5.2.5　仮想化環境を系切り替え構成にする場合の考慮点（VMware ESXi使用時）

(1)　系切り替え構成にしたい仮想マシンを検討する

VMware ESXiによる仮想化環境と通常の環境とでは，リセットの対象が仮想マシンかプロセサか，ということ以外は，HAモニタの動作に差異はありません。系のリセットをする場合は，仮想マシン・仮想マシン間で系切り替え構成にできます。SCSIリザーブをする場合，またはLANの通信可否による系切り替え制御機能を使用する場合は，仮想マシン・仮想マシン間，仮想マシン・プロセサ間のどちらでも系切り替え構成にできます。

ただし，信頼性確保の観点から，系切り替え構成にする系同士は別プロセサにすることを推奨します。

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(2)　HAモニタのバージョンを確認する

VMware ESXiによる仮想化環境を含む系切り替え構成で系のリセットをする場合，系切り替え構成内のすべてのHAモニタのバージョンを01-50以降にしてください。01-50より前のバージョンのHAモニタがあると，仮想化環境の系をリセットできません。

既存システムと同一の監視パスを使用する場合は，既存システムのHAモニタのバージョンを01-50以降にするか，既存システムのHAモニタと接続しないように監視パスを設定してください。

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(3)　マシン環境を確認する

VMware ESXiで仮想化する場合，次のマシン環境であることを確認してください。

• /usr/bin/sshコマンドがインストールされている（系のリセットをする場合）。

  仮想マシン上の系をリセットするため，HAモニタは/usr/bin/sshコマンドを使用してVMware ESXiに接続します。このため，このコマンドがインストールされていない場合は，Linuxに同梱されているopenssh-clientsパッケージをインストールしてください。

• VMware ESXiにSSHで接続できる環境である（系のリセットをする場合）。

  rootユーザがSSHでVMware ESXiに接続できる必要があります。

また，物理パーティション上で動作する仮想マシン1台に対して，常に物理CPUのコアが一つ以上割り当たるようにすることを推奨します。

それを満たさない場合，仮想マシンにコアが割り当てられない時間帯が発生してしまうため，一時的にHAモニタが動作できなくなります。この結果，系障害の検知の遅延や，aliveメッセージの通知の遅延が発生します。

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(4)　使用する機能を確認する

• VMware ESXiによる仮想化環境で系のリセットをする場合は，相互系切り替え構成での系切り替え時間の短縮（HAモニタの環境設定のcpudownオペランドでsystemを指定）はできません。

• 次の条件をすべて満たす場合，HAモニタを起動する前に，HA Monitor Connectorが稼働する仮想マシンを起動してください。

  • HA8000xNモデル以降である

  • 障害管理プロセサとして管理サーバを使用しない構成である

  • HAモニタが稼働する仮想マシンと，HA Monitor Connectorが稼働する仮想マシンとで分かれている

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