JP1/Base 運用ガイド

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2.5.3 バックアップとリカバリー(UNIXの場合)

ここでは,UNIX版JP1/Baseの設定情報およびイベントデータベースのバックアップとリカバリーについて説明します。

<この項の構成>
(1) 設定情報のバックアップ
(2) イベントデータベースのバックアップ
(3) 設定情報のリカバリー
(4) イベントデータベースのリカバリー

(1) 設定情報のバックアップ

JP1/Baseの設定情報には以下のものがあります。

クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をバックアップしてください。

(a) 定義ファイルのバックアップ

JP1/Baseでは,ユーザーが設定する定義ファイルとして以下のファイルがあります。これらのファイルのバックアップをしてください。バックアップの手段には,tarやcpi,またはより高度なバックアップコマンドがあります。任意の方法でバックアップしてください。

表2-7 JP1/Baseのバックアップ対象ファイル

ファイル名 内容
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_env.conf JP1/Base環境定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_param.conf
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_param_V7.conf
JP1/Baseパラメーター定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_spmd.conf JP1/Baseプロセス管理定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_service_0700.conf 拡張起動プロセス定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/route/以下のファイル 構成定義ファイル
(JP1/IMで使用)
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_Passwd JP1ユーザー定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_Group JP1グループ定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_UserLevel JP1権限レベル定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_AccessLevel JP1資源グループ定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_Accountaccess JP1アカウントアクセス情報ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/jp1BsUmap.conf ユーザーマッピング定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/evtgw/imevtgw.conf SNMPトラップ変換用動作定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/evtgw/snmpfilter.conf SNMPトラップ変換用フィルターファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/event/index イベントサーバインデックスファイル
Eventディレクトリ※4/conf イベントサーバ設定ファイル
Eventディレクトリ※4/forward 転送設定ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/event/api API設定ファイル
任意のファイル2 または
JP1/Baseディレクトリ※1/jevlog.conf
ログファイルトラップ用動作定義ファイル
Eventディレクトリ※4/[jev_forward.conf | 任意のファイル]※3 配布定義ファイル(転送設定ファイル用)
JP1/Baseディレクトリ※1/[jev_logtrap.conf | 任意のファイル]※3 配布定義ファイル(ログファイルトラップ機能の動作定義ファイル用)
JP1/Baseディレクトリ※1/event/[jev_ntevent.conf | 任意のファイル]※3 配布定義ファイル(イベントログトラップ機能の動作定義ファイル用)
/opt/jp1base/plugin/conf/*.conf アダプタコマンド設定ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/jbshc/jbshc.conf ヘルスチェック定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1hosts jp1hosts定義ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/physical_ipany.conf 通信方式設定ファイル
JP1/Baseディレクトリ※1/logical_ipany.conf
JP1/Baseディレクトリ※1/physical_recovery_0651.conf
JP1/Baseディレクトリ※1/logical_recovery_0651.conf
JP1/Baseディレクトリ※1/physical_anyany.conf
JP1/Baseディレクトリ※1/physical_ipip.conf
JP1/Baseディレクトリ※1/logical_ipip.conf
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_baselog_setup.conf 操作ログ定義ファイル

注※1 「JP1/Baseディレクトリ」の部分は,次のディレクトリに置き換えてください。

注※2 ログファイルトラップ用動作定義ファイルは任意の名称に設定できます。使用しているファイルを,忘れずにバックアップしてください。なお,ログファイルトラップ機能を使用していない場合には,このファイルは存在しません。

注※3 配布定義ファイルはデフォルトのファイル名または任意の名称で作成できます。使用しているファイルを,忘れずにバックアップしてください。なお,定義情報の収集および配布機能を使用していない場合には存在しません。

注※4 「Eventディレクトリ」の部分は,次のディレクトリに置き換えてください。

なお,クラスタ運用している場合は,クラスタシステム用の設定をした際に指定したディレクトリ内から上記表に該当する定義ファイルをバックアップしてください。

注意事項
統合トレースログの設定は,バックアップとリカバリーの対象ではありません。設定を変更した場合は,JP1/Baseのセットアップをする際に,再度設定し直してください。

(b) 共通定義情報のバックアップ

JP1/Baseでは,定義ファイルだけでなく,共通定義情報もバックアップする必要があります。なお,この共通定義情報には,JP1/Baseのほかに,JP1/IM,JP1/AJS2の定義情報も含まれています。ただし,個々の製品の定義情報を別々に取得することはできません。

次のコマンドを実行してください。

jbsgetcnf > 退避ファイル

なお,クラスタ運用している場合は,次に示すようにコマンドを実行してください。

jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル

(2) イベントデータベースのバックアップ

イベントデータベースのバックアップは次の2種類あります。

(a) リカバリーを目的としたバックアップ

イベントデータベースファイルのバックアップ手順を次に示します。

  1. JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
  2. JP1/Baseを停止する。
  3. イベントデータベースファイルをコピーするなど任意の方法で,バックアップする。
    バックアップの対象のファイルは次のとおりです。
    /var/opt/jp1base/sys/event/servers/default/IMEvent*.*
    または,
    共有ディレクトリ/event/IMEvent*.*
    注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するディレクトリに別のパスを指定している場合は,指定したパス以下のファイルが対象となります。
  4. JP1/Baseを起動する。
  5. JP1/Baseを前提としている製品を起動する。

(b) 障害レポートとしてのバックアップ

障害レポートとしてバックアップする場合は,jevexportコマンドを使用してイベントデータベースの内容をcsvファイルに出力します。

なお,イベントデータベースは,イベントサーバごとに二つ存在し,一つが上限値(デフォルトでは10MB)を超えると,もう一方のイベントデータベースに切り替わります。この際,使用するイベントデータベースの内容は消去されます。イベントデータベースの容量を定期的に確認して,イベントデータベースが切り替わる前にjevexportコマンドを実行してください。

(3) 設定情報のリカバリー

JP1/Baseのリカバリーについて説明します。クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をリカバリーしてください。

(a) 定義ファイルのリカバリー

下記の条件を確認した上で,バックアップファイルを,元の位置にリカバリーしてください。

(b) 共通定義情報のリカバリー

「(a) 定義ファイルのリカバリー」に加えて,共通定義情報をリカバリーする必要があります。

次に示すコマンドを実行してください。

jbssetcnf 退避ファイル名

退避ファイル名にはjbsgetcnfコマンドで取得した退避ファイルを指定します。

(4) イベントデータベースのリカバリー

バックアップしたイベントデータベースファイルをリカバリーした場合に,動作保証できる条件を次に示します。

イベントデータベースファイルのリカバリー手順を次に示します。

  1. JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
  2. JP1/Baseを停止する。
  3. バックアップしたファイルをディレクトリに配置する。
    配置するディレクトリは次のとおりです。
    /var/opt/jp1base/sys/event/servers/default/
    または,
    共有ディレクトリ/event/
    注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するディレクトリに別のパスを指定している場合は,指定したパス以下に配置してください。
  4. JP1/Baseを起動する。
  5. JP1/Baseを前提としている製品を起動する。

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