JP1/Base 運用ガイド
JP1/Baseのインストール・アンインストール時の注意事項を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) インストールについて
- (2) 再インストールについて
- (3) アンインストールについて
- (4) OS環境への設定
- (5) 上書きインストールについて
(1) インストールについて
- 「Install failed」などと表示され,Hitachi PP Installerを使ったインストールが失敗した場合,/etc/.hitachi/.hitachi.logを確認してください。なお,このログファイルは,次にHitachi PP Installerを起動すると上書きされるので,必要に応じてバックアップをとってください。
また,/var/opt/jp1base/log/JBS_SETUPディレクトリ下にインストール時のログが出力されます。このログを確認してください。
- Solarisの非大域ゾーンへインストールする場合,同一装置内のすべてのJP1/Baseを非大域ゾーンに対応したバージョン(08-50以降)にしてください。
(2) 再インストールについて
- JP1/Baseを上書きインストールする場合は,JP1/BaseとJP1シリーズすべてのプログラム,およびJP1/Baseのイベントサービスを利用しているすべてのプログラムを必ず終了してください。
JP1/AJS2 - Managerを使用している場合は,JP1/AJS2 Monitorサービスを終了してください。
- JP1/Baseを上書きインストールすると統合トレース機能(HNTRLib2)が停止します。このため,JP1/Baseを起動しても統合トレースログで情報の採取ができません。JP1/Baseを上書きインストールした場合は,統合トレース機能(HNTRLib2)が起動しているかpsコマンドを使って確認してください(hntr2monプロセスが稼働していれば起動しています)。統合トレース機能(HNTRLib2)が起動していなければ,hntr2monコマンドを使って起動してください。hntr2monコマンドの詳細については,「13. コマンド」の「hntr2mon(UNIX限定)」を参照してください。
- JP1/Baseをアンインストールしてから,再インストールする場合には,JP1/BaseおよびJP1/Baseを前提とする製品をすべてアンインストールしたあとに,JP1/Base,JP1/Baseを前提とする製品の順に再インストールをしてください。
- JP1/IM - Managerの場合
JP1/Baseを再インストールしたあと,JP1/BaseおよびJP1/IM - Managerを再セットアップしてください。
- JP1/AJS2の場合
JP1/Baseを再インストールしたあと,JP1/BaseおよびJP1/AJS2を再セットアップしてください。
- JP1/AJS2 for Mainframeの場合
JP1/AJS2 for Mainframeもアンインストールしたあと, JP1/BaseおよびJP1/AJS2 for Mainframeを再インストールしてください。そのあと,JP1/BaseおよびJP1/AJS2 for Mainframeを再セットアップしてください。
- JP1/Power Monitorの場合
JP1/Baseを再インストールしたあと,JP1/BaseおよびJP1/Power Monitorを再セットアップしてください。ただし,JP1/AJS2との連携セットアップや論理ホストのセットアップを実行していない場合は,JP1/Power Monitorを再セットアップする必要はありません。
- SNMPトラップ変換機能を利用している場合,JP1/Baseの上書きインストール後に再度,imevtgw_setupコマンドを実行してください。
(3) アンインストールについて
JP1/Baseのアンインストール後は,次に示すディレクトリが残っていないか確認し,残っている場合は削除してください。
- /etc/opt/jp1base
- /opt/jp1base
- /var/opt/jp1base
なお,インストーラーのログとして次のファイルが作成されます。アンインストールが正常終了したあとに削除してください。
/tmp/HITACHI_JP1_INST_LOG/jp1base_inst{1|2|3|4|5}.log
(4) OS環境への設定
JP1/Baseのインストール時に,/etc/servicesファイルに「付録C ポート番号一覧」に示すポート番号が設定されます。これらの設定情報は,JP1/Baseのアンインストールで削除されます。ただし,サービス名jesrdは削除されません。不要であれば,削除してください。
(5) 上書きインストールについて
以前のバージョンの製品を使用している環境に上書きインストールする場合
- JP1/Baseをインストールすると,バージョン5のイベントサービス機能は動作できなくなります。バージョン5のイベントサービスを起動する場合は,次に示すコマンドを実行してください。
また,上記コマンドを実行したあと,再びJP1/Baseのイベントサービスを起動する場合,次に示すコマンドを実行してください。このコマンドを実行しないと,JP1/Baseのイベントサービスに対してイベントを発行できないプログラムがあります。
jevmkcompat -r
jevmkcompat -u- JP1/Baseがインストールされている状態で,バージョン5のJP1/IMをインストールまたはアンインストールした場合,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -u- バージョン6のJP1/IM - Central ConsoleまたはJP1/AJS2と,バージョン7以降のJP1/Baseを同一ホストにインストールできません。
- 07-10以前のJP1/Baseでクラスタシステムをご使用の場合,07-11以降のJP1/Baseを上書きインストール後に以下の作業を行ない,論理ホスト環境の設定のアップグレードを行う必要があります。以下の説明内の太字の論理ホスト名は,アップグレードしたい論理ホストの名称に置き換えてください。
