13.2.2 指定形式およびオプションの説明【カラムストア表の再編成要否の情報を出力する場合】
(1) 指定形式
adbdbstatusコマンドの指定形式(カラムストア表の再編成要否の情報を出力する場合)を次に示します。
サマリ情報または使用量情報を出力する場合の指定形式については,「13.2.1 指定形式およびオプションの説明【サマリ情報・使用量情報を出力する場合】」の「(1) 指定形式」を参照してください。
adbdbstatus
-d reorginfo
-n 表名
〔-c 解析対象チャンクIDリスト〕
〔-t〕
〔-k 囲み文字〕
〔-s {区切り文字|tab}〕
〔-S {K|M|G}〕
〔--timeout タイムアウト時間〕
(2) オプションの説明
adbdbstatusコマンドのオプション(カラムストア表の再編成要否の情報を出力する場合)について説明します。サマリ情報または使用量情報を出力する場合のオプションについては,「13.2.1 指定形式およびオプションの説明【サマリ情報・使用量情報を出力する場合】」の「(3) オプションの説明」を参照してください。
- ●-d reorginfo
-
このオプションは必ず指定してください。
再編成要否の情報を出力するため,出力結果の種類としてreorginfoを指定します。
- ●-n 表名
-
〜〈文字列〉
このオプションは必ず指定してください。
情報を取得するカラムストア表の表名を「スキーマ名.表識別子」の形式で指定します。スキーマ名は省略できません。ビュー表,またはローストア表を指定するとエラーになります。
スキーマ名または表識別子中に,英小文字または\がある場合の指定規則については,「1.4.3 表名の指定規則」を参照してください。
- ●-c 解析対象チャンクIDリスト
-
〜〈文字列〉((1~32,768バイト))
-nオプションに指定した処理対象表中の,特定のチャンクの情報だけを取得したい場合に,このオプションを指定します。
このオプションを省略した場合は,処理対象表に存在するチャンクのうち,削除仕掛中のチャンクを除いたすべてのチャンクの情報が取得されます。
解析対象チャンクIDリストは,次に示す方法で指定できます。なお,それぞれの方法を組み合わせて指定することもできます。
図13‒4 解析対象チャンクIDリストの例 -
チャンクIDを1つずつ指定する(単独指定)
情報を取得するチャンクIDを1つずつ指定したい場合は,チャンクIDをコンマ(,)で区切って指定します。
- 重要
-
チャンクIDとコンマ(,)の間には空白を入れないでください。
-
チャンクIDの範囲を指定する(範囲指定)
情報を取得するチャンクIDの範囲を指定したい場合は,「範囲の最小のチャンクID-範囲の最大のチャンクID」の形式で指定します(2つのチャンクIDをハイフン(-)でつなぎます)。
- 重要
-
ハイフン(-)とチャンクIDの間には空白を入れないでください。また,ハイフンの右側には,ハイフンの左側のチャンクIDより大きいチャンクIDを指定してください。
指定したチャンクIDのチャンクのうち,次に示すチャンクの情報は取得されません。
-
処理対象表に存在しないチャンク
-
削除仕掛中のチャンク
このオプションの指定時の規則を次に示します。
-
チャンクIDは,最大30,000個指定できます。チャンクIDの数え方を次に示します。
・範囲指定の場合,範囲内のすべてのチャンクIDが個数に数えられます。
・指定したチャンクIDが重複している場合,重複した分も個数に数えられます。
解析対象チャンクIDリストの例と数え方
(例1)-c 1,3,5:3個のチャンクID(1,3および5)を指定したと見なされます。
(例2)-c 1,3,5-8,10:7個のチャンクID(1,3,5,6,7,8および10)を指定したと見なされます。
(例3)-c 1,3,5,5-8,10:8個のチャンクID(1,3,5,5,6,7,8および10)を指定したと見なされます。
-
-cオプションに指定できる値の長さの上限は32キロバイトです。このため,指定値の長さが32キロバイトを超える場合は,単独指定を範囲指定に変更するか,または複数回に分けてadbdbstatusコマンドを実行してください。
-
