SEWB+/REPOSITORY 辞書設計ガイド
データ項目にどのような情報を定義するかについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) データ項目の定義項目
- (2) 名称
- (3) 属性
- (4) 付加情報
- (5) 言語別詳細情報
データ項目の定義項目の一覧を,表2-1に示します。データ項目名や標準名称などに定義する文字数の上限はカスタマイズできます。なお,「データ項目名」は,必ず定義しなければなりません。ほかの定義項目は,必要に応じて定義を省略できます。
表2-1 データ項目の定義項目
定義項目 文字数の上限 文字セット 標準値 設定範囲 名称 データ項目名 30 1〜92 英数字,カナ文字,日本語文字※4 標準名称※1 46 1〜92 英数字,カナ文字,日本語文字 フリガナ 30 1〜92 英数字,カナ文字,日本語文字 属性 分類 ― ― (リストからの選択で定義) けた数 9 固定 数字 小数部けた数 9 固定 数字 反復回数 5 固定 数字 付加情報 フィールド1〜20 30 1〜255 任意 コメント※1 6500 固定 任意 言語別
詳細情報※2名前 46 1〜92 英数字,カナ文字,日本語文字 タイプ ― ― (リストからの選択で定義) タイプ(フリー定義) 6500 固定 英数字,カナ文字,日本語文字 タイプ修飾情報※3 30 固定 英数字,カナ文字,日本語文字 取りうる値 6500 固定 英数字,カナ文字,日本語文字※5 初期値 160 固定 英数字,カナ文字,日本語文字 言語別フィールド 30 1〜255 任意 (凡例) 固定:文字数の上限は固定されていることを示します。
注※1 4種類までの国語区分別に定義できます。
注※2 10種類までの言語区分別に定義できます。
注※3 言語区分「COBOL又はOOCOBOL」の編集文字列,又は「IDL(CORBA)」のシーケンスを定義します。
注※4 「:」「|」は使えません。また,文字列の途中に空白文字を含めてはなりません。
注※5 記述規則に従います。詳しくは「(5)(d)取りうる値」を参照してください。
(2) 名称
名称は,データ項目辞書で管理される個々のデータ項目を識別し,その意味を知るための定義情報です。名称の定義内容を基に,目的のデータ項目を検索したり,指定した条件でソートしたりするために利用できます。この情報を定義するリポジトリブラウザのダイアログ([基本属性]タブ)を,図2-3に示します。
図2-3 データ項目を作成するダイアログ([基本属性]タブ)
データ項目を識別するために付ける名称です。データ項目名は必ず定義しなければなりません。
- (例) SHOHIN-CODE
登録するデータ項目を結合項目にする場合には,データ項目種別に「結合項目」を選択します。さらに,レコードの構造を定義する結合項目の場合には「最上位結合項目」を指定します。結合項目,最上位結合項目については,「2.4.3 データ項目の結合」及び「2.5 レコード構造の設計」を参照してください。
データ項目を結合項目にしない場合には「単項目」を選択します。
データ項目の内容や意味を分かりやすくするために付ける,システム標準の名称です。4種類までの国語別に定義できます。
- (例) 日本語の標準名称:商品コード
日本語読みの名称(フリガナ)を付けます。国語区分「英語」の場合は,フリガナを定義できません。
- (例) ショウヒンコード
- 注 データ項目を作成するダイアログの[基本属性]タブに表示される「親データ項目名」について説明します。定義対象としているデータ項目は,親データ項目名に表示されたデータ項目から,定義情報を直接,継承していることを示します。継承については,「2.4.2 データ項目の継承」を参照してください。
(3) 属性
属性は,そのデータ項目で構成されるファイルやデータベースを定義するための開発言語共通の定義情報です。この情報を定義するリポジトリブラウザのダイアログ([ソース生成属性]タブ)を,図2-4に示します。
図2-4 データ項目を作成するダイアログ([ソース生成属性]タブ)
データ項目のデータの形式を,次に示す分類区分から選択します。
- 英数字文字列データ:英数字や記号(半角文字)で表す文字列のデータ