- 1. 07-00以降で追加されたプロセスが起動するようにする。
- 以下の手順で設定ファイルを修正してください。
- 認証サーバを論理ホストで起動する場合
- cp -p /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_spmd.conf.session.model 共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_spmd.conf
- cp -p /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_service_0700.conf.model 共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_service_0700.conf
- 認証サーバを論理ホストで起動しない場合
- cp -p /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_spmd.conf.model 共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_spmd.conf
- cp -p /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_service_0700.conf.model 共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_service_0700.conf
- 2. 07-00以降で追加された定義ファイルをコピーする。
- 以下の手順で定義ファイルをコピーしてください。
- 2-1 共有ディレクトリ/jp1base/conf/配下にpluginディレクトリを作成する。
- 2-2 /etc/opt/jp1base/conf/plugin/reqforward.confを,共有ディレクトリ/jp1base/conf/plugin/配下にコピーする。
- 2-3 /etc/opt/jp1base/conf/user_acl/JP1_AccessLevelを,共有ディレクトリ/jp1base/conf/user_acl/配下にコピーする。
- 2-4 共有ディレクトリ/jp1base/conf/配下にjbshcディレクトリを作成する。
- 2-5 /etc/opt/jp1base/conf/jbshc/配下のファイルを,共有ディレクトリ/jp1base/conf/jbshc/配下にコピーする。
- 3. 07-00以降で追加された共通定義情報を追加します。
- 以下の手順で設定ファイルを修正してください。
- 3-1 共通定義情報のバックアップを取る。
- 以下のコマンドを実行してください
- jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > バックアップファイル名
- 3-2 論理ホストに追加する共通定義情報を用意する。
- 以下のファイルをテンポラリーディレクトリにコピーしてください。
- 07-00のJP1/Baseをご使用の場合はjcocmd0710.conf.modelとjbshc_com.conf.model,07-10のJP1/Baseをご使用の場合はjbshc_com.conf.modelだけをコピーしてください。
- /etc/opt/jp1base/default/base_plugin.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jcocmd0700.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jcocmd0710.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jbsspm070.conf.model
- /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_param_V7.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jbshc_com.conf.model
- 3-3 3-2でコピーしたファイルをエディターなどで修正して論理ホスト用の共通定義情報を作成する。
- ファイル中の「JP1_DEFAULT」をすべて「論理ホスト名」に修正してください。ファイル名はそれぞれ「〜.conf」にしてください。
- 3-4 3-3で修正したファイルを論理ホストの共通定義情報として設定する。
- 以下のコマンドを各ファイルに対して実行して,共通定義情報を追加してください。
- jbssetcnf ファイル名
以上で,論理ホストのアップグレード作業は終了です。
- バージョン8では,コマンド実行履歴ファイル(ISAM)の保存形式が変更になりました。そのため,JP1/IMを使用している環境で,バージョン8のJP1/Baseを07-51以前のバージョンから上書きインストールした場合,JP1/IMの運用開始までの間に必ずjcocmdconvコマンドを実行してください。
このコマンドを実行すると,バージョン7以前のJP1/Baseに蓄積されたコマンド実行履歴ファイル(ISAM)を,バージョン8のコマンド実行履歴ファイル(ISAM)に移行できます。このコマンドを実行しなかった場合,バージョン7以前に蓄積されたコマンド実行履歴が参照できません。また,クラスタ運用時には,共有ディスクにアクセスできる状態で,実行系か待機系のどちらか一方から論理ホストに対し,jcocmdconvコマンドを1回だけ実行してください。
jcocmdconvコマンドの詳細については,「13. コマンド」の「jcocmdconv」を参照してください。
なお,コマンド実行履歴はマネージャーホスト(JP1/IMと同ホスト)のJP1/Baseだけに作成されます。
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