JP1/Base 運用ガイド
ここでは,Windows版JP1/Baseの設定情報およびイベントデータベースのバックアップとリカバリーについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) 設定情報のバックアップ
- (2) イベントデータベースのバックアップ
- (3) 設定情報のリカバリー
- (4) イベントデータベースのリカバリー
(1) 設定情報のバックアップ
JP1/Baseの設定情報には以下のものがあります。
- 定義ファイル
- 共通定義情報
クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をバックアップしてください。
(a) 定義ファイルのバックアップ
JP1/Baseでは,ユーザーが設定する定義ファイルとして以下のファイルがあります。ファイルをコピーするなど任意の方法で,これらのファイルをバックアップしてください。
ファイル名 内容 JP1/Baseフォルダ※1\boot\JP1SVPRM.DAT 起動順序定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\boot\jp1svprm_wait.dat サービス起動遅延時間/タイマー監視時間定義ファイル※2 JP1/Baseフォルダ※1\jp1bs_env.conf JP1/Base環境定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\jp1bs_param.conf
JP1/Baseフォルダ※1\jp1bs_param_V7.confJP1/Baseパラメーター定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\jp1bs_spmd.conf JP1/Baseプロセス管理定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\jp1bs_service_0700.conf 拡張起動プロセス定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\route\以下のファイル 構成定義ファイル
(JP1/IMで使用)JP1/Baseフォルダ※1\user_acl\JP1_Passwd JP1ユーザー定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\user_acl\JP1_Group JP1グループ定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\user_acl\JP1_UserLevel JP1権限レベル定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\user_acl\JP1_AccessLevel JP1資源グループ定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\user_acl\JP1_Accountaccess JP1アカウントアクセス情報ファイル JP1/Baseフォルダ※1\user_acl\jp1BsUmap.conf ユーザーマッピング定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\ds\jp1bs_ds_setup.conf ディレクトリサーバ連携定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\evtgw\imevtgw.conf SNMPトラップ変換用動作定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\evtgw\snmpfilter.conf SNMPトラップ変換用フィルターファイル JP1/Baseフォルダ※1\event\index イベントサーバインデックスファイル Eventフォルダ※3\conf イベントサーバ設定ファイル Eventフォルダ※3\forward 転送設定ファイル JP1/Baseフォルダ※1\event\api API設定ファイル JP1/Baseフォルダ※1\event\ntevent.conf イベントログトラップ用動作定義ファイル 任意のファイル※3 またはJP1/Baseフォルダ※1\jevlog.conf※4 ログファイルトラップ用動作定義ファイル Eventフォルダ※3\[jev_forward.conf | 任意のファイル] ※5 配布定義ファイル(転送設定ファイル用) JP1/Baseフォルダ※1\[jev_logtrap.conf | 任意のファイル]※5 配布定義ファイル(ログファイルトラップ機能の動作定義ファイル用) JP1/Baseフォルダ※1\event\[jev_ntevent.conf | 任意のファイル]※5 配布定義ファイル(イベントログトラップ機能の動作定義ファイル用) インストール先フォルダ\plugin\conf\*.conf アダプタコマンド設定ファイル JP1/Baseフォルダ※1\jbshc\jbshc.conf ヘルスチェック定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\jp1hosts jp1hosts定義ファイル JP1/Baseフォルダ※1\physical_ipany.conf 通信方式設定ファイル JP1/Baseフォルダ※1\logical_ipany.conf JP1/Baseフォルダ※1\physical_recovery_0651.conf JP1/Baseフォルダ※1\logical_recovery_0651.conf JP1/Baseフォルダ※1\physical_anyany.conf JP1/Baseフォルダ※1\physical_ipip.conf JP1/Baseフォルダ※1\logical_ipip.conf JP1/Baseフォルダ※1\jp1bs_baselog_setup.conf 操作ログ定義ファイル 注※1 「JP1/Baseフォルダ」の部分は,次のフォルダに置き換えてください。