- 日本語文字列データ:日本語文字(全角文字)で表す文字列のデータ
- 整数データ:整数で表す数値のデータ
- 正整数データ:正の整数で表す数値のデータ
- 実数データ:実数で表す数値のデータ
- 時刻データ:時刻のデータ
- 日付データ:日付のデータ
- 分類なし:上記分類以外のデータ,又は分類できないデータ
プログラムで使用する詳細なデータの形式は,言語別詳細情報のタイプに定義します。分類区分に応じて定義できる言語別のタイプも異なります。この対応関係は,環境構築ユティリティでカスタマイズできます。標準で設定されている分類とタイプの対応を,表2-2から表2-7に示します。
また,言語区分SQLのタイプをHiRDBとして使用する場合のカスタマイズ例を表2-8に示します。
表2-2 分類区分とタイプの対応(COBOL又はOOCOBOL)
分類区分 タイプ 英数字文字列
データX 英数字項目
フリー定義
Z 数字編集項目日本語文字列
データN 漢字項目
フリー定義整数データ 9 符号なし外部10進項目
U 符号なし内部10進項目
BU 符号なし2進項目
E 外部浮動小数点項目
フリー定義
S 符号付き外部10進項目
P 符号付き内部10進項目
B 符号付き2進項目
D 内部浮動小数点項目正整数データ 9 符号なし外部10進項目
U 符号なし内部10進項目
BU 符号なし2進項目
E 外部浮動小数点項目
フリー定義
S 符号付き外部10進項目
P 符号付き内部10進項目
B 符号付き2進項目
D 内部浮動小数点項目実数データ 9 符号なし外部10進項目
U 符号なし内部10進項目
E 外部浮動小数点項目
フリー定義
S 符号付き外部10進項目
P 符号付き内部10進項目
D 内部浮動小数点項目時刻データ X 英数字項目
フリー定義日付データ X 英数字項目
フリー定義分類なし X 英数字項目
N 漢字項目
S 符号付き外部10進項目
P 符号付き内部10進項目
B 符号付き2進項目
D 内部浮動小数点項目
8 外部ブール項目
フリー定義
Z 数字編集項目
9 符号なし外部10進項目
U 符号なし内部10進項目
BU 符号なし2進項目
E 外部浮動小数点項目
1 内部ブール項目
T アドレスデータ項目注 アンダーラインは,初期値を示します。
分類区分 タイプ 英数字文字列
データchar 文字型
フリー定義
char* 文字型(ポインタ)日本語文字列
データchar 文字型
フリー定義
char* 文字型(ポインタ)整数データ short 符号付き短整数型
int 符号付き整数型
long 符号付き長整数型
float 単精度浮動小数点型
long double 拡張精度浮動小数点型
unsigned short 符号なし短整数型
unsigned int 符号なし整数型
unsigned long 符号なし長整数型
double 倍精度浮動小数点型
フリー定義正整数データ short 符号付き短整数型
int 符号付き整数型
long 符号付き長整数型
float 単精度浮動小数点型
long double 拡張精度浮動小数点型
unsigned short 符号なし短整数型
unsigned int 符号なし整数型
unsigned long 符号なし長整数型
double 倍精度浮動小数点型
フリー定義実数データ float 単精度浮動小数点型
long double 拡張精度浮動小数点型
double 倍精度浮動小数点型
フリー定義時刻データ char 文字型
フリー定義日付データ char 文字型
フリー定義分類なし char 文字型
short 符号付き短整数型
int 符号付き整数型
long 符号付き長整数型
float 単精度浮動小数点型
long double 拡張精度浮動小数点型
char* 文字型(ポインタ)
unsigned short 符号なし短整数型
unsigned int 符号なし整数型
unsigned long 符号なし長整数型
double 倍精度浮動小数点型
フリー定義注 アンダーラインは,初期値を示します。
分類区分 タイプ 英数字文字列
データCHAR 固定長文字列
LONG 可変長長文字列
VARCHAR2 可変長文字列
フリー定義日本語文字列
データCHAR 固定長文字列
LONG 可変長長文字列
