JP1/Base 運用ガイド
JP1/Baseのインストール・アンインストール時の注意事項を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) インストールについて
- (2) 再インストールについて
- (3) アンインストールについて
- (4) Windows環境への設定
- (5) 上書きインストールについて
(1) インストールについて
- ほかの製品のインストール先フォルダと同じフォルダにインストールしないでください。
- インストール時に,ファイルmsvcrt.dllを置き換えるかどうかを問い合わせるダイアログボックスが表示された場合,必ず[再起動]を選択してファイルを置き換え,インストール後にシステムを再起動してください。「無視」を選択して古いバージョンのmsvcrt.dllを残した場合,イベントの時刻がずれるなど,正しく動作しなくなることがあります。
また,ほかの製品をインストールしたあとに,イベントの時刻がずれるなどの動作不正が発生した場合は,JP1/Baseを再インストールしてください。
- JP1/Baseのインストール後にほかの製品で提供されるHNTRLib2を標準インストール先以外にインストールした場合,JP1/Baseをアンインストールしたあとで,インストール先フォルダを削除して再インストールしてください。
(2) 再インストールについて
- JP1/Baseを上書きインストールする場合は,「JP1/Base」で始まる名称のサービス,およびJP1/Baseのイベントサービスを利用しているすべてのプログラムを必ず終了してください。
- JP1/Baseをアンインストールしてから,再インストールする場合には,JP1/BaseおよびJP1/Baseを前提とする製品をすべてアンインストールしたあとに,JP1/Base,JP1/Baseを前提とする製品の順に再インストールをしてください。
- JP1/IM - Managerの場合
JP1/Baseをアンインストールしたあと,JP1/BaseおよびJP1/IM - Managerを再インストールしてください。JP1/IM - Managerのアンインストールは必要ありません。
- JP1/AJS2の場合
JP1/AJS2もアンインストールしたあと,JP1/BaseおよびJP1/AJS2を再インストールしてください。
- JP1/AJS2 for Mainframeの場合
JP1/AJS2 for Mainframeのサービスを停止してからJP1/Baseをアンインストールしてください。JP1/Baseを再インストールしたあと,JP1/AJS2 for Mainframeを再セットアップしてください。
- JP1/Power Monitorの場合
JP1/Power MonitorはJP1/Baseよりも先にアンインストールしてください。そのあと,JP1/BaseおよびJP1/Power Monitorを再インストールしてください。
- JP1/IM - Managerを同一ホストにインストールしている場合,JP1/Baseをアンインストールして別のフォルダにJP1/Baseをインストールすると,JP1/IM - Managerが正常に動作しなくなります。
この場合,JP1/IM - Managerをアンインストールして,インストール先フォルダを削除して再インストールしてください。
- SNMPトラップ変換機能を利用している場合,JP1/Baseの上書きインストール後に再度,imevtgw_setupコマンドを実行してください。
(3) アンインストールについて
- JP1/Baseをアンインストールした場合,ほかのJP1製品も使用する共通の定義ファイルが削除されるため,ほかのJP1製品が動作できなくなります。
- JP1/AJS2,JP1/Baseをインストールしたあと,JP1/AJS2だけをアンインストールすると,その後イベントサービスが起動しなくなることがあります。この場合,イベントサーバ設定ファイル(conf)のinclude ajs-confパラメーターの行を削除するか,コメント扱い(行の先頭に#を付ける)にしてください。
- インストーラーのログとして次のファイルが作成されます。アンインストールが正常終了したあとに削除してください。
Windowsのインストール先フォルダ\Temp\HITACHI_JP1_INST_LOG\jp1base_inst{1|2|3|4|5}.log
(4) Windows環境への設定
JP1/Baseのインストール時にシステム環境変数(Path変数)に,JP1/Baseのbinフォルダのパスと,統合トレース機能(HNTRLib2)のパスとして日立共通フォルダのパス(システムドライブ\Program files\Common Files\HITACHI)が設定されます。また,servicesファイルに「付録C ポート番号一覧」に示すポート番号が設定されます。システム環境変数(Path変数)に設定したJP1/Baseのbinフォルダのパス,およびserviceファイルへ設定したポート番号は,JP1/Baseのアンインストールで削除されます。サービス名jp1imcmdaは,JP1/IM - Viewがインストールされている場合,削除しません。削除しない設定情報について不要であれば,削除してください。ただし,サービス名jp1imcmdaは,JP1/IM-Viewがインストールされている場合,削除しないでください。また,日立共通フォルダのパスは統合トレース機能(HNTRLib2)以外の製品でも使用するため,削除の際は十分ご注意ください。
