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Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


35.6 注意事項

  1. adbmergechunkコマンドは,格納済みの表データの検索にSQL文を使用します。そのため,SQL文の非順序実行方式が適用される環境での実行を推奨します。非順序実行方式が適用される環境については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドデータベースの検索処理方式(非順序実行方式)を参照してください。

  2. adbmergechunkコマンドのオプションに指定するファイルの改行コードは,X'0A'LF)またはX'0D0A'CRLF)としてください。

  3. adbmergechunkコマンドの実行を中断する場合は,adbcancelコマンドで中断してください。adbcancelコマンド以外を使用するときは,adbstop --forceコマンド,OSのkillコマンドなどでサーバプロセスを強制終了してください。また,adbmergechunkコマンドを中断したあとは,「35.5 adbmergechunkコマンドが異常終了したときの対処方法」を参照して,必要に応じて対処してください。

    実行中のコマンドをadbcancelコマンドで中断する方法については,「1.8 実行中のコマンドを中断(強制終了)する場合」を参照してください。

  4. マージチャンク処理は,サーバプロセスで実行されます。このため,[Ctrl][C]キーなどでadbmergechunkコマンドのコマンドプロセスを強制終了しても,サーバプロセスで実行中のマージチャンク処理は中断されません(処理が続行されます)。マージチャンク処理が完了すると,メッセージログファイルにKFAA81001-Iメッセージが出力されます。

  5. マージチャンク処理中に作業用のファイル(作業用一時ファイル)が一時的に作成されます。作業用一時ファイルは,adbmergechunkコマンドが正常に終了(リターンコードが0または4の場合)した場合は自動的に削除されますが,adbmergechunkコマンドが正常に終了しなかった場合は削除されないことがあります。

    作業用一時ファイルの中には,ほかのコマンドを再実行する際に必要となるファイルが含まれています。そのため,ほかのコマンドを再実行する前に作業用一時ファイルを削除しないでください。削除すると,ほかのコマンドが正しく実行されません。

  6. 作業用一時ファイルがディスク容量を圧迫するおそれがあるため,ほかのコマンドを再実行する必要がない場合は,作業用一時ファイルを定期的に削除することを推奨します。

    この場合は,次に示すディレクトリ下に作業用一時ファイルが残っていないかを定期的に確認し,ファイルがあるときは削除してください。

    • $DBDIR/ADBSYS/ADBUTL

    • -wオプションに指定した作業用一時ファイルの格納先ディレクトリ(-wオプションを省略した場合は$DBDIR/ADBWORK

  7. adbmergechunkコマンドは,次に示す表に対して実行できません。

    • 未完状態のインデクスが定義されている表

    • 更新不可状態の表

    • adbimportコマンドまたはadbidxrebuildコマンドの実行が中断している表

  8. adbmergechunkコマンドのオプションに指定する次のディレクトリおよびファイルの絶対パスが重複しないようにしてください。該当するディレクトリおよびファイルを次に示します。

    • 作業用一時ファイルの格納先ディレクトリ(-wオプションで指定,または-wオプションに指定したディレクトリパスファイルに指定)

    • 作業用一時ファイルの格納先を指定したディレクトリパスファイル(-wオプションで指定)

    • マージチャンクオプションファイル(-zオプションで指定)

    また,上記のディレクトリおよびファイルの絶対パスは,adbmergechunkコマンド以外のプログラムが使用しているディレクトリおよびファイルの絶対パスとも重複しないようにしてください。重複した場合,ファイル中のデータが失われるおそれがあります。シンボリックリンクの指定や,相対パスの指定にも注意してください。

  9. コマンドまたはAPの実行中にadbmergechunkコマンドを実行した場合,必要な処理リアルスレッド数が確保できないことがあります。この場合,必要な処理リアルスレッド数が確保できるまで,adbmergechunkコマンドの実行を待ちます。処理リアルスレッド数の確保待ち状態が発生した場合,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドリソースの設計コマンドを同時実行する際の考慮点コマンドの実行時に使用する処理リアルスレッド数に関する考慮点を参照して対処してください。

  10. このコマンドの実行時間を短縮したい場合は,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドチューニングコマンドの実行時間の短縮に関するチューニングadbmergechunkコマンドの実行時間の短縮を参照してください。

  11. adbmergechunkコマンドの実行時,次の表に示すディレクトリおよびファイルにアクセスします。adbmergechunkコマンドを実行する前に,各ディレクトリおよびファイルに次の表に示すパーミッションを設定してください。

    表35‒6 ディレクトリおよびファイルに設定するパーミッション

    ディレクトリおよびファイル

    アクセスするOSユーザ※1

    必要な権限

    作業用一時ファイルの格納先ディレクトリ※2

    HADBサーバプロセスの実行ユーザ

    • 読み取り権限

    • 書き込み権限

    • 実行権限

    作業用一時ファイルの格納先を指定したディレクトリパスファイル

    HADBサーバプロセスの実行ユーザ

    読み取り権限

    マージチャンクオプションファイル

    コマンドの実行ユーザ

    読み取り権限

    注※1

    「HADBサーバプロセスの実行ユーザ」は,HADB管理者のOSユーザです。

    「コマンドの実行ユーザ」については,「表1‒1 コマンドの一覧(コマンドの実行条件)」の「コマンドを実行できるOSユーザ」列を参照してください。

    注※2

    -wオプションに指定する場合と,作業用一時ファイルの格納先を指定したディレクトリパスファイル内に指定する場合のどちらも該当します。