VARCHAR2 可変長文字列
フリー定義整数データ NUMBER 固定小数点数
フリー定義
NUMBERf 浮動小数点数正整数データ NUMBER 固定小数点数
フリー定義
NUMBERf 浮動小数点数実数データ NUMBER 固定小数点数
フリー定義
NUMBERf 浮動小数点数時刻データ フリー定義 日付データ DATE 日付
フリー定義分類なし CHAR 固定長文字列
LONG 可変長長文字列
NUMBERf 浮動小数点数
フリー定義
VARCHAR2 可変長文字列
NUMBER 固定小数点数
DATE 日付注 アンダーラインは,初期値を示します。
分類区分 タイプ 英数字文字列
データchar 文字型
unbounded string アンバウンディッド文字列型
フリー定義
string バウンディッド文字列型日本語文字列
データchar 文字型
unbounded string アンバウンディッド文字列型
wchar ワイド文字型
フリー定義
string バウンディッド文字列型
wstring ワイド文字列型整数データ short 符号付き短整数型
long 符号付き長整数型
float 単精度浮動小数点型
long long 符号付き長々整数型
フリー定義
unsigned short 符号なし短整数型
unsigned long 符号なし長整数型
double 倍精度浮動小数点型
unsigned long long 符号なし長々整数型正整数データ short 符号付き短整数型
long 符号付き長整数型
float 単精度浮動小数点型
long long 符号付き長々整数型
フリー定義
unsigned short 符号なし短整数型
unsigned long 符号なし長整数型
double 倍精度浮動小数点型
unsigned long long 符号なし長々整数型実数データ float 単精度浮動小数点型
long double 拡張倍精度長浮動小数点型
フリー定義
double 倍精度浮動小数点型
fixed 符号付き固定小数点型時刻データ char 文字型
wchar ワイド文字型
フリー定義
string バウンディッド文字列型
wstring ワイド文字列型日付データ char 文字型
wchar ワイド文字型
フリー定義
string バウンディッド文字列型
wstring ワイド文字列型分類なし char 文字型
unbounded string アンバウンディッド文字列型
short 符号付き短整数型
long 符号付き長整数型
float 単精度浮動小数点型
boolean 論理型
any 任意データ型
long long 符号付き長々整数型
long double 拡張倍精度長浮動小数点型
wchar ワイド文字型
string バウンディッド文字列型
unsigned short 符号なし短整数型
unsigned long 符号なし長整数型
double 倍精度浮動小数点型
octet オクテット型
unsigned long long 符号なし長々整数型
fixed 符号付き固定小数点型
wstring ワイド文字列型
フリー定義
- 注 アンダーラインは,初期値を示します。
分類区分 タイプ 英数字文字列
データC 文字データ
フリー定義
M 画像データ日本語文字列
データC 文字データ
フリー定義
M 画像データ整数データ I 数値データ
SP 特殊編集レベルデータ
B 集計対象外数値データ
フリー定義正整数データ I 数値データ
SP 特殊編集レベルデータ
B 集計対象外数値データ
フリー定義実数データ I 数値データ
フリー定義
B 集計対象外数値データ時刻データ C 文字データ
フリー定義日付データ CY 年次データ
DA 日次データ
C 文字データ
MO 月次データ
HS 日付・時刻データ
フリー定義分類なし C 文字データ
B 集計対象外数値データ
MO 月次データ
HS 日付・時刻データ
SP 特殊編集レベルデータ
I 数値データ
CY 年次データ
DA 日次データ
M 画像データ
フリー定義注 アンダーラインは,初期値を示します。
分類区分 タイプ 英数字文字列
データbyte バイト型
フリー定義日本語文字列
データchar 文字型
フリー定義整数データ byte バイト型
int 符号付き整数型
