JP1/Base 運用ガイド
転送設定ファイル(forward)の詳細について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 格納先ディレクトリ
- (2) 形式
- (3) 設定例
(1) 格納先ディレクトリ
転送設定ファイルの格納先ディレクトリを次に示します。
- Windowsの場合
- イベントサーバインデックスで指定されたフォルダ\forward
- デフォルトのイベントサーバインデックスでは,インストール先フォルダ\conf\event\servers\default\forwardとなっています。
- UNIXの場合
- イベントサーバインデックスで指定されたディレクトリ/forward
- デフォルトのイベントサーバインデックスでは,/etc/opt/jp1base/conf/event/servers/default/forwardとなっています。
(2) 形式
転送設定は,転送設定ブロックが集まったファイルです。
転送設定ブロックには,どのイベントサーバにどのJP1イベントを転送するかを記述します。
転送設定ファイルでは,転送設定ブロックと転送設定ブロックの間にコメントを記述できますが,転送設定ブロックの途中には記述できません。また,転送設定ブロックは複数指定できます。
一つの転送設定ブロックは,次に示すどちらかの形式をとります。
to-upper フィルター条件 end-toまたは
to イベントサーバ名 フィルター条件 end-to転送設定ブロックがto-upper形式の場合,JP1イベントは,JP1/IM - Managerで定義された階層に従って,上位のサーバに転送されます。
転送設定ブロックがto形式の場合,転送先のイベントサーバ名を指定できます。なお,転送先のイベントサーバ名として,自サーバのイベントサーバ設定で指定されている他イベントサーバ名を指定する必要があります。
どちらの形式でも他ホストにJP1イベントを転送するために,フィルター条件を記述する必要があります。転送するJP1イベントの条件を,「6.5.3 フィルターの文法」に示す文法に従って記述します。
- 注意事項
- フィルター条件として転送設定ファイル(forward)に日本語文字列を指定する場合,その文字コードは,イベントサービス起動時のロケール情報(環境変数LANGなど)と合致させてください。フィルター条件として指定した文字列の文字コードとイベントサービス起動時のロケール情報(環境変数LANGなど)が異なる場合,JP1イベントは転送されません。
- 複数の経路を使ってJP1イベントを転送する場合,転送先のイベントサーバが同一のJP1イベントを複数受信する場合があります。この場合,転送されてきたJP1イベントの重複チェックが行われます。重複チェックの条件を次に示します。
・一つ目のJP1イベントと「発行元イベントサーバ名」が等しい。
・一つ目のJP1イベントと「発行元別通し番号」が等しい。
・一つ目のJP1イベントと「登録時刻」が等しい。
・「登録要因」が「4」になっている(転送されてきたイベント)。
これらすべての条件を満たした場合,重複しているJPイベントと判断され,二つ目以降のJP1イベントは,イベントデータベースに登録されません。
- 同じ転送先を指定した転送ブロック(to〜end-to)が複数指定された場合,それぞれのブロックで指定されたフィルターの順番で転送処理が行われます。最終的には各フィルター指定をORで結合して転送処理を行った場合と等しい転送処理となります。
(3) 設定例
次に示すシステム構成でJP1イベントを転送する場合の転送設定の例を示します。
ホスト名 構成の説明 jp1-svs1 統合マネージャー jp1-svs2 サブマネージャー jp1-sva1 拠点内のJP1ホスト 条件
jp1-sva1からjp1-svs2へ転送するJP1イベント
- 「SEVERITY」が「Error」である
- 「PRODUCT_NAME」が「/HITACHI/JP1/AJS」であり,かつ「SEVERITY」が「Warning」または「Notice」
- 「PRODUCT_NAME」が「/HITACHI/JP1/AOM」
jp1-svs2からjp1-svs1へ転送するJP1イベント
- 「SEVERITY」が「Error」である
- 「PRODUCT_NAME」が「/HITACHI/JP1/AJS」であり,かつ「SEVERITY」が「Warning」
- 「PRODUCT_NAME」が「/HITACHI/JP1/AOM」であり,かつ「SEVERITY」が「Warning」
定義例とJP1イベント転送の流れを次の図に示します。
図6-4 定義例とJP1イベント転送の流れ
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