(5) 上書きインストールについて
以前のバージョンの製品を使用している環境に上書きインストールする場合,次の点にご注意ください。
- バージョン5のJP1/IMまたはJP1/IM - AgentがインストールされているホストにJP1/Baseをインストールする場合,次に示すサービスを必ず「手動」に変更してからインストールしてください。
- JP1/IM Agent
- JP1/IM Control Service
- JP1/IM Event
- JP1/IM Rmiregistry
- JP1/Baseをインストールすると,バージョン5のJP1/IM - AgentおよびJP1/IMイベントサービスは動作できなくなります。バージョン5のイベントサービスを起動する場合は,次に示すコマンドを実行してください。
また,上記コマンドを実行したあと,再びJP1/Baseのイベントサービスを起動する場合は,次に示すコマンドを実行してください。このコマンドを実行しないと,JP1/Baseのイベントサービスに対してイベントを発行できないプログラムがあります。
jevmkcompat -u
JP1/Baseがインストールされている状態で,バージョン5のJP1/IM - AgentおよびJP1/IMをインストールまたはアンインストールした場合も,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -i
jevmkcompat -i- JP1/Baseをインストールしたあと,JP1/Baseのイベントサービスを起動して,バージョン5以前のJP1/SESの機能を使用する場合には,次に示すコマンドを実行してください。
JP1/SESのイベントサービスを起動して,JP1/SESの機能を使用する環境に戻す場合には,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -r
jevmkcompat -u- バージョン6のJP1/IM - Central ConsoleまたはJP1/AJS2と,バージョン7以降のJP1/Baseは,同一ホストにインストールできません。
- バージョン6以前のJP1/Baseにバージョン7以降のJP1/Baseを上書きインストールするとHNTRLib2がインストールされますが,HNTRLibが残ったままになります。不要であれば,HNTRLibを利用するプログラムがないことを確認してからHNTRLibをアンインストールしてください。
- 07-10以前のJP1/Baseでクラスタシステムをご使用の場合,07-11以降のJP1/Baseを上書きインストール後に以下の作業を行ない,論理ホスト環境の設定のアップグレードを行う必要があります。以下の説明内の太字の論理ホスト名は,アップグレードしたい論理ホストの名称に置き換えてください。
以下の手順で設定ファイルを修正してください。
- 1. 07-00以降で追加されたプロセスが起動するようにする。
- 1-1 以下のファイルのバックアップを取る。
- 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf
- 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf.session
- 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf.original
- 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_sevice_0700.conf
- 1-2 以下のファイルを修正し07-00以降で追加されたプロセスが起動するようにする。
- 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf
- 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf.session
- 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf.original
- 上記ファイルをエディターなどで開き最終行に以下の行を追加します。
- 07-00および07-10のJP1/Baseをご使用の場合はjbshcd,jbshchostdだけを追加してください。
- jbsplugin|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbsplugind.exe|||60|
- jbshcd|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbshcd.exe|||60|
- jbshchostd|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbshchostd.exe|||60|
