Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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10.10.1 サービスユニットを自動再起動するための設定

Cosminexusでは,システムに障害が発生しそうな場合の動作をManagementアクションで定義できます。ManagementアクションにSmart Composer機能のコマンドを定義しておくことで,システムの運用中に障害が発生しそうな場合にサービスユニットを自動再起動できるため,迅速な障害対応ができます。

障害の発生しそうな状況になるとManagementイベントが発行されます。障害の発生しそうな状況は,例えばリソース枯渇監視機能でリソースの枯渇を事前に検知できます。そのManagementイベントと対応づけたManagementアクションを実行し,障害が発生しそうなサービスユニットを自動的に再起動して,障害の発生を事前に回避します。Managementアクションによるサービスユニットの自動再起動処理を次の図に示します。

図10-7 Managementアクションによるサービスユニットの自動再起動処理

[図データ]

Smart Composer機能を使用すると,JavaVMのフルガーベージコレクションやスレッドなどのリソース枯渇を事前検知した場合,問題の発生したサービスユニットを自動再起動できます。

例として,バッチサーバのフルガーベージコレクションの予兆を検知した場合に,Managementアクションを使用してサービスユニットを自動再起動する方法について説明します。必要な操作は次のとおりです。

それぞれの操作の概要を説明します。

なお,リソース枯渇監視機能およびManagementアクションの概要については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」のシステムの運用支援に関する説明を,設定については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のManagementイベントによる処理の自動実行の設定に関する説明を参照してください。

●Managementアクション実行コマンドの作成

JavaVMのフルガーベージコレクションやスレッドなどのリソース枯渇を事前検知した場合,Managementイベントが発行されます。ここでは,Managementイベントを受信したときにManagement Serverが実行するManagementアクション実行コマンドの作成について説明します。

バッチサーバでフルガーベージコレクションの予兆を検知した場合に,サービスユニットを再起動するManagementアクション実行コマンドを作成します。

  1. 障害の発生したバッチサーバを含むサービスユニットを自動閉塞します。
  2. 障害の発生したバッチサーバを再起動します。
  3. サービスユニットを開始します。

Managementアクション実行コマンドのサンプルファイルをコピーして,Managementアクション実行コマンド(バッチファイルまたはシェルスクリプト)を作成してください。Managementアクション実行コマンドの作成方法はJ2EEサーバの場合と同じです。詳細は,「6.19.2(1) Managementアクション実行コマンドの作成」を参照してください。

●Managementイベントの発行の設定

バッチサーバのManagementイベントの発行が有効になっていない場合は,Managementイベントの発行を有効にします。Managementイベントの発行を有効にするには,次の手順で設定を変更してください。

  1. 簡易構築定義ファイルの編集
  2. システムの設定の一括変更

Managementイベントの発行の設定については,J2EEサーバの場合と同じです。設定方法については,「6.19.2(2) Managementイベントの発行の設定」を参照してください。

●Managementイベント発行用メッセージIDリストファイルおよびリソース枯渇監視機能の設定

Managementイベントを発行するために,Managementイベント発行用メッセージIDリストファイルの設定や,リソース枯渇監視機能の設定が必要な場合があります。

通常はデフォルトのまま使用するため,設定の必要はありません。必要に応じて設定してください。

なお,Managementイベント発行用メッセージIDリストファイルやリソース枯渇監視機能の設定については,「6.19.2(3) Managementイベント発行用メッセージIDリストファイルおよびリソース枯渇監視機能の設定」を参照してください。

●Managementアクション実行用プロパティファイルの設定

Managementアクションの定義,メッセージIDとManagementアクションとのマッピングなどは,Managementアクション実行用プロパティファイル(maction.properties)に定義します。maction.propertiesファイルの設定については,「6.19.2(4) Managementアクション実行用プロパティファイルの設定」を参照してください。

ただし,バッチサーバの場合は,Managementアクション実行用プロパティファイル(maction.properties)の下記のプロパティ名について,下線部の「combined-tier」を「j2ee-tier」に置き換えてお読みください。

# Mapping of Logical server and Management actions.
maction.tier.MyWebSystem.combined-tier.mactions=restart_unit