2.1 既存のCOBOLプログラムを解析してCOBOLプログラムを開発する
保守書がない状態のCOBOLプログラムを修正するケースに,COBOL2002 Developer Professionalの機能であるCOBOLソース解析を適用する例です。
- 事例1
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Aさんは,前任者からCOBOLプログラムの保守を引き継いだ。しかし,前任者はここ数年しか担当していなかった。在任期間中に変更があったモジュールについては保守書を作成したが,変更がなかったモジュールについては保守書を作成していなかった。システムは十数年前から稼働しているが,残っていたのは修正前のCOBOLソースファイルだけで,プログラムの処理を示す保守書はすでに失われて解析できない状態だった。
今般,システムの大幅な変更に伴い,COBOLプログラムも大幅な修正が必要になった。COBOLプログラムの呼び出し関係をCOBOLプログラムから調査するのは,人材不足の状況でありながら多大な工数が掛かってしまう。
このケースにCOBOLソース解析を適用すると,次のような効果があります。
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COBOLソース解析では,COBOLソースファイルをそのまま解析できます。他人が作成したCOBOLプログラムを1行ずつ解析する負担を軽減できます。
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保守書がなくても,ソース解析情報から,COBOLプログラムの呼び出し関係が妥当かどうか判断できます。
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各種の分布情報の出力結果から,ファイルの変更がどのCOBOLプログラムの処理と関連するか,COBOLプログラムの修正要否の判別など,COBOLプログラムの処理を調査できます。
既存のCOBOLプログラムを解析してCOBOLプログラムを開発する例を次の図に示します。