Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)(x86)編


6.4.2 LVMを使用する場合の共有ディスクのSCSIリザーブに必要なオペランドの指定値の求め方

LVMを使用する場合の,サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランド,およびdmmp_deviceオペランドの指定値の求め方について説明します。

scsi_deviceオペランドは次の場合に指定します。

また,マルチパスソフトウェア(DMMP)による冗長化構成の場合は,dmmp_deviceオペランドを指定します。

〈この項の構成〉

(1) scsi_deviceオペランドの指定値

(a) シングルパス構成,VMware ESXiでの仮想化環境,およびHFC-PCMの場合

scsi_deviceオペランドには,共有ディスクのシンボリックリンクを指定します。シンボリックリンクは,LVMの物理ボリューム名を基に取得した共有ディスクのパス名から求めます。

scsi_deviceオペランドの指定値を求める手順を次に示します。

  1. 物理ボリューム名を確認する。

    確認方法を次に示します。

    #/sbin/vgdisplay -v ボリュームグループ名

    ボリュームグループ名に,vg01を指定する場合の例を次に示します。

    実行例
    #/sbin/vgdisplay -v vg01
    実行結果
     --- Volume group ---
     VG Name               vg01
    ・
    ・
     --- Physical volumes ---
     PV Name               /dev/sda1
    ・
    ・
    (以降省略)

    下線で示す部分が物理ボリューム名です。また,末尾の数字はパーティション番号です。

  2. シンボリックリンクを取得する。

    次のコマンドで,OSが作成する/dev/disk/by-id配下に存在するシンボリックリンクを取得します。物理ボリューム名には,手順1.で確認した物理ボリューム名から,「/dev/」とパーティション番号を除いた値を指定します。

    # ls -l /dev/disk/by-id | grep 物理ボリューム名$

    物理ボリューム名に,sdaを指定する場合の例を次に示します。

    実行例
    # ls -l /dev/disk/by-id | grep sda$
    実行結果
    lrwxrwxrwx 1 root root  9 Jun  7 17:08 scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065 -> ../../sda

    下線で示す部分がシンボリックリンクです。scsi_deviceオペランドに指定するときは,絶対パスで指定します。

    注意事項

    次のシンボリックリンクはscsi_deviceオペランドに指定しないでください。

    ・末尾に"part"が含まれるシンボリックリンク

    ・先頭が"wwn-"で始まるシンボリックリンク

(b) マルチパスソフトウェア(HDLM)による冗長化構成の場合

共有ディスクのパスをHDLMで冗長化する場合は,scsi_deviceオペランドにHDLMの論理デバイスを絶対パスで指定します。LVMの物理ボリューム名がHDLMの論理デバイス名にパーティション番号を加えた値であるため,LVMの物理ボリューム名から求めます。

次のコマンドを実行して,物理ボリューム名を確認します。

#/sbin/vgdisplay -v ボリュームグループ名

ボリュームグループに,vg01を指定する場合の例を次に示します。

実行例
#/sbin/vgdisplay -v vg01
実行結果
 --- Volume group ---
 VG Name               vg01
・
・
 --- Physical volumes ---
 PV Name               /dev/sddlmaa1
・
・
(以降省略)

下線で示す部分がLVMの物理ボリューム名です。末尾の「1」はパーティション番号です。LVMの物理ボリューム名からパーティション番号を除いた値をscsi_deviceオペランドに指定します。

重要

HDLMの論理デバイス名は,系間で一致していない可能性があります。系切り替え構成内のすべての系でこの手順を実施し,scsi_deviceオペランドの指定値を確認してください。

(2) dmmp_deviceオペランドの指定値(マルチパスソフトウェア(DMMP)による冗長化構成の場合)

dmmp_deviceオペランドには,DMMPの論理デバイスを絶対パスで指定します。LVMの物理ボリューム名がDMMPの論理デバイスであるため,LVMの物理ボリューム名から求めます。

次のコマンドを実行して,物理ボリューム名を確認します。

#/sbin/vgdisplay -v ボリュームグループ名

ボリュームグループに,vg01を指定する場合の例を次に示します。

実行例
#/sbin/vgdisplay -v vg01
実行結果
 --- Volume group ---
 VG Name               vg01
・
・
 --- Physical volumes ---
 PV Name               /dev/mapper/mpath1p1
・
・
(以降省略)

下線で示す部分がLVMの物理ボリューム名,すなわちDMMPの論理ボリュームです。また,末尾の「p1」はパーティション番号です。DMMPの論理ボリュームからパーティション番号を除いた値をdmmp_deviceオペランドに指定します。