Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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4.3 リポジトリのインポート

開発環境で作成した内容を,運用環境で使用する場合,cscrepctlコマンドを使用して,ZIPファイル形式で保存されたリポジトリ情報をリポジトリにインポートします。

<この節の構成>
(1) インポート方法
(2) インポート時の自動バックアップ
(3) バージョンアップ時のインポート

(1) インポート方法

次のコマンドを入力します。

 
cscrepctl -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -import <ファイル名>
 

インポートには,次の二つの方法があります。

標準インポート
通常は,標準インポートを使用します。現在の運用環境のHCSCサーバ構成情報に,別のリポジトリのHCSCコンポーネントをインポートします。

サーバチェックインポート
現在の運用環境のリポジトリ情報とインポートするリポジトリ情報で,HCSCサーバの構成情報が同じかどうかをチェックしたい場合に使用します。サーバチェックインポートを行う場合,cscrepctlコマンドに-checkオプションを指定します。

また,ZIPファイル形式で保存されたリポジトリ情報をリポジトリに展開するには,次の二つの方法があります。

差分展開
変更されたHCSCコンポーネントだけを運用環境のリポジトリに展開します。変更されていないHCSCコンポーネントは,運用環境のリポジトリに展開されないで,現在ある運用環境のリポジトリのHCSCコンポーネントがそのまま残ります。

全体展開
変更されていないHCSCコンポーネントを含め,インポート対象のZIPファイルをすべて運用環境のリポジトリに展開します。全体展開を行う場合,cscrepctlコマンドに-overwriteオプションを指定します。

なお,次の場合はインポートできません。

  1. HCSCサーバがセットアップされていない場合(標準インポートのとき)
  2. 現在の運用環境のリポジトリ情報と,インポートするリポジトリ情報で,HCSCサーバの構成が異なる場合
  3. 現在配備されているビジネスプロセスやアダプタが,インポートするリポジトリ情報では削除されている場合
  4. 現在配備されているビジネスプロセスやアダプタが,インポートするリポジトリ情報では情報が更新されている場合
  5. 現在の運用環境のリポジトリ情報と,インポートするリポジトリ情報で,データベースおよびCosminexus RMを使用するかどうかの設定が異なる場合

3.および4.の場合は,該当するビジネスプロセスやアダプタを実行環境から削除したあと,リポジトリをインポートしてください。

インポートする場合は,必ずリポジトリに設定したディレクトリ以下のディレクトリおよびファイルを参照していないことを確認してから,cscrepctlコマンドを実行してください。

cscrepctlコマンドの詳細については,「10. コマンド」の「cscrepctl(インポート/エクスポート)」を参照してください。

注※
現在の運用環境のリポジトリ情報と,インポートするリポジトリ情報で,データベースおよびCosminexus RMを使用するかの設定が異なる場合でも,一部の場合についてはインポートできます。インポートできる場合とできない場合の設定を次の表に示します。

表4-2 インポートできる場合とできない場合の設定

現在の運用環境のリポジトリ情報での設定 インポートするリポジトリ情報での設定
データベースとCosminexus RMの両方を使用する データベースとCosminexus RMの両方を使用しない データベースを使用してCosminexus RMを使用しない
データベースとCosminexus RMの両方を使用する × ×
データベースとCosminexus RMの両方を使用しない ×
データベースを使用してCosminexus RMを使用しない

(凡例)
○:インポートできます。
×:インポートできません。

(2) インポート時の自動バックアップ

リポジトリをインポートする際に,インポート前のリポジトリ情報をZIPファイル形式で自動バックアップします。バックアップファイルは,cscimport.zipのファイル名で次のディレクトリに出力されます。

 
<Cosminexusインストールディレクトリ>\CSC\spool\manager
 

なお,バックアップファイルの出力先ディレクトリは,HCSC-Manager定義ファイルのcscmng.envbackup.dirパラメタ,またはcscmng.envbackup.dir.importパラメタで変更できます。

また,自動バックアップをするかどうかは,HCSC-Manager定義ファイルのcscmng.envbackup.autogetパラメタ,またはcscmng.envbackup.autoget.offパラメタで設定できます。

HCSC-Manager定義ファイルの詳細については,「9. 定義ファイル」の「HCSC-Manager定義ファイル」を参照してください。

また,バックアップファイルから運用環境を復旧する方法については,「7.9.3(2) 運用環境の復旧」を参照してください。

(3) バージョンアップ時のインポート

現在のリポジトリ情報よりも新しいバージョンのリポジトリ情報をインポートすると,インポート時にリポジトリが自動でバージョンアップされます。

なお,現在配備されているビジネスプロセスやアダプタが,インポートするリポジトリ情報では削除されている場合,バージョンアップ時のインポートでエラーが発生します。エラーが発生した場合,現在のリポジトリを運用環境からエクスポートして,開発環境にインポートします。そのあと,開発環境でバージョンアップしたリポジトリを開発環境からエクスポートして,運用環境にインポートしてください。

バージョンアップの詳細については,「付録G 下位バージョンからのリポジトリの移行」を参照してください。