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高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編


6.12.1 ユーザコマンドが発行されるタイミング(サーバの状態変化時)

HAモニタは,サーバの状態変化やHAモニタの状態変化に合わせてユーザコマンドを自動発行します。状態変化には複数のタイミングがあります。HAモニタは,状態変化の各タイミングに対応したパラメタを引数に指定して,ユーザコマンドを発行します。また,状態が変化したサーバがサーバモードの場合は,各処理の開始時点でHAモニタにユーザコマンドを発行させるか,終了時点で発行させるかを選べます。モニタモードのサーバおよびリソースサーバの場合は,各処理の開始時点だけで発行できます。なお,HAモニタは,ユーザコマンドが終了してから該当するサーバに関する処理を継続しますが,この処理は,パラメタによってはHAモニタの処理とは非同期に実行されます。

ここでは,サーバの状態変化を契機としたユーザコマンド発行時にHAモニタから渡されるパラメタと,ユーザコマンドが発行されるタイミングの詳細について説明します。

〈この項の構成〉

(1) サーバの状態変化によって渡されるパラメタ

サーバの状態変化によってユーザコマンドに渡されるパラメタの一覧を,次に示します。

表6‒11 サーバの状態変化によってユーザコマンドに渡されるパラメタの一覧

サーバの状態

サーバ状態パラメタ

実行サーバでの開始/終了パラメタ※1

待機サーバでの開始/終了パラメタ※1

サーバ起動

-s

start(起動処理開始)

start(起動処理開始)

end(起動処理終了)※7

end(起動処理終了)

サーバ正常終了

-e

start(正常終了処理開始)※2

start(正常終了処理開始)

end(正常終了処理終了)

サーバ計画終了

-p

start(計画終了処理開始)※2

start(計画終了処理開始)

end(計画終了処理終了)

待機サーバ終了

-e

sbyend(コマンド処理開始)

実行サーバ障害

系切り替えができる場合

-a

start(障害処理開始)

start(系切り替え処理開始)

end(障害処理終了)

end(系切り替え処理終了)※7

系切り替えができない場合

-o※8

start(障害処理開始)

end(障害処理終了)

実行サーバの再起動を待つ場合

-r※7

start(再起動待ち開始)※2

実行サーバの再起動限界を検出した場合

-n※7

start(再起動限界検出)※3

start(再起動限界検出)※4

待機サーバ障害

-a

sbyend(障害処理開始)

系障害

-h

start(系切り替え処理開始)

end(系切り替え処理終了)※7

計画系切り替え

-w※5

start(コマンド処理開始)

start(系切り替え処理開始)

end(コマンド処理終了)

end(系切り替え処理終了)※7

系切り替え失敗

-f

start(系切り替え失敗)

系切り替え時の起動リトライオーバ※6

-t※7

start(起動リトライオーバ通知)

(凡例)

−:ユーザコマンドは発行されません。

太字:状態変化したサーバがモニタモードのサーバまたはリソースサーバの場合,パラメタは渡されません。そのため,このタイミングでユーザコマンドは発行されません。

注※1

上段は開始パラメタ,下段は終了パラメタを記載しています。

注※2

startと同じ処理タイミングになるため,endは発行しません。

注※3

このパラメタのあとに-aが発行されます。

注※4

サーバ対応の環境設定のswitchtypeオペランドにrestartを指定した場合,このパラメタのあとに-aが発行されます。switchtypeオペランドにmanualを指定した場合,このあとに何も発行されません。

注※5

次の場合も,-wでユーザコマンドが起動されます。

  • モニタモードの実行サーバの障害

  • サーバがグループ化されている場合で,ほかの実行サーバの障害によって系切り替えをするとき(リソースサーバも含む)

注※6

サーバ対応の環境設定のswitch_errorオペランドにretryを指定した場合にパラメタが渡されます。

注※7

HAモニタの処理とは非同期に実行されます。

注※8

次のどれかによってサーバの起動に失敗した場合も,-oでユーザコマンドが起動されます。

  • サーバ対応の環境設定のip_neckオペランド,vg_neckオペランド,fs_neckオペランド,uoc_neckオペランド,またはstart_timeoutオペランドのどれかでサーバの起動を中止

  • サーバの起動失敗時の起動リトライ中「>ONL」に待ち状態のサーバ停止コマンド(mondeactコマンド)を実行

  • サーバ対応の環境設定のwaitserv_execyesを指定しているとき,サーバ対応の環境設定のnameオペランド,またはactcommandオペランドに指定した起動コマンドが0以外でリターン

(2) ユーザコマンドの発行タイミング(サーバの状態変化時)

ユーザコマンドの発行タイミングについて説明します。

サーバ起動時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒18 サーバ起動時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

サーバ正常終了時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒19 サーバ正常終了時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

サーバ計画終了時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒20 サーバ計画終了時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

待機サーバ終了時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒21 待機サーバ終了時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

実行サーバ障害時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒22 実行サーバ障害時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

系切り替え不可能時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒23 系切り替え不可能時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

実行サーバ再起動待ち時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒24 実行サーバ再起動待ち時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

実行サーバの再起動待ち限界時間経過時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒25 実行サーバの再起動待ち限界時間経過時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

待機サーバ障害時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒26 待機サーバ障害時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

系障害時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒27 系障害時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

計画系切り替え時に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒28 計画系切り替え時に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

実行サーバ障害が発生し,系切り替えに失敗した場合に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒29 実行サーバ障害が発生し,系切り替えに失敗した場合に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

[図データ]

複数スタンバイ構成で,実行サーバ障害が発生して系切り替えに失敗し,ほかの待機サーバに系切り替えする場合に渡されるパラメタと発行タイミングを次の図に示します。

図6‒30 複数スタンバイ構成で,実行サーバ障害が発生して系切り替えに失敗し,ほかの待機サーバに系切り替えする場合に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

[図データ]

系障害が発生し,系切り替えに失敗した場合に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒31 系障害が発生し,系切り替えに失敗した場合に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

複数スタンバイ構成で,系障害が発生して系切り替えに失敗し,ほかの待機サーバに系切り替えする場合に渡されるパラメタと発行タイミングを次の図に示します。

図6‒32 複数スタンバイ構成で,系障害が発生して系切り替えに失敗し,ほかの待機サーバに系切り替えする場合に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

[図データ]

計画系切り替えで,系切り替えに失敗した場合に渡されるパラメタと発行タイミングを,次の図に示します。

図6‒33 計画系切り替えで,系切り替えに失敗した場合に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

[図データ]

複数スタンバイ構成で,計画系切り替えで系切り替えに失敗し,ほかの待機サーバに系切り替えする場合に渡されるパラメタと発行タイミングを次の図に示します。

図6‒34 複数スタンバイ構成で,計画系切り替えで系切り替えに失敗し,ほかの待機サーバに系切り替えする場合に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

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図6‒35 起動リトライする回数を超えた場合に渡されるパラメタと発行タイミング

[図データ]

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