エラーとなる指定内容および指定例については,「(3) -cオプションの指定が原因のエラー」を参照してください。
■処理対象表に存在するチャンクのチャンクIDの検索方法
システム表のSTATUS_CHUNKSを検索し,チャンクIDを確認してください。
詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドのシステム表のシステム表の検索の表名から表内の全チャンクの情報を調べる場合を参照してください。
-
- ●-t
-
タイトル行を出力しない場合に指定します。
- ●-k 囲み文字
-
〜〈文字列〉((1バイト))《"》
CSV形式での文字列の囲み文字を指定します。このオプションを省略した場合は,囲み文字として二重引用符(")が仮定されます。
囲み文字として指定できる文字は,1バイト文字だけです。2バイト以上の文字列は指定できません。また,次に示す文字も囲み文字として指定できません。
-
空白,タブ,アスタリスク(*)
-
区切り文字(-sオプションの指定値または省略値)と同じ文字
- 重要
-
-
アポストロフィ( ' )を囲み文字として指定する場合は,二重引用符(")で囲んで指定してください。
(例)アポストロフィ( ' )を囲み文字として指定する場合の例
adbdbstatus … -k "'" …
-
ストローク(|)のように,シェルが別の意味で使用している特殊文字を囲み文字として指定する場合は,二重引用符(")またはアポストロフィ( ' )で囲んで指定してください。
(例)ストローク(|)を囲み文字として指定する場合の例
adbdbstatus … -k "|" …
-
再編成要否の情報で出力される列のタイトルおよび内容に含まれる文字を囲み文字に指定しないでください。再編成要否の情報で出力される列については,「13.9.2 再編成要否の情報で出力される項目の一覧」を参照してください。
-
-
- ●-s {区切り文字|tab}
-
〜〈文字列〉((1バイト))《 , 》
CSV形式での区切り文字を指定します。区切り文字にタブを指定する場合は,tabを指定してください。このオプションを省略した場合は,区切り文字としてコンマ( , )が仮定されます。
区切り文字として指定できる文字は,tabまたは1バイト文字だけです。tab以外の2バイト以上の文字列は指定できません。また,次に示す文字も区切り文字として指定できません。
-
英大文字(A〜Z),英小文字(a〜z),数字(0〜9),下線(_),二重引用符("),アスタリスク(*)
-
囲み文字(-kオプションの指定値または省略値)と同じ文字
- 重要
-
-
アポストロフィ( ' )を区切り文字として指定する場合は,二重引用符(")で囲んで指定してください。
(例)アポストロフィ( ' )を区切り文字として指定する場合の例
adbdbstatus … -s "'" …
-
ストローク(|)のように,シェルが別の意味で使用している特殊文字を区切り文字として指定する場合は,二重引用符(")またはアポストロフィ( ' )で囲んで指定してください。
(例)ストローク(|)を区切り文字として指定する場合の例
adbdbstatus … -s "|" …
-
再編成要否の情報で出力される列のタイトルおよび内容に含まれる文字を区切り文字に指定しないでください。再編成要否の情報で出力される列については,「13.9.2 再編成要否の情報で出力される項目の一覧」を参照してください。
-
-
- ●-S {K|M|G}
-
再編成要否に関する出力項目を,ページ数ではなく,キロバイト単位,メガバイト単位またはギガバイト単位で表示したい場合に指定します。
このオプションの指定を省略した場合,出力項目はページ数で表示されます。
- K:キロバイト
-
キロバイト単位で出力項目を表示したい場合に指定します。
- M:メガバイト
-
メガバイト単位で出力項目を表示したい場合に指定します。
- G:ギガバイト
-
ギガバイト単位で出力項目を表示したい場合に指定します。
このオプションを指定すると,表示単位にあわせて,該当する出力項目の列のタイトルも変更されます。このオプションの指定値と,出力項目の表示単位,および列のタイトルの関係を次の表に示します。
