COBOL2002 言語 拡張仕様編

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はじめに

このマニュアルは,次に示すプログラムプロダクトの機能およびCOBOL言語の文法について説明したものです。

対象読者

このマニュアルは,COBOL2002の機能を知りたい方,またはCOBOL2002の日立拡張仕様の文法規則を知りたい方を対象としています。また,COBOLの基本的な言語仕様と,UNIXまたはWindowsの操作方法について理解していることを前提としています。

マニュアルの構成

このマニュアルは,次に示す章と付録から構成されています。

第1章 日本語機能
日本語機能について説明しています。

第2章 テキストファイル機能
テキストファイル機能の形式について説明しています。

第3章 ファイル共用機能
ユーザ間のファイルの共用について説明しています。

第4章 索引ファイル機能の拡張
索引ファイル機能の拡張の概要とそれを実現するための規則について説明しています。

第5章 ブール形式データを扱う機能
ブール定数とブール項目の規則について説明しています。

第6章 浮動小数点形式データを扱う機能
浮動小数点形式データを扱う機能について説明しています。

第7章 報告書作成機能の拡張
報告書作成機能の拡張機能について説明しています。

第8章 データコミュニケーション機能
データコミュニケーション機能の形式と機能概略について説明しています。

第9章 データベースアクセス機能
データベースアクセス機能について説明しています。

第10章 コマンド行のアクセス
コマンド行のアクセス機能について説明しています。

第11章 通信節による画面機能
通信節を用いて画面データをディスプレイに表示したり,利用者が入力したデータをディスプレイから読み込んだり,帳票データをプリンタに出力したりする機能について説明しています。

第12章 画面節(SCREEN SECTION)による画面機能
画面節(SCREEN SECTION)を用いて画面データをディスプレイに表示したり,利用者が入力したデータをディスプレイから読み込んだりする機能について説明しています。

第13章 画面節(WINDOW SECTION)による画面機能
画面節(WINDOW SECTION)を用いて画面データをディスプレイに表示したり,利用者が入力したデータをディスプレイから読み込んだりする機能について説明しています。

第14章 書式印刷機能
入出力文で書式印刷機能を実行するための言語の形式や規則について説明しています。

第15章 アドレス操作機能
参照したいデータを記憶領域中の番地でポイントするアドレス操作機能について説明しています。

第16章 C言語インタフェース機能
C言語とのインタフェースをとるための機能について説明しています。

第17章 CSVファイル入出力機能
CSVファイル入出力機能の形式について説明しています。

第18章 OLE2オートメーションインタフェース機能
OLE2オートメーションインタフェース機能を使用するための言語の形式や規則,組み込み関数について説明しています。

第19章 データベース操作シミュレーション機能
構造型データベース(XDM/SD)操作シミュレーション機能と,VOS3 SQLデータベースアクセス機能プログラムをシミュレーションするリレーショナルデータベース(XDM/RD)操作シミュレーション機能の形式について説明しています。

第20章 HiRDBによる索引ファイル入出力機能
RDBファイル入出力をするための言語の形式や規則について説明しています。

第21章 数字項目のけた拡張機能
数字項目のけた拡張機能について説明しています。

第22章 動的長基本項目機能
動的長基本項目について説明しています。

第23章 コンパイラオプションによる仕様の相違
コンパイラオプションの指定によって言語仕様が異なるものについて説明しています。

第24章 その他の拡張仕様
このシステムで追加したCOBOLの句や文について説明しています。

付録A PC COBOL2002とUNIX COBOL2002との言語仕様の相違
PC COBOL2002とUNIX COBOL2002との言語仕様の相違について説明しています。

付録B LANGOPT=(D)オプションと-JPN,V3JPNSpaceオプションを指定した場合の仕様の相違
VOS3 COBOL85でLANGOPT=(D)オプションを指定した場合と,COBOL2002で-JPN,V3JPNSpaceオプションを指定した場合の仕様の相違点について説明しています。

付録C 各バージョンの変更内容
各バージョンの変更内容について説明しています。

付録D このマニュアルの参考情報
このマニュアルを読むに当たっての参考情報について説明しています。

X/Open仕様情報の記述個所

次の部分でX/Openの仕様情報を記述しています。

サポート機能一覧

規格

機能 製品種別
F H A B J K L S X1 X2 X3 E
基本機能
順ファイル
相対ファイル
索引ファイル
整列併合
プログラム間連絡
組み込み関数
オブジェクト指向
共通例外処理
再帰呼び出し
利用者定義関数
局所場所節(LOCAL-STORAGE SECTION)
原始文操作
自由形式正書法
TYPEDEF句とSAME AS句
翻訳指令
区分化

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
X1:32bit版PC(x86) V1 COBOL2002
X2:32bit版PC(x86) V2 COBOL2002
X3:32bit版PC(x86) V3 COBOL2002
E:64bit版PC(x64) COBOL2002
○:サポートしている

注※
覚え書きとしてサポートしている。

X/Open

機能 製品種別
F H A B J K L S X1 X2 X3 E
テキストファイル
ファイル共用(ファイルシェア) 順ファイル
相対ファイル
索引(ISAM)ファイル
テキストファイル × × × ×
CSVファイル × × × × × × × × × × × ×
HiRDBによる索引ファイル × × × × × × × × × × × ×
Btrieveによる索引ファイル ×
コマンド行および環境変数へのアクセス
画面節(SCREEN SECTION)による画面操作 × × ×
C言語インタフェース
インターナショナリゼーション

