Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


37.5.1 共通の注意事項

  1. adbmodareaコマンドは,APおよびほかのコマンドと同時に実行できません。

  2. DBエリアファイルに割り当て済みのブロックスペシャルファイルを,新しいデータ用DBエリアファイルとして割り当てることはできません。

  3. ダイレクトI/Oをサポートしていないファイルシステム上にデータ用DBエリアファイルを作成できません。

  4. 誤って削除してしまったDBエリアを回復したい場合に備えて,DBエリアの削除を実行する前に,必ずデータベースのバックアップを取得してください。バックアップについては,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドデータベースのバックアップを参照してください。

  5. adbmodareaコマンドが既存のファイルを上書きする場合,対象ファイルはいったん削除されてから再作成されます。

  6. adbmodareaコマンドが異常終了した場合は,エラーの原因を取り除いてから,コマンドを再実行してください。

  7. adbmodareaコマンドの実行中に,電源断などが原因でHADBサーバが異常終了した場合,ロールバックに失敗してデータベースが不正な状態になることがあります。その場合は,adbstartコマンドを実行して,HADBサーバを再開始してください。

  8. adbmodareaコマンドの実行中に,電源断などが原因でHADBサーバが異常終了した場合,不要なDBエリアファイルが残ることがあります。ただし,DBエリアファイルが残っても問題ないため,特に削除は不要です。

    もし,残ったDBエリアファイルを削除したい場合は,次に示す手順で削除できます。

    手順1.

    adbstartコマンドを実行して,HADBサーバを再開始してください。HADBサーバの再開始が完了するまで,DBエリアファイルは削除できません。

    手順2.

    -dオプションにusedを指定してadbdbstatusコマンドを実行してください。

    手順3.

    adbdbstatusコマンドで出力される,DBエリア,表とインデクスの使用量情報の「DBarea_filename」列に,削除したいDBエリアファイル名が出力されていないことを確認してください。

    HADBサーバが使用していないDBエリアファイルは,「DBarea_filename」列に出力されません。そのため,削除できるDBエリアファイルと判断できます。ただし,「DBarea_filename」列にファイル名が出力されないが,HADBサーバが使用しているファイル(ADBMSTなど)があります。該当するファイル(ADBMSTなど)は,削除しないでください。

    手順4.

    HADBサーバが使用していないことを確認したあとで,削除したいDBエリアファイルをOSのrmコマンドなどで削除してください。

  9. adbmodareaコマンドの実行中に,電源断などが原因でHADBサーバが異常終了した場合,HADBサーバ内での処理結果を示すメッセージがどこにも出力されないことがあります。メッセージが出力されていない場合は,異常終了したHADBサーバを再開始したあと,adbdbstatusコマンドを実行してください。adbdbstatusコマンドの出力結果から,DBエリアの変更が反映されているかどうかを確認できます。

  10. adbmodareaコマンドで追加したデータ用DBエリアには,自動でグローバルバッファが割り当てられます。任意のバッファを割り当てたい場合は,サーバ定義にadbbuffオペランドを追加して,HADBサーバを再起動してください。adbbuffオペランドの指定方法については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドサーバ定義の設計サーバ定義のオペランドの内容グローバルバッファに関するオペランドおよびオプション(コマンド形式)を参照してください。

  11. グローバルバッファを割り当てているデータ用DBエリアをすべて削除した場合,そのグローバルバッファが使用していた共有メモリが解放されます。

  12. DBエリアの追加およびDBエリアの削除を実行した場合は,次に示すメモリ所要量が変化します。そのため,再見積もりしてください。変数の求め方については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドリソースの設計HADBサーバのメモリ所要量の見積もりHADBサーバ開始時のメモリ所要量の求め方を参照してください。

    • グローバルバッファページの所要量(変数SHM_BUFGLOBAL

    • プロセス共通メモリの所要量(変数BUFGLOBAL

  13. コールドスタンバイ構成で共有ディスクのSCSIリザーブを使用している場合,次に示すときは,HAモニタのserversファイル中のオペランドの指定を変更する必要があります。

    • adbmodareaコマンドでDBエリアを追加するとき

    • adbmodareaコマンドでDBエリアを拡張するとき

    • adbmodareaコマンドでDBエリアを削除するとき

    そのため,コールドスタンバイ構成をいったん終了する必要があります。運用手順の詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドデータ用DBエリアの追加・削除・拡張(コールドスタンバイ構成の場合)を参照してください。

  14. 暗号化していないデータ用DBエリアを暗号化する場合,そのデータ用DBエリアをいったん削除したあとに,暗号化対象のデータ用DBエリアとして追加してください。暗号化しているデータ用DBエリアの暗号化をやめる場合も同様に,データ用DBエリアを削除したあとに追加してください。詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイド暗号化していないDBエリアを暗号化する場合および暗号化対象のDBエリアの暗号化をやめる場合を参照してください。

  15. adbmodareaコマンドの実行時,次の表に示すファイルにアクセスします。adbmodareaコマンドを実行する前に,各ファイルに次の表に示すパーミッションを設定してください。

    表37‒6 ファイルに設定するパーミッション

    ファイル

    アクセスするOSユーザ

    必要な権限

    DBエリア追加・変更オプションファイル

    コマンドの実行ユーザ

    読み取り権限

    DBエリア追加・変更オプションの-vオプションに指定するブロックスペシャルファイル(クラウドストレージ機能を使用しない場合)

    HADBサーバプロセスの実行ユーザ

    • 読み取り権限

    • 書き込み権限

    注※

    「HADBサーバプロセスの実行ユーザ」は,HADB管理者のOSユーザです。

    「コマンドの実行ユーザ」については,「表1‒1 コマンドの一覧(コマンドの実行条件)」の「コマンドを実行できるOSユーザ」列を参照してください。