Groupmax Address/Mail Version 7 システム管理者ガイド 基本操作編

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付録F.1 バックアップ

稼働中バックアップは,Address Serverの認証,Mail Serverのユーザのメール操作及び掲示板の記事操作ができる状態で実行します。そのため,稼働中バックアップ中でもユーザがログオンして,メールの送受信や掲示板の記事参照などができます。

個人メール,組織メール及び掲示板の記事をバックアップします。それ以外のデータはバックアップしません。

データを回復するためには,バックアップで取得したデータと,稼働中バックアップで取得したデータの両方が必要になります。

<この項の構成>
(1) バックアップ取得の注意事項
(2) バックアップのタイミング
(3) 稼働中バックアップの手順
(4) バックアップ中にエラーが発生したときの対処
(5) ワーク領域の見積もり
(6) バックアップ先ディレクトリの見積もり
(7) ログファイル出力先ディレクトリの見積もり
(8) 稼働中バックアップ作業時間の見積もり

(1) バックアップ取得の注意事項

稼働中バックアップでは,次のデータは取得されません。

分類 取得されないデータ
掲示板 マスタ掲示板からレプリカ掲示板に転送中の記事
回覧 個人及び組織の回覧メール,サーバ間の転送中の回覧メール

(2) バックアップのタイミング

Mail Serverの情報は,次に示すタイミングの状態でバックアップされ,リストア時にそのまま復元されます。

(3) 稼働中バックアップの手順

稼働中バックアップの作業手順を次に示します。

ADpreBK,ADstrBK,MLgetBK及びADstpBKの各コマンドについては,「付録F.6 コマンドリファレンス」を参照してください。

  1. バックアップするサーバ上で,バックアップ準備コマンド(ADpreBK)を実行します。
  2. バックアップするサーバ上で,バックアップ開始コマンド(ADstrBK)を実行します。
  3. バックアップするサーバ上で,バックアップ取得コマンド(メール用)(MLgetBK)を実行します。
    稼働中バックアップが実行されます。
  4. バックアップするサーバ上で,バックアップ終了コマンド(ADstpBK)を実行します。
  5. 稼働中バックアップ作業中(手順1〜4の間)にユーザ情報が変更されている可能性がありますので,運転席の名前データベースウィンドウで「整合性の確保」を実行するか,またはnxsrrxコマンドを-rオプションを付けて実行します。
  6. 必要であれば,バックアップデータを二次媒体にコピーします。

(4) バックアップ中にエラーが発生したときの対処

稼働中バックアップ作業時にエラーが発生した場合の作業手順を次に示します。

(a) バックアップ準備コマンドでエラーが発生した場合
  1. バックアップ終了コマンドを実行します。
  2. ログの内容を解析し,障害を取り除きます。
  3. 稼働中バックアップ作業を最初からやり直します。
(b) バックアップ開始コマンドでエラーが発生した場合
  1. バックアップ終了コマンドを実行します。
  2. ログの内容を解析し,障害を取り除きます。
  3. 稼働中バックアップ作業を最初からやり直します。
(c) バックアップ取得コマンド(メール)でエラーが発生した場合
  1. ログの内容を解析し,障害を取り除きます。
  2. バックアップ取得コマンド(メール)を再実行します。
  3. バックアップ終了コマンドを実行します。
(d) バックアップ終了コマンドでエラーが発生した場合
  1. ログの内容を解析し,障害を取り除きます。
  2. バックアップ終了コマンドを実行します。
(e) バックアップ準備コマンド開始時点からバックアップ終了コマンド完了時点までにマシンダウンなどで中断された場合
  1. バックアップ終了コマンドを実行します。
  2. 稼働中バックアップ作業を最初からやり直します。
    注意
    ここで示すのは,稼働中バックアップの状態を戻す方法です。システムダウンによるそのほかの障害は,別に取り除いてください。

(5) ワーク領域の見積もり

ADpreBKコマンドの-tオプションで指定するディレクトリの容量を見積もる計算式を次に示します。

 

ワーク領域容量=α×β×1[キロバイト]

 

α:実行サーバにあるメールボックスの数

β:アドレスドメインにある掲示板(下位掲示板も含む)の数

(6) バックアップ先ディレクトリの見積もり

MLgetBKコマンドの-dオプションで指定するディレクトリの容量を見積もる計算式を次に示します。

(7) ログファイル出力先ディレクトリの見積もり

次に示す各コマンドの-mオプションで出力されるログサイズの見積もりを示します。

(8) 稼働中バックアップ作業時間の見積もり

稼働中バックアップを実行する場合の作業時間の見積もりを次に示します。

なお,ここに示す見積もり値はおおよその目安ですので,ユーザの運用によっては値が変わることがあります。

作業名 見積もり説明
バックアップ準備コマンド(ADpreBK)の実行 5分以内です。
バックアップ開始コマンド(ADstrBK)の実行 1分以内です。
バックアップ取得コマンド(MLgetBK)の実行 実行時間=B×0.3[秒]+α×β×0.1[秒]+α×M×K
(ただし,記事,メールの平均サイズは1キロバイト未満とします)
 
α:実行サーバにあるメールボックスの数
β:アドレスドメインにある掲示板(下位掲示板も含む)の数
M:1メールボックス当たりの平均送受信メール数
B:該当するサーバにある掲示板の全記事数
K:gmpublicinfoファイルでMLGETBK_SAVE_OPTION=Nを設定しない場合は0.4[秒],設定した場合は0.5[秒]
バックアップ終了コマンド(ADstpBK)の実行 実行時間=P×1[秒]
P:稼働中バックアップ作業中の利用ユーザ数

付録F.4 コマンド実行時間の見積もり」も参照してください。