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
X1:32bit版PC(x86) V1 COBOL2002
X2:32bit版PC(x86) V2 COBOL2002
X3:32bit版PC(x86) V3 COBOL2002
E:64bit版PC(x64) COBOL2002
○:サポートしている
×:サポートしていない
−:該当しない

注※
詳細については,マニュアル「COBOL2002 使用の手引 手引編」の-Internationalオプションの説明を参照のこと。

拡張機能

機能 製品種別
F H A B J K L S X1 X2 X3 E
日本語
ブール(ビット処理)
アドレス操作
1バイト2進およびCOMP-X項目
浮動小数点データ
索引(ISAM)ファイル機能の拡張(合成キー,逆順読み)
CSVファイル
HiRDBによる索引ファイル × ×
Btrieveによる索引ファイル ×
リモートファイルアクセス × × × × × × × × ×
ラージファイル入出力 順ファイル
相対ファイル × × × × × × × × × × × ×
索引(ISAM)ファイル × × × × × × × × × ×
テキストファイル
CSVファイル
HiRDBによる索引ファイル × × × × × × × × × × × ×
Btrieveによる索引ファイル × × × ×
COBOL入出力サービスルーチン
バイトストリーム入出力サービスルーチン × × × × × ×
ファイル入出力拡張機能 ファイルサイズがレコード長の整数倍でない固定長形式の順ファイル入出力
ファイルバッファサイズ指定機能 × × × × × × × × ×
画面節(WINDOW SECTION)による画面操作 画面節(WINDOW SECTION) × × ×
JCPOPUPサービスルーチン × × ×
通信節による画面操作(XMAP3) × × × × × ×
COPY文の接頭辞/接尾辞
プリンタへのアクセス XMAP3による印刷 × × × × × ×
GDIモード印刷
ESC/Pモード印刷
ファイルのディスク書き込み保証
(書き込み時)
順ファイル
相対ファイル
索引(ISAM)ファイル
テキストファイル × × × × × × × × × × × ×
CSVファイル × × × × × × × × × × × ×
HiRDBによる索引ファイル × × × × × × × × × × × ×
Btrieveによる索引ファイル × × × ×
ファイルのディスク書き込み保証
(クローズ時)
順ファイル
相対ファイル
索引(ISAM)ファイル × × × × × × × × × × × ×
テキストファイル × × × ×
CSVファイル × ×
HiRDBによる索引ファイル × × × × × × × × × × × ×
Btrieveによる索引ファイル × × × ×
報告書作成機能
MIOS7 COBOL85との互換機能 × × × × × × × ×
イベントログファイル/syslogファイル出力機能 × × × × × × × ×
データコミュニケーション機能 × ×
データベース操作機能(ODBCインタフェース)
XDMによるデータベースシミュレーション機能 構造型データベース(XDM/SD)
リレーショナルデータベース(XDM/RD)
OLE2オートメーション機能 クライアント機能
サーバ機能 ×
CGIプログラム作成支援機能 × × × × × ×
マルチスレッド環境 作成と実行
デバッグ × × × × ×
MSMQアクセス機能
エンディアン切り替え × × × × ×
Unicode機能 × × ×
数字項目のけた拡張機能 × × × × × × × × ×
動的長基本項目機能 × × × × × × × × × ×
定数長拡張機能 英数字定数長の拡張 × × × × × × × × × ×

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
X1:32bit版PC(x86) V1 COBOL2002
X2:32bit版PC(x86) V2 COBOL2002
X3:32bit版PC(x86) V3 COBOL2002
E:64bit版PC(x64) COBOL2002
○:サポートしている
×:サポートしていない
△:サポートしている機能であるが,使える機能に一部制限がある
−:該当しない

デバッグ機能

機能 製品種別
F H A B J K L S X1 X2 X3 E
実行時デバッグ機能
テストデバッグ機能 GUIモード × × × × × × × ×
バッチモード
ラインモード × × × ×
カバレージ機能 GUIモード × × × × × × × ×
バッチモード

(凡例)
F:HP-UX(IPF) COBOL2002
H:HP-UX(IPF64) COBOL2002
A:AIX(32) COBOL2002
B:AIX(64) COBOL2002
J:Linux(x86) COBOL2002
K:Linux(x64) COBOL2002
L:Linux(IPF64) COBOL2002
S:Solaris(SPARC) COBOL2002
X1:32bit版PC(x86) V1 COBOL2002
X2:32bit版PC(x86) V2 COBOL2002
X3:32bit版PC(x86) V3 COBOL2002
E:64bit版PC(x64) COBOL2002
○:サポートしている
×:サポートしていない

文法の記号

このマニュアルの構文の説明で使用する記号については,マニュアル「COBOL2002 言語 標準仕様編」を参照してください。

プログラム例について

このマニュアルのプログラム例は,断り書きがない場合は32bit版PC(x86) COBOL2002用です。プログラム例を32bit版PC(x86) COBOL2002以外で使用するには,プログラムの記述に変更が必要な場合がありますのでご注意ください。

旧規格仕様の記載について

COBOLは,事務処理用に最も使用されているプログラミング言語です。当初はビジネス向けプログラミング言語として開発されましたが,第1次規格(ANSI68,ISO72,JIS72),第2次規格(ANSI74,ISO78,JIS80),第3次規格(ISO85,ANSI85,JIS88,JIS92),第4次規格(ISO/IEC 1989:2002)と規格の改訂を重ね,現在ではビジネス向けだけでなく,汎用プログラミングにも広がっています。

なお,COBOLに関する公式の規格は,ISO(国際規格),ANSI(アメリカ規格),およびJIS(日本工業規格)で決められています。