JP1/Base 運用ガイド

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4.4.1 使用する認証サーバを指定する

UNIXの場合,どのホストにインストールされているJP1/Baseを認証サーバとして使用するかをコマンドを使って指定します。

認証サーバは,次に示すホスト上で指定する必要があります。

認証サーバに指定したホストが,JP1ユーザーおよびJP1ユーザーのJP1資源グループ(ジョブやジョブネットなど)に対する操作権限を管理することになります。JP1/IMおよびJP1/AJS2の混在するシステムで,ユーザー認証圏を一つだけにしたい場合は,各ホストで同じ認証サーバを指定してください。

<この項の構成>
(1) 認証サーバを指定する
(2) 指定した認証サーバを確認する
(3) 自ホストの認証サーバを起動しないようにする
(4) 認証サーバを運用する際の注意事項

(1) 認証サーバを指定する

各ホスト上で認証サーバを指定する場合,次に示すコマンドを実行します。

jbssetusrsrv プライマリー認証サーバ [セカンダリー認証サーバ]
 

通常時に認証サーバとして利用するホストを,プライマリー認証サーバに指定してください。

予備の認証サーバとして利用するホストを,セカンダリー認証サーバに指定します。なお,この指定は,セカンダリー認証サーバを設置する場合だけ指定してください。この指定を省略した場合は,プライマリー認証サーバに指定したホストだけが一つのユーザー認証圏内で認証サーバとして稼働することになります。jbssetusrsrvコマンドの詳細については,「13. コマンド」の「jbssetusrsrv(UNIX限定)」を参照してください。

注意事項
  • 認証サーバ(プライマリー認証サーバおよびセカンダリー認証サーバ)として指定するホスト名は,JP1/Baseを起動する前にhostsファイル,またはDNSサーバに設定してください。認証サーバの指定(jbssetusrsrvコマンドの実行),hostsファイル,またはDNSサーバへの設定順序は任意ですが,JP1/Baseの起動時にはホスト名からIPアドレスを解決できる状態になっている必要があります。
  • プライマリー認証サーバおよびセカンダリー認証サーバには,ホスト名を指定してください。IPアドレスは認証サーバ名に指定できません。

(2) 指定した認証サーバを確認する

指定した認証サーバを確認したい場合は,次に示すコマンドを実行してください。

jbslistsrv
 

jbssetusrsrvコマンドで指定した認証サーバが表示されます。jbssetusrsrvコマンドで認証サーバを1台だけ指定していた場合は,次のように表示されます。

プライマリー:プライマリー認証サーバ
 

jbssetusrsrvコマンドで認証サーバを2台指定していた場合は,次のように表示されます。

プライマリー:プライマリー認証サーバ
セカンダリー:セカンダリー認証サーバ

(3) 自ホストの認証サーバを起動しないようにする

JP1/Baseの新規インストール時には,自動で認証サーバに自ホストが設定され,認証サーバが起動するようになっています。認証サーバの指定を自ホストから他ホストに変更した場合でも,自ホストの認証サーバのプロセスは起動したままとなります。認証サーバに自ホストを指定しない場合で,認証サーバを停止したいときの設定手順を次に示します。

  1. 認証サーバを停止して影響がないか確認する。
  2. 次のコマンドを実行する。
    cd /etc/opt/jp1base/conf
    cp -p jp1bs_spmd.conf.model jp1bs_spmd.conf
  3. JP1/Baseを再起動する。

認証サーバを停止するように設定を変更したあとに,再度自ホストを認証サーバ(プライマリー認証サーバまたはセカンダリー認証サーバ)に指定する場合は,次の操作で認証サーバを起動してください。

  1. 次のコマンドを実行する。
    cd /etc/opt/jp1base/conf
    cp -p jp1bs_spmd.conf.session.model jp1bs_spmd.conf
  2. JP1/Baseを再起動する。

(4) 認証サーバを運用する際の注意事項

認証サーバは,JP1/IMまたはJP1/AJS2で構成されたシステム全体のユーザーを管理する重要なホストです。何らかの理由によって認証サーバに接続できなくなった場合に業務が停止しないように,運用方法を検討する必要があります。認証サーバの信頼性を高めるための運用方法を次に示します。

セカンダリー認証サーバを設置する
セカンダリー認証サーバを設置すると,プライマリー認証サーバの障害発生時にセカンダリー認証サーバに切り替えて業務の停止を防ぎます。セカンダリー認証サーバを設置する場合は,認証サーバを二つ指定し,プライマリー認証サーバの設定情報をセカンダリー認証サーバにコピーしてください。詳細については,「4.4.4 プライマリー認証サーバの設定情報をコピーする」を参照してください。

認証サーバをクラスタ運用する
JP1/Baseは,クラスタ運用に対応しています。実行系サーバの障害発生時に待機系サーバに自動的に切り替えることで,認証サーバの機能を停止することなく業務を継続できます。クラスタシステムで認証サーバを使用する場合は,クラスタ運用に対応するための環境設定をする必要があります。詳細については,「10. クラスタシステムで運用する場合の設定」を参照してください。

認証サーバへの接続状態を監視する
認証サーバへの接続状態を常時監視すると,認証サーバの停止やネットワーク障害によって認証サーバへ接続できなかった場合に速やかに検知して対処できます。JP1/Baseでは,認証サーバへ接続できなかった場合に統合トレースログにメッセージを出力します。ログを監視すると,認証サーバへの接続状態を監視できます。
また,セカンダリー認証サーバを設置した場合には,認証サーバへの接続状態が自動で変更された場合に統合トレースログに通知されるメッセージをJP1イベントとして発行できます。認証サーバの閉塞状態をJP1イベントで監視したい場合は,「2.4.3 JP1/Baseの障害に備えた設定」を参照してください。

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