COBOL2002 操作ガイド

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4.5.2 構文テンプレート

構文テンプレートとは,COBOL2002で使用する構文が入力されているひな型です。このテンプレートから使いたい構文を選び,条件や文を入力してソースウィンドウに貼り付けることができます。このため,コーディングの誤りや構文エラーを少なくできます。また,ユーザが独自のテンプレートファイルを作成することもできるため,各ユーザに合った環境でコーディングできます。

<この項の構成>
(1) 構文テンプレートの使用方法
(2) 構文テンプレートファイルの作成

(1) 構文テンプレートの使用方法

  1. ソースウィンドウ上の構文を挿入したい位置にカーソルを位置づける。
  2. [構文]メニューから[構文テンプレート]を選ぶ。
    または
    [Ctrl]+[B]キーを押す。
    構文テンプレートダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

    構文
    構文ツリー欄(上の欄)と構文形式欄(下の欄)から構成されています。
    構文ツリー欄には,COBOLの構文の名称が階層表示されます。[COBOL2002]タブを選択したときはCOBOL2002用の構文テンプレートを,[VOS3 COBOL85]タブを選択したときはVOS3 COBOL85用の構文テンプレートを表示します。
    1.の操作でカーソルが構文上のキーワードの先頭から末尾の間にある場合は,そのキーワードに該当する構文名称が選択状態になります。ツリーをたどって階層を下げていくと,構文形式欄に構文の形式が表示されます。
    構文形式欄には,構文ツリーから選択した構文の形式が表示されます。構文形式欄で条件や文を入力したあと,[貼り付け]ボタンで構文形式欄の内容をソースウィンドウに貼り付けます。また,[記号削除貼り付け]ボタンでは,構文形式欄上の’{}’,’[]’,・(中点),|(ストローク),および/(スラント)を削除して貼り付けできます。
    検索する文字列
    構文テンプレートで検索する文字列を指定します。
    検索する文字列を指定したあと,[下方向]ボタンを選ぶと,構文ツリーで現在表示している場所から下方向に文字列が検索されます。同様に,[上方向]ボタンを選ぶと,上方向に文字列が検索されます。
    ユーザ構文テンプレート
    ユーザ構文テンプレートファイルの参照先を表示します。右側の[参照先の変更...]ボタンを押して,ユーザ構文テンプレートファイルの参照先を変更できます。
  3. 使用したい構文を選ぶ。
    構文ツリー欄をたどってクリックし,使用したい構文の形式を表示させます。
    (例)
    「手続き部」→「手続き部の文」→「ADD文」→「ADD (一意名)」
  4. 構文形式欄で条件や文を入力する。
  5. [貼り付け]または[記号削除貼り付け]ボタンを選ぶ。
    構文形式欄の内容がソースウィンドウのカーソル位置に貼り付けられます。ソースウィンドウで文字列が選択されている場合は,選択文字と置き換えて貼り付けられます。

(2) 構文テンプレートファイルの作成

COBOLエディタでは,ユーザ独自のテンプレートファイルを作成できます。構文テンプレートファイルを作成するときは,「user.syn」または「userv.syn」の名称で作成してください。作成した構文テンプレートファイルの既定の参照先は,COBOL2002 のインストールフォルダ下の「bin」フォルダです。

この参照先は,構文テンプレートダイアログボックスで変更または確認できます。

表4-6 構文テンプレートファイル名

ファイル名 登録内容
user.syn COBOL2002の構文テンプレートファイル名
userv.syn VOS3 COBOL85の構文テンプレートファイル名

ユーザが作成したテンプレートファイルの内容は,構文テンプレートダイアログボックスに,COBOLエディタが提供するテンプレートのあとに続いてツリー表示されます。

次に,構文テンプレートファイルに記述する内容について説明します。

構文テンプレートファイルでは,一つの構文テンプレートを次のような形式で表します。

[図データ]

1.には1〜9の数字を記述します。これが構文テンプレートダイアログボックスの構文ツリーでの階層になります。階層が複雑にならないように,レベルは4までとすることを推奨します。

2.には構文の名称を1行で記述します。これが構文テンプレートダイアログボックスの構文ツリーに表示される名称になります。

3.には構文の形式を記述します。ここには複数行記述できます。この構文の形式を構文テンプレートダイアログボックスの構文形式欄で編集し,ソースウィンドウに貼り付けることになります。そのため,構文形式欄での編集が容易になるような記述を推奨します。

4.は一つの構文テンプレートの終わりを表します。

このような構文テンプレートを必要なだけ記述して,ユーザ独自のテンプレートファイルを作成してください。なお,テンプレートファイルに記述した順序で構文テンプレートダイアログボックスに階層表示されるので,それも考慮に入れて記述してください。

注意事項
テンプレートファイル中で文字「#」を使用できるのは,「#<レベル>」と「#END」だけです。その他の部分では,「#」を使用できません。

構文テンプレートファイルの例
次に,テンプレートファイルと構文テンプレートダイアログボックスでの構文ツリーの例を示します。

図4-2 構文テンプレートファイルの例

[図データ]

図4-3 構文ツリーの例

[図データ]