Hitachi

Hitachi HA Toolkit


2.7.2 障害時の系切り替えの流れ

サーバの障害を検知した場合,HA Toolkit Exは系切り替えまたはサーバの再起動をします。ここでは,系切り替えについて説明します。

系切り替えは,クラスタソフトが実施します。そのため,HA Toolkit Exを使用したクラスタシステムでは,クラスタソフトで使用できる系切り替えをそのまま適用できます。

サーバ障害時の系切り替えの流れを次に示します。

図2‒9 サーバ障害時の系切り替えの流れ(HA Toolkit Ex)

[図データ]

  1. 障害

    サーバ自身が障害を検知した場合,サーバがHA Toolkit Exに障害発生を通知します。サーバ自身が検知できない障害の場合,HA Toolkit Exが障害発生を検知します。

  2. 検知

    HA Toolkit Exの監視プロセスがサーバの障害を検知します。

  3. 停止

    HA Toolkit Exの監視プロセスは,障害が発生したサーバのプロセスを強制停止します。

  4. 停止

    HA Toolkit Exの監視プロセスは,HA Toolkit Exのサービスプロセスを停止します。

  5. 検知

    クラスタソフトは,HA Toolkit Exのサービスプロセスの障害を検知します。

  6. 切り離し

    クラスタソフトがリソースを切り離します。

  7. 系切り替え

    クラスタソフトは,あらかじめ指定された待機系で,障害が発生したサービスグループをオンライン化します。

  8. リソースの接続

    クラスタソフトは,サーバに必要なリソースを接続します。

  9. 起動

    クラスタソフトは,HA Toolkit Exのサーバ起動コマンドを実行します。

  10. 通知

    HA Toolkit Exのサービスプロセスは,HA Toolkit Exの監視プロセスに,サービスプロセスの起動を通知します。

  11. 指示

    サービスプロセスが起動したので,HA Toolkit Exの監視プロセスは,待機サーバに対して実行サーバとして起動するよう通知します。待機サーバが起動していない場合は,待機系でHA Toolkit Exの定義ファイル(servers)のactcommandオペランドに指定したサーバ起動コマンドが実行され,実行サーバが起動します。オペレーターが待機サーバの起動コマンドを実行していない場合は,待機サーバは事前に起動しません。

  12. 起動完了

    待機サーバが実行サーバに切り替わります。サーバの起動が完了すると,HA Toolkit Exの監視プロセスはサーバの監視を開始します。