Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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15.3.1 運用管理サーバの設定

JP1/IM - CMと連携するため,運用管理サーバでは次の設定をします。

<この項の構成>
(1) Cosminexusアダプタコマンドのセットアップ
(2) Cosminexusアダプタコマンドの実行環境の設定
(3) CosminexusのJP1イベント発行の設定
(4) JP1/BaseのJP1イベント転送の設定
(5) JP1/Baseのイベントサーバ名の設定
(6) Management Serverの自動起動の設定

(1) Cosminexusアダプタコマンドのセットアップ

Smart Composer機能を使用して構築したWebシステムの構成情報を収集するために,JP1/Baseによって実行されるCosminexusアダプタコマンドをJP1/Baseに登録します。

Cosminexusの運用管理サーバでmngsvr_adapter_setupコマンドを実行して,JP1/Baseの環境にCosminexus用のアダプタコマンド設定ファイルを追加します。なお,mngsvr_adapter_setupコマンドを実行するユーザには,Windowsの場合はAdministrator権限が,UNIXの場合はroot権限が必要です。mngsvr_adapter_setupコマンドの実行例を次に示します。

Windowsの場合
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\bin\mngsvr_adapter_setup -i -t IM_CM

UNIXの場合
/opt/Cosminexus/bin/mngsvr_adapter_setup -i -t IM_CM

(2) Cosminexusアダプタコマンドの実行環境の設定

Cosminexusアダプタコマンドを実行するための環境は,.mngsvrutilrc(クライアント側定義ファイル)に設定します。.mngsvrutilrcファイルは,Management Serverの運用管理コマンドであるmngsvrutilコマンドのオプションのデフォルト値を設定するファイルです。.mngsvrutilrcの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

Cosminexusの運用管理サーバで,Windowsの場合はOSユーザ(SYSTEMユーザ)の,UNIXの場合はJP1/Baseを起動したOSユーザのホームディレクトリに,.mngsvrutilrcファイルを作成して,次のパラメタを指定します。

なお,アダプタコマンドの実行環境を変更したい場合は,mngsvrutil.properties(サーバ側定義ファイル)で変更します。mngsvrutil.propertiesの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

参考
.mngsvrutilrcファイルはクライアントごとに個別のデフォルト値を設定する場合に使用します。すべてのクライアント共通のデフォルト値を設定したい場合は,mngsvrutilcl.properties(クライアント側共通設定ファイル)を使用してください。なお,両方のファイルを使用している場合は,.mngsvrutilrcファイルが適用されます。mngsvrutilcl.propertiesファイルは読み込まれません。

(3) CosminexusのJP1イベント発行の設定

JP1/IM - CMに対して,Management Serverの稼働状況およびシステムの構成変更を,JP1イベントとして上げるための設定をします。JP1イベントによって,JP1/IM - CMはシステムの構成変更を検知できるので,最新の状態でシステム構成を管理できます。

JP1/IM - CM連携時,Management Serverでは,次の表に示す種類のJP1イベントを発行します。

表15-2 JP1/IM - CM連携時に発行されるJP1イベント

JP1イベントID JP1イベントのSeverity 発行のタイミング
00012050 Notice Management Serverが起動したとき
00012051 Notice Management Serverが停止したとき
00012060 Notice Smart Composer機能を使用してWebシステムを構築したとき
00012061 Notice Smart Composer機能を使用してWebシステムを削除したとき
0001206A Notice Smart Composer機能を使用してWebシステムを変更したとき

JP1イベント発行の設定手順を次に示します。

  1. システムJP1イベント発行の設定をします。
    運用管理ポータルの「Cosminexus Management Serverの設定」にある[JP1連携の設定]画面の[システムJP1イベント発行機能を有効にする]を「する」に設定します。
  2. Management Serverを再起動します。
    再起動後に,設定した情報が有効になります。

