Cosminexus システム構築ガイド
リソースの監視間隔やしきい値を指定してリソースを監視し,しきい値を超えた場合にアラートを出力できます。また,リソース枯渇監視情報をファイルに出力できます。
バッチサーバの場合,監視対象にできるリソースは,メモリ,ファイルディスクリプタ,スレッド数,スレッドダンプ,およびコネクションプールです。なお,Windows,AIXでは,ファイルディスクリプタは監視できません。また,Linuxではスレッド数を監視できません。
リソース枯渇監視機能を使用するためには,次の二つの設定が必要です。
この節では,これらのリソース枯渇監視機能を使用するための設定について説明します。
デフォルトの設定では,リソース枯渇監視機能は有効になっているので,設定は不要です。簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内で,ejbserver.watch.enabledパラメタにtrue(リソース枯渇監視機能を有効にする)が指定されていて,すべてのリソースが監視されるようになっています。なお,リソース枯渇監視機能を無効にしたい場合には,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内で,ejbserver.watch.enabledパラメタにfalse(リソース枯渇監視機能を無効にする)を指定してください。
デフォルトの設定では,監視対象となるすべてのリソースにしきい値や監視間隔の時間などが設定されています。また,監視結果のリソース枯渇監視ログファイルへの出力も有効になっています。リソース枯渇監視の設定を変更したい場合には,次の方法で設定を変更してください。
リソース種別ごとの監視の設定を次の表に示します。
表12-9 リソース種別ごとの監視の設定
| リソース種別 | 設定個所 | 設定内容 |
|---|---|---|
| メモリ | 簡易構築定義ファイル※1 | バッチサーバ単位で,メモリ監視の設定をします。 論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.memoryから始まるパラメタで,メモリ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。※2 |
| ファイルディスクリプタ | バッチサーバ単位で,ファイルディスクリプタ監視の設定をします。 論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.fileDescriptorから始まるパラメタで,ファイルディスクリプタ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。 |
|
| スレッド数 | バッチサーバ単位で,スレッド数監視の設定をします。 論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.threadから始まるパラメタで,スレッド数監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。 |
|
| スレッドダンプ | バッチサーバ単位で,スレッドダンプ監視の設定をします。 論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejbserver.watch.threaddumpから始まるパラメタで,スレッドダンプ監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。また,ejbserver.logger.channels.defineから始まるパラメタで,ファイルの面数,サイズを指定します。 |
|
| コネクションプール | サーバ管理コマンド | リソースアダプタ単位でコネクションプール監視の設定をします。 Connector属性ファイルの<property-name>タグとして指定する<WatchEnabled>,<WatchThreshold>,<WatchInterval>,<WatchWriteFileEnabled>タグで,コネクションプール監視によるアラート出力の有無,監視のしきい値,監視の間隔,リソース枯渇監視ログファイルの出力の有無を指定します。 リソースアダプタをデプロイしたあとで,サーバ管理コマンドのcjgetrarpropコマンドでConnector属性ファイルを取得し,ファイル編集後に,cjsetrarpropコマンドで編集内容を反映させてください。※3 |
| 簡易構築定義ファイル※1 | バッチサーバ単位で,リソース枯渇監視ログファイルの面数,サイズを指定します。 |
注※1 簡易構築定義ファイルの,バッチサーバ用のユーザプロパティに設定します。
注※2 メモリ監視をする場合は,論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内で,JavaVM起動パラメタを定義します。JavaVM起動パラメタには,-XX:PermSizeと-XX:MaxPermSizeを指定し,メモリサイズは同じにすることをお勧めします。メモリサイズに異なる値を指定した場合,Permanent領域の領域拡張でもアラートが出力されることがあります。JavaVM起動パラメタの指定内容を次に示します。
また,フルガーベージコレクションの予兆を検知をするためには,JavaVMのOld領域,New領域のサイズをチューニングする必要があります。
注※3 リソースアダプタをデプロイする前にプロパティを定義する場合は,cjgetrespropコマンドとcjsetrespropコマンドを使用してください。
なお,リソース枯渇監視ログファイルのファイルの面数,サイズは,簡易構築定義ファイルの次に示すパラメタで指定します。
これらのパラメタの監視リソース名には,リソース種別ごとのチャネル名を指定します。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2007, Hitachi, Ltd.