Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)(x86)編


6.11.1 ホスト名とサービス名の登録

監視パスに使用するTCP/IP LANのホスト名とサービス名を登録します。登録する必要があるのは,次のファイルです。

登録するホスト名とサービス名は,HAモニタの環境設定でも同じ名称を設定します。ここでは,登録する内容,およびファイルの設定例について説明します。/etc/hostsファイルおよび/etc/servicesファイルへの指定の追加方法については,OSのマニュアルを参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ホスト名の登録

(2) サービス名の登録

/etc/servicesファイルに,すべての監視パスに使用するTCP/IP LANのサービス名を指定します。系切り替え構成内のすべての系で同じ名称にしてください。

また,ポート番号の値は5001以上のシステムで未使用の番号とし,すべての系で同じポート番号を指定してください。プロトコル名にはudpを指定してください。

(3) ファイルの設定例

次に示すファイルの設定例について説明します。

HAモニタ Extensionを使用して系の最大数を変更し,マルチキャストでaliveメッセージを送受信する場合のファイルの設定例については,「(4) ファイルの設定例(HAモニタ Extensionを使用し,マルチキャストでaliveメッセージを送受信する場合)」を参照してください。

(a) 設定例で示す監視パスの構成

この設定例では,監視パスは次の図のように構成されていることを想定しています。

図6‒35 監視パスの構成例

[図データ]

(b) /etc/hostsファイルの設定例

/etc/hostsファイルの設定例を,次に示します。系1と系2で同じ内容を設定します。

# IPアドレス       ホスト名
192.168.0.11        path11
192.168.1.11        path12
192.168.0.12        path21
192.168.1.12        path22

系1で使用している監視パスとしてpath11path12を指定します。また,系2で使用している監視パスとしてpath21path22を指定します。

(c) /etc/servicesファイルの設定例

/etc/servicesファイルの設定例を,次に示します。系1と系2で同じ内容を設定します。

# サービス名     ポート番号/プロトコル名
HAmon1           7777/udp
HAmon2           7778/udp 

監視パスを二重化するため,HAmon1およびHAmon2の二つのサービスを指定します。

(d) HAモニタの環境設定例

HAモニタの環境設定(/opt/hitachi/HAmon/etc/sysdef)の設定例を次に示します。系1と系2で設定する内容は異なります。なお,この例では,ホスト名とサービス名の登録に関係する部分だけを抜き出して記載しています。

系1の設定例

environment
   lan     path11:path12,
   lanport HAmon1:HAmon2
;

系2の設定例

environment
   lan     path21:path22,
   lanport HAmon1:HAmon2
;

lanオペランドには/etc/hostsファイルに指定した監視パス名を,lanportオペランドには/etc/servicesファイルに指定したサービス名を指定します。lanオペランドおよびlanportオペランドに指定する値は,順番をそろえてください。この構成例では,path11path21の監視パスがHAmon1というサービスと対応しているため,両オペランドの最初に指定します。

lanオペランドやlanportオペランドの詳細については,「8.3.1 HAモニタの環境設定(sysdef)」を参照してください。

(4) ファイルの設定例(HAモニタ Extensionを使用し,マルチキャストでaliveメッセージを送受信する場合)

HAモニタ Extensionを使用して系の最大数を変更し,マルチキャストでaliveメッセージを送受信する場合の,次に示すファイルの設定例について説明します。

(a) 設定例で示す監視パスの構成

この設定例では,監視パスは次の図のように構成されていることを想定しています。

図6‒36 監視パスの構成例

[図データ]

(b) /etc/hostsファイルの設定例

/etc/hostsファイルの設定例を,次に示します。系1と系2で同じ内容を設定します。

# IPアドレス       ホスト名
192.168.0.11        path11
192.168.1.11        path12
192.168.0.12        path21
192.168.1.12        path22
239.1.1.1           alive_id

系1で使用している監視パスとしてpath11path12を指定します。系2で使用している監視パスとしてpath21path22を指定します。

また,この設定例では任意のマルチキャストグループIDを指定するため,マルチキャストグループIDとして239.1.1.1を,マルチキャストグループIDに対応するホスト名としてalive_idを指定します。

(c) /etc/servicesファイルの設定例

/etc/servicesファイルの設定例を,次に示します。系1と系2で同じ内容を設定します。

# サービス名     ポート番号/プロトコル名
HAmon1           7777/udp
HAmon2           7778/udp 

監視パスを二重化するため,HAmon1およびHAmon2の二つのサービスを指定します。

(d) HAモニタの環境設定例

HAモニタの環境設定(/opt/hitachi/HAmon/etc/sysdef)の設定例を次に示します。系1と系2で設定する内容は異なります。なお,この例では,HAモニタ Extensionを使用し,マルチキャストでaliveメッセージを送受信する場合の,ホスト名とサービス名の登録に関係する部分だけを抜き出して記載しています。

系1の設定例

environment
   lan               path11:path12,
   lanport           HAmon1:HAmon2,
   hostmax           33,
   alive_multicast   use,
   multicast_lan     alive_id
;

系2の設定例

environment
   lan               path21:path22,
   lanport           HAmon1:HAmon2,
   hostmax           33,
   alive_multicast   use,
   multicast_lan     alive_id
;

lanオペランドには/etc/hostsファイルに指定した監視パス名を,lanportオペランドには/etc/servicesファイルに指定したサービス名を指定します。lanオペランドおよびlanportオペランドに指定する値は,順番をそろえてください。この構成例では,path11path21の監視パスがHAmon1というサービスと対応しているため,両オペランドの最初に指定します。

hostmaxオペランドには,一つの系切り替え構成での系の最大数を指定します。この設定例では系の最大数として33以上を指定するため,alive_multicastオペランドにuseを指定しなくても,aliveメッセージはマルチキャストで送受信されます。

また,multicast_lanオペランドには,マルチキャストグループIDに対応するホスト名として,alive_idを指定します。

各オペランドの詳細については,「8.3.1 HAモニタの環境設定(sysdef)」を参照してください。