- 太字部分はJP1/Baseがインストールされているフォルダです。これらの記述は,インストール先フォルダ\conf\jp1bs_spmd.conf.originalファイルに記載されています。これをコピーして貼り付けてください。
- 1-3 以下のファイルを修正し07-11以降に追加されたプロセスが起動するようにする。
- 以下のファイルがない場合は,JP1/Baseサービス起動時に自動で作成されるのでこの手順は不要です。
- 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_sevice_0700.conf
- このファイルをエディターなどで開き最終行に以下の行を追加します。
- jbshcd|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbshcd.exe||0|3|3|21600|
- jbshchostd|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbshchostd.exe||0|3|3|21600|
- 太字部分はJP1/Baseがインストールされているフォルダです。これらの記述は,インストール先フォルダ\conf\jp1bs_service_0700.confファイルに記載されています。これをコピーして貼り付けてください。
以下の手順で定義ファイルをコピーしてください。
- 2. 07-00以降で追加された定義ファイルをコピーする。
- 2-1 共有フォルダ\jp1base\conf\配下にpluginフォルダを作成する。
- 2-2 インストール先フォルダ\conf\plugin\reqforward.confを,共有フォルダ\jp1base\conf\plugin\配下にコピーする。
- 2-3 インストール先フォルダ\conf\user_acl\JP1_AccessLevelを,共有フォルダ\jp1base\conf\user_acl\配下にコピーする。
- 2-4 共有フォルダ\jp1base\conf\配下にjbshcフォルダを作成する。
- 2-5 インストール先フォルダ\conf\jbshc\配下のファイルを,共有フォルダ\jp1base\conf\jbshc\配下にコピーする。
以下の手順で設定ファイルを修正してください。
- 3. 07-00以降で追加された共通定義情報を追加する。
- 3-1 共通定義情報のバックアップを取る。
- 以下のコマンドを実行してください。
- jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > バックアップファイル名
- 3-2 論理ホストに追加する共通定義情報を用意する。
- 以下のファイルをテンポラリーディレクトリにコピーしてください。
- 07-00のJP1/Baseをご使用の場合はjcocmd0710.confとjbshc_com.conf,07-10のJP1/Baseをご使用の場合はjbshc_com.confだけをコピーしてください。
- インストール先フォルダ\default\base_plugin.conf
- インストール先フォルダ\default\jcocmd0700.conf
- インストール先フォルダ\default\jcocmd0710.conf
- インストール先フォルダ\default\jbsspm070.conf
- インストール先フォルダ\conf\jp1bs_param_V7.conf
- インストール先フォルダ\default\jbshc_com.conf
- 3-3 3-2でコピーしたファイルをエディターなどで修正して論理ホスト用の共通定義情報を作成する。
- ファイル中の「JP1_DEFAULT」をすべて「論理ホスト名」に修正してください。ファイル名はそれぞれ「〜.conf」にしてください。
以上で,論理ホストのアップグレード作業は終了です。
- 3-4 3-3で修正したファイルを論理ホストの共通定義情報として設定する。
- 以下のコマンドを各ファイルに対して実行して,共通定義情報を追加してください。
- jbssetcnf ファイル名
- バージョン8では,コマンド実行履歴ファイル(ISAM)の保存形式が変更になりました。そのため,JP1/IMを使用している環境で,バージョン8のJP1/Baseを07-51以前のバージョンから上書きインストールした場合,JP1/IMの運用開始までの間に必ずjcocmdconvコマンドを実行してください。
このコマンドを実行すると,バージョン7以前のJP1/Baseに蓄積されたコマンド実行履歴ファイル(ISAM)を,バージョン8のコマンド実行履歴ファイル(ISAM)に移行できます。このコマンドを実行しなかった場合,バージョン7以前に蓄積されたコマンド実行履歴が参照できません。また,クラスタ運用時には,共有ディスクにアクセスできる状態で,実行系か待機系のどちらか一方から論理ホストに対し,jcocmdconvコマンドを1回だけ実行してください。
jcocmdconvコマンドの詳細については,「13. コマンド」の「jcocmdconv」を参照してください。
なお,コマンド実行履歴はマネージャーホスト(JP1/IMと同ホスト)のJP1/Baseだけに作成されます。
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