JP1/IM - CM連携用のJP1イベントは,常にJP1イベントを発行するため,Management Serverではフィルタリングできません。フィルタリングが必要な場合は,JP1/Baseのフィルタ機能を利用してください。

(4) JP1/BaseのJP1イベント転送の設定

JP1/BaseのJP1イベント転送の設定をします。この設定によって,JP1/IM - CMがインストールされたJP1統合運用管理サーバマシンにJP1イベントが転送されるようになります。JP1/BaseのJP1イベント転送の設定手順を次に示します。

  1. JP1/Baseで,JP1イベント転送の設定をします。
    JP1/Baseのforward(転送設定ファイル)の転送条件に「E.JP1_HC_EVENT IN Y」をOR条件で追加します。記述例を次に示します。
    JP1/Baseのforwardファイルの記述例

    # JP1/Base - Event Server Forwarding Setting
    to-upper
    E.SEVERITY IN Warning Error Critical Alert Emergency Emergence
    OR
    E.JP1_HC_EVENT IN Y
    end-to

(5) JP1/Baseのイベントサーバ名の設定

Microsoft Cluster ServiceやHAモニタを使用したクラスタ構成の場合で,論理ホストのJP1/Baseのイベントサーバを使用してJP1イベントを発行するとき,イベントサーバ名を設定します。イベントサーバ名を設定するには,mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)のmngsvr.jp1event.event_server_nameキーに,論理ホスト名または論理IPアドレスを指定します。設定した情報を有効にするために,設定後は,Management Serverを再起動してください。

なお,mserver.propertiesの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

(6) Management Serverの自動起動の設定

Management ServerがJP1/Baseのイベントサービスよりも先に起動した場合,JP1イベントサービスが起動するまでに発行したJP1イベントは失われます。確実にJP1イベントを発行するためには,次の設定が必要です。

(a) Windowsの場合

JP1/Baseの起動管理機能を使用してManagement Serverを自動起動します。

Management Serverを自動起動するには,JP1/BaseのJp1svprm.dat(起動順序定義ファイル)に「Cosminexus Management Server」のサービスを追加してください。なお,ホスト起動時にManagement Serverを自動起動する設定をしている場合は,いったん手動起動に設定してから実施してください。

JP1/BaseのJp1svprm.datファイルの格納場所と記述例を次に示します。

Jp1svprm.datファイルの格納場所
<JP1/Baseインストールディレクトリ>\jp1base\conf\boot\Jp1svprm.dat

Jp1svprm.datファイルの記述例
JP1/BaseのJp1svprm.datファイル記述例を次に示します。
:
[OtherServiceCosminexusManagementServer]
Name=Cosminexus Management Server
ServiceName=mngsvr
Parallel=YES
(b) AIXの場合

/etc/inittabファイルにJP1/Baseの起動スクリプトを登録したあとに,Management Server用起動スクリプト(/opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start)を登録します。

(c) HP-UXの場合

/sbin/init.d/MngSvrのシンボリックリンクの名称の起動順序を,JP1/Baseよりあとに起動されるように設定する必要があります。起動順序には,901以降を指定してください。

(d) Linuxの場合

/etc/rc.d/rc<N>.dディレクトリ(<N>は起動時の実行レベル)に/etc/rc.d/init.d/MngSvrへのシンボリックリンクを作成する際,JP1/Baseよりもあとに起動されるようにシンボリック名称の起動順序およびスクリプト名称を指定します。起動順序には「99」を,スクリプト名称の先頭は「_」(アンダーバー)よりコード値が大きい文字を指定してください。

(e) Solarisの場合

/etc/rc<N>.dディレクトリ(<N>は起動時の実行レベル)に/etc/init.d/MngSvrへのシンボリックリンクを作成する際,JP1/Baseよりもあとに起動されるように,シンボリック名称の起動順序およびスクリプト名称を指定します。起動順序には「99」を,スクリプト名称の先頭は「_」(アンダーバー)よりコード値が大きい文字を指定してください。