COBOL2002 ユーザーズガイド

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26.3.7 DCOMを使ったOLE2サーバの作成と利用

DCOM(Distributed Component Object Model)は,ネットワーク上のオブジェクト同士が通信できる環境を使用して,分散型アプリケーションの作成を支援する技術です。分散型アプリケーションを使用すると,ネットワークの負荷を分散させ,ネットワーク資源を有効に利用できます。

ここでは,DCOM環境でCOBOL OLE2サーバを使用する方法について説明します。

<この項の構成>
(1) OLE2サーバをDCOM環境で動作させるための前提条件
(2) OLE2サーバ登録用のレジストリファイルの作成
(3) OLE2クライアントへの登録
(4) OLE2クライアントに登録した情報の削除
(5) DCOM環境でOLE2サーバを動作させるときの注意事項

(1) OLE2サーバをDCOM環境で動作させるための前提条件

COBOL OLE2サーバをDCOM環境で使用するためには,次の条件を満たしている必要があります。

DCOMに関する設定には,Microsoft社のDCOMコンフィグレーションツールを使用します。このツールを使うと,DCOM使用の有無だけでなく,セキュリティやクライアントの使用許可権限なども設定できます。

(2) OLE2サーバ登録用のレジストリファイルの作成

OLE2クライアントにOLE2サーバの位置情報を登録するには,OLE2サーバ登録用のレジストリファイル(.reg)を使用します。

アウトオブプロセスサーバをレジストリに登録したマシン上で,次のどちらかのコマンドをコマンドプロンプトから実行すると,OLE2サーバ登録用のレジストリファイルがカレントフォルダに生成されます。

アウトオブプロセスサーバ自身の機能を使ってOLE2サーバ登録用のレジストリファイルを生成する場合
[図データ]

CBLOLERGコマンドを使ってOLE2サーバ登録用のレジストリファイルを生成する場合
CBLOLERG /g サーバファイル名

(3) OLE2クライアントへの登録

作成したOLE2サーバ登録用のレジストリファイルを使って,OLE2クライアントにOLE2サーバの位置を登録します。OLE2サーバを利用するすべてのOLE2クライアントに対して,登録操作する必要があります。

  1. OLE2サーバで作成したOLE2サーバ登録用のレジストリファイルを,OLE2クライアントにコピーする。
  2. OLE2クライアントで,OLE2サーバ登録用のレジストリファイルを実行する。
    OLE2クライアントのレジストリに,OLE2サーバの位置が登録されます。

(4) OLE2クライアントに登録した情報の削除

OLE2クライアントに登録したOLE2サーバの位置情報を削除するには,レジストリから次のキーを削除します。

レジストリのキーは,Windowsで使用できるレジストリエディタを使って削除してください。

(5) DCOM環境でOLE2サーバを動作させるときの注意事項