JP1/Base 運用ガイド

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1.9.2 フェールオーバーしない論理ホストでのJP1の運用

通常,論理ホストのJP1は,クラスタシステムでクラスタソフトと連携して運用します。しかし,IPアドレスとディスク領域を用意し,JP1の論理ホストをセットアップすると,クラスタソフトと連携しなくてもフェールオーバーしない論理ホスト環境でJP1を運用できます。このフェールオーバーしない論理ホストを使用すると,次のようなシステム構成を構築できます。

それぞれの運用について次に説明します。フェールオーバーしない論理ホストでJP1を運用するための環境設定については,「10.6 非クラスタ環境で論理ホストを運用する場合の設定」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 業務ごとにJP1を複数運用する
(2) 論理ホスト名と物理ホスト名が同じクラスタ構成で,物理ホスト用のJP1を運用する

(1) 業務ごとにJP1を複数運用する

一台のマシンで複数の業務を運用したい場合,それぞれに対応した論理ホストでJP1/AJS2などを実行して業務を運用できます。

JP1/AJS2を利用し,一台のマシンで二つの業務を運用する例を次の図に示します。

図1-13 一台のマシンで二つの業務を運用する

[図データ]

(2) 論理ホスト名と物理ホスト名が同じクラスタ構成で,物理ホスト用のJP1を運用する

一部のクラスタシステムでは,論理ホスト名を物理ホスト名(hostnameコマンドの実行時に表示されるホスト名)と同じにする必要がある場合があります。このような構成の場合は,物理ホスト名を使って動作する物理ホスト環境のJP1は,運用できません。

このようなクラスタシステムで,JP1を実行してsyslogの監視などをしたい場合は,実行系と待機系でそれぞれフェールオーバーをしない論理ホストでJP1を実行して運用してください。

物理ホスト名と論理ホスト名が同じクラスタ構成で,物理ホスト用のJP1/AJS2およびJP1/Baseを運用する例を次の図に示します。

図1-14 物理ホスト名と論理ホスト名が同じクラスタ構成でのJP1運用

[図データ]

物理ホストjp1-Aは,論理ホスト名と物理ホスト名を同じにする必要があるクラスタシステムです。論理ホストjp1-Aで動作するJP1/AJS2およびJP1/Baseは,クラスタソフトによって制御され,障害発生時にフェールオーバーします。論理ホストjp1-Xで動作するJP1/AJS2およびJP1/Baseは,クラスタソフトとは連携しないで,物理ホストjp1-Aだけで運用します。論理ホストjp1-Yで動作するJP1/AJS2およびJP1/Baseも同様に,物理ホストjp1-Bだけで運用します。

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