フリー定義
short 符号付き短整数型
long 符号付き長整数型正整数データ byte バイト型
int 符号付き整数型
フリー定義
short 符号付き短整数型
long 符号付き長整数型実数データ float 単精度浮動小数点型
フリー定義
double 倍精度浮動小数点型時刻データ フリー定義 日付データ フリー定義 分類なし byte バイト型
int 符号付き整数型
float 単精度浮動小数点型
char 文字型
フリー定義
short 符号付き短整数型
long 符号付き長整数型
double 倍精度浮動小数点型
boolean 論理型注 アンダーラインは,初期値を示します。
表2-8 分類区分とタイプの対応のカスタマイズ例(言語区分SQLのタイプをHiRDBとして使用する場合)
分類区分 タイプ 英数字文字列
データCHAR 固定長文字列
MCHAR 固定長混在文字列
フリー定義
VARCHAR 可変長文字列
MVARCHAR 可変長混在文字列日本語文字列
データNCHAR 固定長各国文字列
MCHAR 固定長混在文字列
フリー定義
NVARCHAR 可変長各国文字列
MVARCHAR 可変長混在文字列整数データ SMALLINT 短整数
DEC 固定小数点数
FLOAT 倍精度浮動小数点数
INT 整数
SMALLFLT 単精度浮動小数点数
フリー定義正整数データ SMALLINT 短整数
DEC 固定小数点数
FLOAT 倍精度浮動小数点数
INT 整数
SMALLFLT 単精度浮動小数点数
フリー定義実数データ DEC 固定小数点数
FLOAT 倍精度浮動小数点数
SMALLFLT 単精度浮動小数点数
フリー定義時刻データ TIME 時刻
フリー定義日付データ DATE 日付
フリー定義分類なし CHAR 固定長文字列
NCHAR 固定長各国文字列
MCHAR 固定長混在文字列
SMALLINT 短整数
DEC 固定小数点数
FLOAT 倍精度浮動小数点数
DATE 日付
VARCHAR 可変長文字列
NVARCHAR 可変長各国文字列
MVARCHAR 可変長混在文字列
INT 整数
SMALLFLT 単精度浮動小数点数
TIME 時刻
フリー定義注1 アンダーラインは,初期値を示します。
注2 言語区分SQLのタイプをHiRDBとして使用する場合は,上表の例のように環境構築ユティリティでカスタマイズすることをお勧めします。また,言語区分SQLのタイプをHiRDBとして使用する場合は,標準に設定されているタイプの組み合わせを変更する必要があります。タイプの組み合わせの変更については「3.1.1(8) タイプの組み合わせを変更する」を参照してください。
データのけた数(文字列データの場合は文字数)を定義します。分類区分「分類なし」を選択した場合は,けた数を定義しなくてもかまいません。
けた数の範囲※は,言語区分や言語別のタイプによって異なります。
標準に設定されているけた数の範囲を,表2-9から表2-14に示します。なお,けた数の範囲は必要に応じ,環境構築ユティリティを使ってカスタマイズすることもできます。
- 注※ 検査機能でチェックされるけた数の範囲を指します。
タイプ けた数範囲 X 英数字項目 1〜16,777,215 Z 数字編集項目 1〜18 N 漢字項目 1〜16,383 9 符号なし外部10進項目 1〜18 S 符号付き外部10進項目 1〜18 U 符号なし内部10進項目 1〜18 P 符号付き内部10進項目 1〜18 BU 符号なし2進項目 1〜18 B 符号付き2進項目 1〜18 E 外部浮動小数点項目 1〜15 D 内部浮動小数点項目 1〜15 1 内部ブール項目 1〜2,034 8 外部ブール項目 1〜2,034 T アドレスデータ項目 (チェック対象外)
タイプ けた数範囲 char 文字型 1〜999,999,999※1 char* 文字型(ポインタ) 1〜999,999,999※1 short 符号付き短整数型 1〜4 unsigned short 符号なし短整数型 1〜4 int 符号付き整数型 1〜9※2 unsigned int 符号なし整数型 1〜9※2 long 符号付き長整数型 1〜9 unsigned long 符号なし長整数型 1〜9 float 単精度浮動小数点型 1〜6 double 倍精度浮動小数点型 1〜15 long double 拡張精度浮動小数点型 1〜33※3 注※1 SEWB+/REPOSITORYで定めた制限値を示しています。けた数の制限は実行するシステムによって異なるため,その制限に合わせてカスタマイズすることをお勧めします。
