JP1/Base 運用ガイド

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4.2.1 使用する認証サーバを指定する

Windowsの場合,どのホストにインストールされているJP1/Baseを認証サーバとして使用するかをGUIを使って指定します。

認証サーバは,次に示すホスト上で指定する必要があります。

認証サーバに指定したホストが,JP1ユーザーや,JP1資源グループに対する操作権限を管理することになります。JP1/IMおよびJP1/AJS2が混在するシステムで,ユーザー認証圏を一つだけにしたい場合は,各ホストで同じ認証サーバを指定してください。

認証サーバを運用する際の注意事項
認証サーバは,JP1/IMまたはJP1/AJS2で構成されたシステム全体のユーザーを管理する重要なホストです。何らかの理由によって認証サーバに接続できなくなった場合に業務が停止しないように,運用方法を検討する必要があります。認証サーバの信頼性を高めるための運用例を次に示します。

セカンダリー認証サーバを設置する
セカンダリー認証サーバを設置すると,プライマリー認証サーバの障害発生時にセカンダリー認証サーバに切り替えて業務を継続できます。セカンダリー認証サーバを設置する場合は,認証サーバを二つ指定し,プライマリー認証サーバの設定情報をセカンダリー認証サーバにコピーしてください。詳細については,「4.2.4 プライマリー認証サーバの設定情報をコピーする」を参照してください。

認証サーバをクラスタ運用する
JP1/Baseは,クラスタ運用に対応しています。クラスタシステムで認証サーバを使用すると,実行系サーバの障害発生時に待機系サーバに自動的に切り替えて業務を継続できます。クラスタシステムで認証サーバを使用する場合は,クラスタ運用に対応するための環境設定をする必要があります。詳細については,「10. クラスタシステムで運用する場合の設定」を参照してください。

認証サーバへの接続状態を監視する
認証サーバへの接続状態を常時監視すると,認証サーバの停止やネットワーク障害によって認証サーバへ接続できなかった場合に速やかに検知して対処できます。JP1/Baseでは,認証サーバへ接続できなかった場合に統合トレースログにメッセージを出力します。このログを監視すると,認証サーバへの接続状態を監視できます。
また,セカンダリー認証サーバを設置した場合には,認証サーバへの接続状態が自動で変更された場合に統合トレースログに通知されるメッセージをJP1イベントとして発行できます。認証サーバの閉塞状態をJP1イベントで監視したい場合は,「2.4.3 JP1/Baseの障害に備えた設定」を参照してください。

認証サーバの指定は,[JP1/Base環境設定]ダイアログボックスの[認証サーバ]タブの[認証サーバの検索順序]で行います。

セカンダリー認証サーバを設置しない場合は,認証サーバを一つだけ指定してください。セカンダリー認証サーバを設置する場合は,認証サーバを二つ指定する必要があります。指定した認証サーバは,[認証サーバ名]の設定フィールド上に表示されます。

注意事項
[認証サーバの検索順序]で自ホストを認証サーバ(プライマリー認証サーバまたはセカンダリー認証サーバ)に指定する場合は,「JP1/Base」サービスを停止してから,設定してください。

[認証サーバの検索順序]では,認証サーバの追加,指定済み認証サーバの削除および変更ができます。それぞれの手順について次に説明します。

認証サーバの追加
自ホストが認証サーバとして利用できるホストは,2台までです。認証サーバを2台指定した場合,同一ユーザー認証圏内に認証サーバを2台設置したシステム運用をすることになります。[認証サーバ名]の設定フィールドに認証サーバが2台指定されていなければ,認証サーバを追加できます。認証サーバの追加手順を次に示します。
  1. [追加]ボタンをクリックする。
    [認証サーバ]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで,自ホストがどのホストを認証サーバとして使用するのかを指定します。認証サーバは,自ホストでも他ホストでもかまいません。
  2. 認証サーバ名を入力し,[OK]ボタンをクリックする。
    [認証サーバ]タブに戻ります。[認証サーバ名]の設定フィールドに,[認証サーバ]ダイアログボックスで指定した認証サーバ名が表示されます。
[認証サーバ名]の設定フィールドの上方に表示される認証サーバがプライマリー認証サーバ,下方に表示される認証サーバがセカンダリー認証サーバです。

注意事項
認証サーバ名には,ホスト名を入力してください。IPアドレスは認証サーバ名に指定できません。

指定済み認証サーバの削除
[認証サーバ名]の設定フィールドに認証サーバが指定されていれば,認証サーバを削除できます。認証サーバの削除手順を次に示します。
  1. [認証サーバ名]の設定フィールドから削除したい認証サーバを選択する。
  2. [削除]ボタンをクリックする。

指定済み認証サーバの変更
[認証サーバ名]の設定フィールドに認証サーバが指定されていれば,認証サーバを変更できます。認証サーバの変更手順を次に示します。
  1. [認証サーバ名]の設定フィールドから変更したい認証サーバを選択する。
  2. [変更]ボタンをクリックする。
    [認証サーバ]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで認証サーバを変更します。
  3. [OK]ボタンをクリックする。
    [認証サーバ]タブに戻ります。[認証サーバ名]の設定フィールドに,[認証サーバ]ダイアログボックスで変更した認証サーバ名が表示されます。
なお,すでに認証サーバを2台指定していて,プライマリー認証サーバとセカンダリー認証サーバを入れ替えたい場合は,[認証サーバ名]の設定フィールドに表示されている認証サーバを選択し,[上へ]ボタンまたは[下へ]ボタンをクリックしてください。設定フィールドの上方に表示される認証サーバがプライマリー認証サーバ,下方に表示される認証サーバがセカンダリー認証サーバになります。

注意事項
2台目の認証サーバの追加や認証サーバを2台指定した状態で認証サーバを変更した場合,[認証サーバ]ダイアログボックスの[認証サーバを閉塞状態に設定する]が活性化されますが,これをチェックすると,その認証サーバは,認証サーバとして利用できなくなります。通常は,チェックしないでください。

[認証サーバの検索順序]での設定が完了したら,[適用]ボタンをクリックしてください。[認証サーバの検索順序]での設定が反映されます。自ホストを認証サーバに指定した場合,[認証サーバ名]の設定フィールドで認証サーバ(自ホスト)を選ぶ(反転表示させる)と,[JP1ユーザー]および[JP1資源グループ別権限レベル]が活性化します。

自ホストをプライマリー認証サーバに指定した場合は,「4.2.2 JP1ユーザー(標準ユーザー)を設定する」に進んでください。

自ホストをセカンダリー認証サーバに指定した場合は,プライマリー認証サーバに指定した認証サーバでの設定を済ませたあと,「4.2.4 プライマリー認証サーバの設定情報をコピーする」に進んでください。

自ホストを認証サーバに指定しなかった場合は,[認証サーバ]タブでの設定は,終了します。

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