をするかを明確にします。

    ●業務状態ごとに実行する作業の定義

    業務状態(業務ステップ)ごとに実行する作業を明確にします。ここでは,作業間の順序性など,作業を実行する上で必要となる条件も明確にします。

    ●作業者を特定するための定義

    作業を処理する担当者(作業者)を割り当てるルール(振り分けルール)を明確にします。

    ●業務プログラムおよび使用する業務データモデルの設計

    ワーク管理システムと連携するユーザプログラムの単位を定義します。また,ワーク管理システムの制御に必要なデータ項目を明確にします。これらの結果を基に,個々のユーザプログラムとデータベースを設計します。

  3. ビジネスプロセスの定義

    2.で明確にした業務ステップ,作業,および振り分けルールを基に,ビジネスプロセスを定義します。定義には,ビジネスプロセス管理ツール(CSCIW-Definer)を使用します。ビジネスプロセスの定義方法については,マニュアル「uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow ビジネスプロセス開発ガイド」を参照してください。

  4. ビジネスプロセスの登録,業務プログラムおよびデータベースの開発

    3.で定義したビジネスプロセスをワーク管理システムに登録します。登録には,コマンド,またはビジネスプロセス管理ツール(CSCIW-Definer)を使用します。また,システムに必要な業務プログラムやデータベースを開発し,テストします。

  5. 業務システムの稼働

    4.で作成したワーク管理システムの環境下で,業務を稼働させます。実際に案件が投入されたり,推進されたりします。

  6. 業務システムの運用および管理

    CSCIWの案件運用操作またはコマンドで,業務システムを運用および管理します。