注※2 32ビット表現の場合を示します。
注※3 128ビット表現の場合を示します。
タイプ けた数範囲 CHAR 固定長文字列 1〜255※1 VARCHAR2 可変長文字列 1〜2,000 LONG 可変長長文字列 1〜99,999,999※2 NUMBER 固定小数点数 1〜38 NUMBERf 浮動小数点数 1〜38 DATE 日付 (チェック対象外) VARCHAR 可変長文字列 1〜32,000 NCHAR 固定長各国文字列 1〜15,000 NVARCHAR 可変長各国文字列 1〜16,000 MCHAR 固定長混在文字列 1〜15,000 MVARCHAR 可変長混在文字列 1〜16,000 SMALLINT 短整数 1〜4 INT 整数 1〜9 DEC 固定小数点数 1〜29 SMALLFLT 単精度浮動小数点数 1〜6 FLOAT 倍精度浮動小数点数 1〜15 TIME 時刻 (チェック対象外) 注※1 言語区分SQLのタイプをHiRDBとして使用する場合は,けた数の範囲を1〜30,000に変更しておくことをお勧めします。
注※2 SEWB+/REPOSITORYで定めた制限値を示しています。けた数の制限値は実行するシステムによって異なるため,その制限に合わせてカスタマイズすることをお勧めします。
タイプ けた数範囲 char 文字型 1〜999,999,999※ string バウンディッド文字列型 1〜999,999,999※ unbounded string アンバウンディッド文字列型 (チェック対象外) short 符号付き短整数型 1〜4 unsigned short 符号なし短整数型 1〜4 long 符号付き長整数型 1〜9 unsigned long 符号なし長整数型 1〜9 float 単精度浮動小数点型 1〜6 double 倍精度浮動小数点型 1〜15 boolean 論理型 (チェック対象外) octet オクテット型 (チェック対象外) any 任意データ型 (チェック対象外) long long 符号付き長々整数型 1〜19 unsigned long long 符号なし長々整数型 1〜20 long double 拡張倍精度浮動小数点型 1〜28 wchar ワイド文字型 1〜2 wstring ワイド文字列型 1〜999,999,999※ fixed 符号付き固定小数点型 1〜10 注※ SEWB+/REPOSITORYで定めた制限値を示しています。けた数の制限値は実行するシステムによって異なるため,その制限に合わせてカスタマイズすることをお勧めします。
タイプ けた数範囲 C 文字データ 1〜4,096 I 数値データ 1〜4,096 B 集計対象外数値データ 1〜4,096 CY 年次データ 4〜4 MO 月次データ 6〜6 DA 日次データ 8〜8 HS 日付・時刻データ 4〜19 M 画像データ 1〜256 SP 特殊編集レベルデータ 1〜2
タイプ けた数範囲 byte バイト型 1〜3 char 文字型 1〜999,999,999※ short 符号付き短整数型 1〜4 int 符号付き整数型 1〜9※ long 符号付き長整数型 1〜19 float 単精度浮動小数点型 1〜6 double 倍精度浮動小数点型 1〜15 boolean 論理型 (チェック対象外) 注※ SEWB+/REPOSITORYで定めた制限値を示しています。けた数の制限値は実行するシステムによって異なるため,その制限に合わせてカスタマイズすることをお勧めします。
分類区分「実数データ」を選択した場合に,小数点以下のけた数を定義します。小数部けた数には,定義項目「けた数」の定義内容より小さい値を定義しなければなりません。
データが反復構造を持つ場合に,反復回数を定義します。反復回数を指定したデータ項目は,C言語やIDLでは配列を意味し,反復回数に指定した値が要素数になります。
(4) 付加情報