表13‒14 再編成要否に関する出力項目の表示単位と列のタイトル 項番
出力項目
このオプションの指定値
出力項目の表示単位
列のタイトル
1
ローデータ用セグメントに含まれる基本行用ページのページ数
−
ページ数
Base_row_pages
2
K
キロバイト
KB_Base_row_pages
3
M
メガバイト
MB_Base_row_pages
4
G
ギガバイト
GB_Base_row_pages
5
ローデータ用セグメントに含まれる分岐行用ページのページ数
−
ページ数
Branch_row_pages
6
K
キロバイト
KB_Branch_row_pages
7
M
メガバイト
MB_Branch_row_pages
8
G
ギガバイト
GB_Branch_row_pages
9
ローデータ用セグメントに含まれる無効情報管理用ページのページ数
−
ページ数
Invalid_row_information_pages
10
K
キロバイト
KB_Invalid_row_information_pages
11
M
メガバイト
MB_Invalid_row_information_pages
12
G
ギガバイト
GB_Invalid_row_information_pages
- (凡例)
-
−:このオプションを省略します。
- ●--timeout タイムアウト時間
-
〜〈整数〉((0〜65,535))《0》(単位:秒)
adbdbstatusコマンドがタイムアウトになるまでの時間を指定します。
adbdbstatusコマンドの実行時間がこのオプションで指定した時間を超えた場合,adbdbstatusコマンドの処理はキャンセルされます。
このオプションの指定を省略した場合,またはこのオプションに0を指定した場合,adbdbstatusコマンドのタイムアウト時間は設定されません。adbdbstatusコマンドの処理に時間が掛かっても,タイムアウトしないでコマンドの処理が続行されます。
- メモ
-
adbdbstatusコマンドの実行時間が長くなるとシステムの運用に支障が出る場合は,タイムアウト時間の指定を検討してください。
- ■マルチノード機能を使用している場合
-
次に示す状態のときは,このオプションで指定したタイムアウト時間が経過しても,adbdbstatusコマンドの処理はすぐにはキャンセルされません。次に示す状態が解消されたあとで,adbdbstatusコマンドの処理がキャンセルされます。
-
プライマリノードの切り替え処理中
-
ノードの復帰処理中
-
他ノードで実行中のトランザクションの終了待ち中
-
(3) -cオプションの指定が原因のエラー
-cオプションの指定が原因でadbdbstatusコマンドがエラーとなるケースを次の表に示します。
どの場合も,-cオプションの指定を修正したあと,再度adbdbstatusコマンドを実行してください。なお,-cオプションの詳細については,「(2) オプションの説明」の「-c」を参照してください。
項番 |
出力されるメッセージID |
考えられる誤り |
誤った指定の例 |
修正例 |
---|---|---|---|---|
1 |
KFAA50205-E |
指定したチャンクIDの個数が30,000個を超えている |
-c 1-30001 |
-c 1-30000 |
2 |
範囲指定で,ハイフン(-)の両側に同じチャンクIDを指定している |
-c 3-3,7 |
-c 3-5,7 |
|
3 |
範囲指定で,ハイフン(-)の右側に,左側のチャンクIDより小さいチャンクIDを指定している |
-c 10-3 |
-c 3-10 |
|
4 |
チャンクIDとして不適切な値を指定している
|
-c A -c 0 -c A-B -c 0-3 |
正しいチャンクIDを指定してください。 |
|
5 |
|
チャンクIDとコンマ(,)の間に空白がある |
-c 1,3,△10 |
-c 1,3,10 |
6 |
範囲指定で,チャンクIDとハイフン(-)の間に空白がある |
-c 1,3△-△10 |
-c 1,3-10 |
|
7 |
KFAA90003-E |
指定値の長さが32キロバイトを超えている |
|
- (凡例)
-
△:空白