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COBOL2002 Professional Tool Kit データ影響波及分析ガイド


3.6 サーバマシンで作成したデータ影響波及分析用データベースをクライアントマシンで利用する

ソースファイル数が数千,数万のプログラムを複数の担当者で影響波及調査をする場合,担当者がそれぞれ自分のマシン上にデータ影響波及分析用データベースを作成するよりも,サーバマシンで一括してデータ影響波及分析用データベースを作成し,それを各クライアントマシンに配布した方が,全体的な作業時間を短縮できます。

サーバマシンでデータ影響波及分析用データベースを作成し,配布後にクライアントマシンでデータ影響波及分析用データベースを複製して利用する手順について説明します。

サーバマシンで作成したデータ影響波及分析用データベースをクライアントマシンで利用する手順

[図データ]

  1. サーバマシンでプログラムの情報を収集し,データ影響波及分析用データベースを作成します。

  2. サーバマシンでDBユティリティのeadiaexpコマンドを実行し,データ影響波及分析用データベースをエクスポート先ファイルにエクスポートします。

  3. エクスポート先ファイルをクライアントマシンに配布(コピー)します。

  4. クライアントマシンでDBユティリティのeadiaimpコマンドを実行してエクスポート先ファイルをインポートし,データ影響波及分析用データベースを作成します。

  5. クライアントマシンで,サーバマシンのCOBOLソースを参照できる状態にします。

  6. 影響波及調査ウィンドウを起動して,影響範囲を解析します。

eadiaexpコマンドとeadiaimpコマンドの文法については,マニュアル「COBOL2002 Professional 製品 導入ガイド」を参照してください。

インポートを実行すると,データ影響波及分析用データベースの内容はすべて上書きされます。クライアントのデータ影響波及分析用データベースにすでに格納されていた情報はすべて削除されます。

COBOLソースの参照とフォルダ対応付け

クライアントマシンでデータ影響波及分析を使用するときは,データ影響波及分析用データベースに解析情報を格納したときと同じフォルダパスのCOBOLソースを参照する必要があります。次に示すどちらかの方法で,サーバマシンのCOBOLソースを参照してください。

  1. サーバマシンのCOBOLソースが格納されているフォルダを公開し,クライアントマシンから参照する。

  2. サーバマシンからクライアントマシンにCOBOLソースファイルをコピーする。

1.の場合,サーバマシンで使用していたドライブ名と同じドライブ名に割り当てることをお勧めします。2.の場合,サーバマシンと同じフォルダ構成でクライアントマシンにCOBOLソースファイルをコピーすることをお勧めします。

クライアントマシンでサーバマシンと同じフォルダ構成にできない場合,フォルダの対応付けをします。フォルダを対応付けると,データ影響波及分析の実行時にデータベース中のパス情報を変換し,クライアントマシン側で実際にCOBOLソースファイルが格納されているフォルダからCOBOLソースを読み込みます。

フォルダを対応付ける手順を次に示します。

  1. フォルダ対応付けファイル(拡張子は任意のテキストファイル)を作成し,COBOLソースファイルを格納したサーバマシンのフォルダ名(データ影響波及分析用データベースに登録されているフォルダ名)とクライアントマシンで実際に参照するフォルダ名を記述します。

    DBに登録されているフォルダ名   =>  クライアントマシンで実際に参照するソースのフォルダ名
    DBに登録されているフォルダ名   =>  クライアントマシンで実際に参照するソースのフォルダ名
          :                               :
  2. 記述したフォルダ対応付けファイル名を環境変数CBLDIA_REMAPFILEに指定します。環境変数CBLDIA_REMAPFILEは,システム環境変数またはユーザ環境変数に指定します。

    例1

    サーバマシンServerAPのD:¥APP001¥Project001をネットワークフォルダ¥¥ServerAP¥Project001として公開する場合のフォルダ対応付けファイルの内容

    D:\APP001\Project001   =>  \\ServerAP\Project001
    例2

    サーバマシンのD:¥Project001とE:¥Project002をクライアントマシンのC:¥Project001とC:¥Project002にそれぞれコピーした場合のフォルダ対応付けファイルの内容

    D:\Project001   =>  C:\Project001
    E:\Project002   =>  C:\Project002

    上記の対応付けをフォルダ対応付けファイルD:¥AP001¥Analyzer¥SampleRemapFile.txtに記述した場合,次に示すように環境変数CBLDIA_REMAPFILEにファイルのパスを指定します。

    set  CBLDIA_REMAPFILE=D:\AP001\Analyzer\SampleRemapFile.txt

フォルダ対応付けファイル名の拡張子は任意です。指定されたファイルをそのまま使用します。

フォルダ名の変換は,フォルダ対応付けファイルの先頭から順に実施されます。一度変換されたフォルダ名は,それ以降の行で変換規則を指定していても変換されません。

また,調査状態保存ファイルから影響波及の調査を再開する場合,フォルダ名の変換は実施されません。

関連項目