付加情報は,自由に使用できる付属的な定義情報です。この付加情報を基に,目的のデータ項目を検索することもできます。この情報は,データ項目を作成するダイアログの[基本属性]タブに定義します。
プロジェクト独自の情報を定義するなどして,自由に使用できるフィールドです。環境構築ユティリティを使用し,任意のフィールド名称を付けられます。また,リポジトリブラウザのダイアログに表示されるフィールドの数もカスタマイズできます。
- (例)
- 環境構築ユティリティを使って,フィールド1の名称に「管理部署」を設定する
- リポジトリブラウザのデータ項目を作成するダイアログでフィールド「管理部署」に「製品企画部」を定義する
このように定義すると,リポジトリブラウザで「管理部署」に定義された名称をキーにしてデータ項目を検索できます。
データ項目の使用目的,内容,注意事項などを記述します。4種類までの国語別に定義できます。
- (例) 日本語のコメント:各商品に付ける識別用コード
(5) 言語別詳細情報
言語別詳細情報は,データ項目の定義内容を,実際のアプリケーションに使用するソースコード(COBOLソースプログラムやIDLなど)に反映するための定義情報です。10種類までの言語区分別に,それぞれの言語で規定された規則に従って定義します。この情報は,データ項目を作成するダイアログの[ソース生成属性]タブに定義します。
データの名前を言語別に定義します。例えば,「COBOL又はOOCOBOL」ではデータ項目名を,「C又はC++」では変数名を,「IDL(CORBA)」ではインタフェース名などを記述します。言語別の名前に記述する文字数の制限や文字の種類は,使用する言語の規則に従ってください。
- 「COBOL又はOOCOBOL」「C又はC++」の名前の記述には
記述する文字数は,SEWB+/CONSTRUCTIONで言語別の名前がソースコードに生成されるときに付加される接頭語又は接尾語についても留意する必要があります。これらが付加された結果,文字数の制限を超えてしまわないように,あらかじめテンプレート作成者と言語別の名前に記述する文字数について検討することをお勧めします。
- (例)
- COBOL又はOOCOBOL:SYOHIN-CODE
- C又はC++:syohin-code
データの形式を表すタイプを,言語別に定義します。タイプは,英字の識別子と日本語名で表現され,設定されているレコード生成キーワードに従ってソースコードに対応付けられます。例えば,「COBOL又はOOCOBOL」のタイプ「X 英数字項目」は,「PICTURE X( )」に対応付けられています。なお,レコード生成キーワードは,環境構築ユティリティで編集できます。詳しくは「3.1.1(9) タイプに対するレコード生成キーワードを編集する」を参照してください。
分類区分に応じて,定義できる言語別のタイプが異なります。分類区分とタイプの対応の詳細については,「2.4.1(3)(a) 分類」を参照してください。
タイプ「フリー定義」を選択すると,各言語の文法に従ってデータの形式を直接,記述できます。フリー定義の言語別の記述方法を表2-15に示します。
表2-15 タイプ「フリー定義」の記述方法
言語区分 記述内容 記述例 COBOL又は
OOCOBOLPICTURE句及びUSAGE句
の定義内容PICTURE 9(5) PACKED-DECIMAL
PICTURE \\\\,\\9C又はC++ 基本型,ユーザ定義型,
typedef名などBOOLEAN
int*SQL SQLデータ型 LARGE DECIMAL
INTEGERIDL
(CORBA)基本データ型,typedef名
などunsigned short
list帳票定義 SEWB+/EUR Professional
Editionのデータ種別記号※SP
FJava ユーザ定義型,typedef名
などint* 注 バージョン02-01のSEWB+/REPOSITORYでフリー定義にenum型の文を記述した場合(リポジトリブラウザの[enum定義]ダイアログの指定も含む),バージョン02-02以降でも同様にenum型が定義されたデータ項目として扱われます。ただし,バージョン02-02以降では,フリー定義にenum型の文を記述するのではなく,列挙定数の識別子を「取りうる値」として定義することをお勧めします。
