17.1.1 機能概要
adbimportコマンドを実行して表にデータをインポートします。インポート対象の表にレンジインデクスが定義されている場合は,表データのインポート中にレンジインデクスが作成されます。また,インポート対象の表にB-treeインデクスやテキストインデクスが定義されている場合は,表データのインポートが完了したあとにB-treeインデクスやテキストインデクスが作成されます(インポート対象表に主キーが定義されている場合は,表データのインポートが完了したあとに,主キーに対応するB-treeインデクスが作成されます)。
これら一連の処理をデータインポート処理といいます。データインポート処理の概要を次の図に示します。
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- [説明]
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adbimportコマンドを実行すると,入力データファイル中のデータが表に格納されます。
インポート対象表がローストア表の場合は,入力データファイル中のデータがローストア形式でデータベースに格納されます。インポート対象表がカラムストア表の場合は,入力データファイル中のデータがカラムストア形式でデータベースに格納されます。
なお,インポート対象表がカラムストア表の場合,各列のデータは圧縮されてデータベースに格納されます。列データの圧縮方式には複数の方式があり,入力データファイル中のデータを基に,HADBサーバが自動的に圧縮方式を選択します。ただし,カラムストア表の定義時に列データの圧縮方式を指定した場合は,指定した圧縮方式で列のデータが圧縮されます。
- メモ
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ローストア表とカラムストア表については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドのローストア表とカラムストア表を参照してください。
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列データの圧縮方式の種類については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドのローストア表とカラムストア表の選択基準のカラムストア表の列データの圧縮方式を参照してください。
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表にレンジインデクスが定義されている場合は,セグメント内の表データの格納が完了したときにレンジインデクスが作成されます。表にB-treeインデクスまたはテキストインデクスが定義されている場合は,表データのインポートが完了したあとに続けてB-treeインデクスまたはテキストインデクスが作成されます(インポート対象表に主キーが定義されている場合は,表データのインポートが完了したあとに,主キーに対応するB-treeインデクスが作成されます)。
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各ファイルについて次に説明します。
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入力データファイル
インポートするデータを格納しているファイルです。入力データファイルは次のどちらかの形式で作成する必要があります。
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CSV形式
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固定長形式
CSV形式については,「17.5 入力データファイルの形式(CSV形式の仕様)」を参照してください。
固定長形式については,「17.6 入力データファイルの形式(固定長形式の仕様)」を参照してください。
また,入力データファイルには,次に示す圧縮したファイルも使用できます。
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GZIP形式で圧縮したCSV形式のファイル
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GZIP形式で圧縮した固定長形式のファイル
そのほかの形式で圧縮したファイルは,使用できません。入力データファイルの圧縮形式の詳細については,「17.7 入力データファイルの圧縮形式」を参照してください。
- メモ
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インポート対象表がローストア表またはカラムストア表のどちらであっても,入力データファイルの形式は同じになります。
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入力データパスファイル
入力データファイルの格納場所のパス名一覧を指定するファイルです。
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インポートオプションファイル
adbimportコマンドの実行環境を設定するオプションを指定したファイルです。論理エラーデータファイルの出力先などを指定します。
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列構成情報ファイル
インポート対象表と入力データの関係について指定するファイルです。入力データと,インポート対象表の列定義の並び順や列数が異なる場合などに指定します。
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作業用一時ファイル
データインポート処理中に一時的に作成される作業用のファイルです。作成された作業用一時ファイルは,データインポート処理が正常終了すると自動的に削除されます。
表にB-treeインデクスまたはテキストインデクスが定義されている場合,インデクスのデータを格納したインデクスレコードファイルや,インデクスレコードファイルのデータをソートしたソート結果用ファイルなどが作業用一時ファイルとして作成されます。
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論理エラーデータファイル
入力データファイル中の論理エラーデータ(データ長が正しくないデータなど)を出力するファイルです。論理エラーデータファイルの詳細については,「17.1.2 adbimportコマンドのオプション機能」の「(1) 論理エラーデータの出力機能」で説明します。