- 物理ホストの場合:インストール先フォルダ\conf
- 論理ホストの場合:共有フォルダ\jp1base\conf
注※2 サービスの起動を待機させる設定,およびサービスの起動を監視する設定を有効にしている場合は,バックアップしてください。
注※3 「Eventフォルダ」の部分は,次のフォルダに置き換えてください。
- 物理ホストの場合:インストール先フォルダ\conf\event\servers\default
- 論理ホストの場合:共有フォルダ\jp1base\event
注※4 ログファイルトラップ用動作定義ファイルは任意の名称に設定できます。使用しているファイルを,忘れずにバックアップしてください。なお,ログファイルトラップ機能を使用していない場合には,ファイルは存在しません。
注※5 配布定義ファイルはデフォルトのファイル名または任意の名称で作成できます。使用しているファイルを,忘れずにバックアップしてください。なお,定義情報の収集および配布機能を使用していない場合には存在しません。
- 注意事項
- 統合トレースログの設定は,バックアップとリカバリーの対象ではありません。設定を変更した場合は,JP1/Baseのセットアップをする際に,再度設定し直してください。
(b) 共通定義情報のバックアップ
JP1/Baseでは,定義ファイルだけでなく,共通定義情報もバックアップする必要があります。なお,この共通定義情報には,JP1/Baseのほかに,JP1/IM,JP1/AJS2の定義情報も含まれています。ただし,個々の製品の定義情報を別々に取得することはできません。
次のコマンドを実行してください。
jbsgetcnf > 退避ファイルなお,クラスタ運用している場合は,次に示すようにコマンドを実行してください。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル
(2) イベントデータベースのバックアップ
イベントデータベースのバックアップは次の2種類あります。
- リカバリーを目的としたバックアップ
- 障害レポートとしてのバックアップ
(a) リカバリーを目的としたバックアップ
イベントデータベースファイルのバックアップ手順を次に示します。
- JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
- JP1/Baseを停止する。
- イベントデータベースファイルをコピーするなど任意の方法で,バックアップする。
バックアップの対象のファイルは次のとおりです。
インストール先フォルダ\sys\event\servers\default\IMEvent*.*※
または,
共有フォルダ\jp1base\event\IMEvent*.*※
注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するフォルダに別のパスを指定している場合は,指定したパス以下のファイルが対象となります。
- JP1/Baseを起動する。
- JP1/Baseを前提としている製品を起動する。
(b) 障害レポートとしてのバックアップ
障害レポートとしてバックアップする場合は,jevexportコマンドを使用してイベントデータベースの内容をcsvファイルに出力します。
なお,イベントデータベースは,イベントサーバごとに二つ存在し,一つが上限値(デフォルトでは10MB)を超えると,もう一方のイベントデータベースに切り替わります。この際,使用するイベントデータベースの内容は消去されます。イベントデータベースの容量を定期的に確認して,イベントデータベースが切り替わる前にjevexportコマンドを実行してください。
(3) 設定情報のリカバリー
JP1/Baseのリカバリーについて説明します。クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をリカバリーしてください。
下記の条件を確認した上で,バックアップファイルを,元の位置にリカバリーしてください。
- JP1/Baseが正常にインストールされていること。
- JP1/Baseが停止していること。
- 論理ホスト環境のJP1/Baseがセットアップされていること(論理ホストの場合)。
- 共有ディスクをオンラインにしていること(論理ホストの場合)。
(b) 共通定義情報のリカバリー
「(a) 定義ファイルのリカバリー」に加えて,共通定義情報をリカバリーする必要があります。
次に示すコマンドを実行してください。
jbssetcnf (1)(b)でバックアップした退避ファイル名
(4) イベントデータベースのリカバリー
バックアップしたイベントデータベースファイルをリカバリーした場合に,動作保証できる条件を次に示します。
- バックアップとリカバリーの時間差が少ない。または,バックアップしてからリカバリーする間に登録されたJP1イベントの件数が少ない場合。
- ホスト名を変更しないでマシンを変更した場合。
イベントデータベースファイルのリカバリー手順を次に示します。
- JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
- JP1/Baseを停止する。
- バックアップしたファイルをフォルダに配置する。
配置するフォルダは次のとおりです。
インストール先フォルダ\sys\event\servers\default\※
または,
共有フォルダ\jp1base\event\※
注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するフォルダに別のパスを指定している場合は,指定したパス以下に配置してください。
- JP1/Baseを起動する。
- JP1/Baseを前提としている製品を起動する。
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