注※ フリー定義に記述するデータ種別記号については,「表5-3 データ種別記号とデータ種別」を参照してください。
タイプ修飾情報は,言語区分「COBOL又はOOCOBOL」の編集文字列の定義項目と「IDL(CORBA)」のシーケンスの定義項目の総称です。この項目を定義できるのは,言語区分が「COBOL又はOOCOBOL」又は「IDL(CORBA)」の場合です。
リポジトリブラウザでは,言語区分に応じて「編集文字列」又は「シーケンス」が定義項目の名称として表示されます。
- COBOL又はOOCOBOLでの編集文字列の定義
タイプに「Z 数字編集項目」又は「E 外部浮動小数点項目」を定義した場合に,COBOL言語の文法に従って編集文字列を記述します。
- (例) ZZZ,ZZZ,ZZ9
- IDL(CORBA)でのシーケンスの定義
タイプに指定したデータ型を,シーケンス(一次元可変長配列)とする場合にだけ定義します。
バウンディッド・シーケンスとして定義する場合には,最大要素数を指定します。また,アンバウンディッド・シーケンスとして定義する場合には,半角文字のアスタリスク(*)を指定します。
例えば,データ項目のタイプが「short 符号付き短整数型」で,シーケンスに「512」を指定した場合は,最大要素数512のshort型のバウンディッド・シーケンスという意味になります。これに対して,同じタイプでシーケンスに「*」を指定した場合には,short型のアンバウンディッド・シーケンスという意味になります。シーケンスに何も指定しないと,単なるshort型になります。
シーケンスは,結合項目に対して定義することもできます。この場合,その結合項目が表す構造体がシーケンスとして定義されていることを意味します。
- 注 シーケンスの定義はIDL特有のものです。シーケンスに相当する概念を「COBOL又はOOCOBOL」や「C又はC++」などの言語区分で定義することはできません。したがって,シーケンスを定義したデータ項目は,SEWB+/CS-DESIGNのオブジェクト定義専用のデータ項目として管理することをお勧めします。
扱うデータが限られるデータ項目で,それぞれの値に名前を付けて管理したい場合に定義する項目です。「取りうる値」では,識別のために付ける名前とデータ項目に格納する値の組み合せを,言語別に定義します。
データ項目を作成するダイアログで[取りうる値]ボタンから表示されるダイアログを図2-5に示します。
図2-5 取りうる値を定義するダイアログ
取りうる値は言語別に一覧で管理します。COBOL言語での条件名や,C言語やIDLの列挙定数(列挙型の識別子)のように,値に対応する名前で指定します。この名前を「記号」と呼びます。明示的に記号に値を割り当てる場合はC言語の列挙子のように半角の「=」を使って値を記述します。複数の場合は半角のコンマ(,)で区切ります。
例えば,「実行結果」というデータ項目が「成功」と「失敗」のどちらかの状態だけを扱う場合,取りうる値の記号には,成功の「OK」と失敗の「ERROR」を指定します。更に,OKにだけ値「1」を割り当てておくという指定(OK=1,ERROR)ができます。
なお,この項目を定義できるのは,言語区分が「SQL」「帳票定義」以外で,タイプが「フリー定義」以外の場合です。
- 注 記号には全角及び半角の空白と「,」「=」は使えません。また,値に半角の「,」「=」「\」を使う場合は,その直前に「\」を付加する必要があります。
データ項目に初期値を定義する場合,各言語の文法に従って言語別に記述します。初期値の言語別の記述方法を次に示します。なお,「COBOL又はOOCOBOL」での引用符の記述には,アポストロフィ(')を使うことをお勧めします。
なお,この項目を定義できるのは,言語区分が「SQL」「IDL(CORBA)」「帳票定義」以外の場合です。
- COBOL又はOOCOBOLでは,VALUE句に定義する文字列又は表意定数を記述します。
- (例) '顧客名' ALL '*' ZERO
- C又はC++,Javaでは,初期化文字列を記述します。
- (例) 100 "SHIKOKU"
自由に使用できる言語別のフィールドです。
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