Cosminexus システム運用ガイド

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4.8.4 コネクションプールの状態

ここでは,メンバコネクションプールの状態について説明します。

メンバコネクションプールの状態は,J2EEサーバやメンバリソースアダプタを再起動しても維持されます。コネクションプールの状態を確認する方法については,「4.8.1 コネクションプールの状態の確認」を参照してください。

なお,メンバリソースアダプタ以外のコネクションプールには状態はありません。

<この項の構成>
(1) コネクションプールの状態遷移
(2) コネクションプールの状態によるコマンド実行の可否

(1) コネクションプールの状態遷移

メンバコネクションプールの状態遷移を次の図に示します。

図4-1 メンバコネクションプールの状態遷移(手動で一時停止を実行する場合)

[図データ]

図4-2 メンバコネクションプールの状態遷移(自動で一時停止が実行される場合)

[図データ]

なお,J2EEサーバの開始時にコネクションプールが再開中状態,または閉塞状態の場合,コネクションプールは一時停止状態に遷移します。

それぞれの状態の詳細について次の表に示します。

表4-17 メンバコネクションプールの状態

番号 状態 説明
1 開始状態 コネクションプールが処理を受け付けている状態です。ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時には,開始状態のコネクションプールだけに処理が行われます。
2 開始予約状態 コネクションプールが開始状態のときにリソースアダプタが停止された状態です。開始予約状態のコネクションプールは,リソースアダプタの開始時に開始状態になります。リソースアダプタをデプロイした直後は,この状態になります。
3 自動再開中状態 自動再開機能によって,コネクションプールが再開処理を行っている状態です。再開処理が成功すると開始状態になります。再開処理が失敗すると,自動一時停止状態に戻ります。自動再開中状態のコネクションプールには,ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時に処理が出されません。
4 手動再開中状態 自動一時停止状態,または手動一時停止状態のときにcjresumepoolコマンドを実行して,コネクションプールが再開処理を行っている状態です。再開処理が成功すると,開始状態になります。再開処理が失敗すると,コマンド実行前の状態に戻ります。手動再開中状態のコネクションプールには,ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時に処理が出されません。
5 自動閉塞状態 自動一時停止機能によって,コネクションプールが閉塞されて,一時停止処理を行っている状態です。一時停止処理が完了すると,自動一時停止状態になります。自動閉塞状態のコネクションプールには,ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時に処理が出されません。
6 手動閉塞状態 cjsuspendpoolコマンドによって,コネクションプールが閉塞され,一時停止処理を行っている状態です。一時停止処理が完了すると,手動一時停止状態になります。手動閉塞状態のコネクションプールには,ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時に処理が出されません。
7 自動一時停止状態 自動一時停止機能によって,コネクションプールが一時停止された状態です。コネクションプール内にコネクションは存在しません。自動一時停止状態のコネクションプールには,ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時に処理が出されません。
8 手動一時停止状態 cjsuspendpoolコマンドによって,コネクションプールが一時停止された状態です。コネクションプール内にコネクションは存在しません。手動一時停止状態のコネクションプールには,ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時に処理が出されません。
9 自動一時停止予約状態 コネクションプールが自動一時停止状態のときにリソースアダプタを停止した状態です。自動一時停止予約状態のコネクションプールは,リソースアダプタの開始時に自動一時停止状態になります。なお,このとき,コネクションプールのウォーミングアップ機能は無効になります。
10 手動一時停止予約状態 コネクションプールが手動一時停止状態のときにリソースアダプタを停止した状態です。手動一時停止予約状態のコネクションプールは,リソースアダプタの開始時に手動一時停止状態になります。なお,このとき,コネクションプールのウォーミングアップ機能は無効になります。

注 番号は,図4-1および図4-2中の番号を示します。

(2) コネクションプールの状態によるコマンド実行の可否

コネクションプールの状態によって,実行できるコマンドと実行できないコマンドがあります。コネクションプールの状態ごとに,それぞれのコマンドの実行の可否を次に示します。

表4-18 コネクションプールの状態によるコマンド実行の可否

コマンド コネクションプールの状態
開始 開始予約 自動再開中/手動再開中 自動閉塞/手動閉塞 自動一時停止 手動一時停止 自動一時停止予約 手動一時停止予約
cjstartrar × × × × ×
cjstoprar × ※1 ※2 × ×
cjclearpool × × × × × × ×
cjlistrar
cjsuspendpool × × × ×
cjresumepool × × × ×
cjstopsv(通常停止時) ※1 ※2
cjstopsv(強制停止時)

(凡例) ○:実行できる △:制限あり ×:実行できない

注※1 コマンドは受け付けられますが,開始または一時停止状態になってから処理が実行されます。

注※2 コマンドは受け付けられますが,一時停止状態になってから処理が実行されます。