Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


2.2.1 指定形式およびオプションの説明

〈この項の構成〉

(1) 指定形式

adbarchivechunk
  -u 認可識別子
  〔-p パスワード〕
  〔-g チャンクのアーカイブ処理の経過メッセージの出力間隔〕
  〔-z アーカイブチャンクオプションファイル名〕
  〔-t〕
  {-c チャンクID指定〔,チャンクID指定〕…|-r 範囲指定処理対象表
重要

処理対象表は,必ずオプションの最後に指定してください。

(2) オプションの説明

-u 認可識別子

〜〈文字列〉((1〜100バイト))

adbarchivechunkコマンドを実行するHADBユーザの認可識別子を指定します。adbarchivechunkコマンドを実行するには,次の2つの権限を持っている必要があります。

  • CONNECT権限

  • 処理対象表に対するARCHIVE CHUNK権限

このオプションに指定する認可識別子は,1~100バイトの範囲で指定してください。ただし,認可識別子を囲む二重引用符は,1~100バイトには含みません。

重要

認可識別子の文字列中に英小文字または\がある場合は,認可識別子の指定規則を必ず確認してください。認可識別子の指定規則については,「1.4.2 認可識別子およびパスワードの指定規則」を参照してください。

-p パスワード

〜〈文字列〉((1〜255バイト))

-uオプションに指定した認可識別子のパスワードを指定します。

重要

パスワードの文字列中に,二重引用符(")やストローク(|)など,OSやシェルが別の意味で使用している文字がある場合は,パスワードの指定規則を必ず確認してください。パスワードの指定規則については,「1.4.2 認可識別子およびパスワードの指定規則」を参照してください。

なお,このオプションを省略してadbarchivechunkコマンドを実行すると,パスワードの入力を求める応答メッセージが表示されます。バックグラウンドで実行する場合など,標準入力からパスワードを入力できない環境では,このオプションを省略しないでください。

-g チャンクのアーカイブ処理の経過メッセージの出力間隔

〜〈整数〉((0〜1,000,000,000))《0》(単位:1,000行)

チャンクのアーカイブ処理の経過メッセージの出力間隔を指定します。

例えば,このオプションに2を指定すると,チャンクのアーカイブ処理が2,000行終わるごとに経過メッセージ(KFAA80205-I)が出力されます。

なお,複数のチャンクに対してチャンクのアーカイブ処理を行う場合,経過メッセージはチャンクごとに出力されます。例えば,このオプションに2を指定していて,チャンクのアーカイブ処理を行うチャンクが3つある場合は,3つのチャンクそれぞれに対して,チャンクのアーカイブ処理が2,000行終わるごとに経過メッセージ(KFAA80205-I)が出力されます。どのチャンクに対する処理かは,出力される経過メッセージでわかります。

このオプションを省略した場合,またはこのオプションに0を指定した場合,経過メッセージは出力されません。

-z アーカイブチャンクオプションファイル名

〜〈OSパス名〉((2〜510バイト))

アーカイブチャンクオプションを指定したアーカイブチャンクオプションファイルの絶対パス名を指定します。このオプションを省略すると,アーカイブチャンクオプションファイルが指定されないため,すべてのアーカイブチャンクオプションにデフォルト値が仮定されます。

アーカイブチャンクオプションについては,「2.2.2 アーカイブチャンクオプションの形式」を参照してください。

-t

実際にチャンクのアーカイブ処理を行う前に,アーカイブされるチャンクを確認する場合に指定します。

このオプションを指定すると,-cオプション,または-rオプションで指定した範囲に該当するチャンクのうち,アーカイブされるチャンクのチャンクIDがKFAA80245-Iメッセージに出力されます。

これらのチャンクに対して,チャンクのアーカイブ処理を行う場合,-tオプション以外は同じ指定で(-tオプションを省略して)adbarchivechunkコマンドを実行してください。アーカイブするチャンクを見直す場合は,-cオプション,または-rオプションの指定値を修正したあとで,adbarchivechunkコマンドを実行してください。

重要

このオプションを指定した場合,チャンクのアーカイブ処理は実行されません。

-c チャンクID指定〔,チャンクID指定〕…

〜〈整数〉((1〜9,223,372,036,854,775,807))

処理対象表中のチャンクのうち,アーカイブするチャンクのチャンクIDを指定します。1つ以上のチャンクIDを指定できます。

チャンクID指定は,次に示す方法で指定できます。なお,それぞれの方法を組み合わせて指定することができます。

図2‒3 -cオプションのチャンクID指定の例

[図データ]

  • チャンクIDを1つずつ指定する(単独指定)

    アーカイブするチャンクのチャンクIDを1つずつ指定したい場合は,チャンクIDをコンマ(,)で区切って指定します。

    重要

    チャンクIDとコンマ(,)の間には空白を入れないでください。

  • チャンクIDの範囲を指定する(範囲指定)

    アーカイブするチャンクのチャンクIDの範囲を指定したい場合は,「範囲の最小のチャンクID-範囲の最大のチャンクID」の形式で指定します(2つのチャンクIDをハイフン(-)でつなぎます)。

    重要

    ハイフン(-)とチャンクIDの間には空白を入れないでください。また,ハイフンの右側には,ハイフンの左側のチャンクIDより大きいチャンクIDを指定してください。

指定したチャンクIDのチャンクのうち,次に示すチャンクはアーカイブされません(処理対象表に存在するアーカイブ対象のチャンクだけ,アーカイブされます)。

  • 処理対象表に存在しないチャンク

  • アーカイブ対象ではないチャンク

アーカイブ対象のチャンクについては,「2.1.1 機能概要」を参照してください。

このオプションの指定時の規則を次に示します。

  • チャンクIDは,最大30,000個指定できます。チャンクIDの数え方を次に示します。

    ・範囲指定の場合,範囲内のすべてのチャンクIDが個数に数えられます。

    ・指定したチャンクIDが重複している場合,重複した分も個数に数えられます。

    チャンクID指定の例と数え方

    (例1)-c 1,3,5:3個のチャンクID(13および5)を指定したと見なされます。

    (例2)-c 1,3,5-8,10:7個のチャンクID(135678および10)を指定したと見なされます。

    (例3)-c 1,3,5,5-8,10:8個のチャンクID(1355678および10)を指定したと見なされます。

  • -cオプションに指定できる値の長さの上限は32キロバイトです。このため,チャンクID指定の長さが32キロバイトを超える場合は,範囲指定に変更するか,または複数回に分けて,adbarchivechunkコマンドを実行してください。

    [図データ]

  • エラーとなる指定内容および指定例については,「(3) -cオプションの指定が原因のエラー」を参照してください。

■処理対象表に存在するチャンクのチャンクIDの検索方法

処理対象表に存在するチャンクのチャンクIDの検索方法を次に示します。

  • システム表のSTATUS_CHUNKSを検索する

    システム表のSTATUS_CHUNKSを検索し,チャンクIDを確認してください。

    詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドシステム表システム表の検索表名から表内の全チャンクの情報を調べる場合を参照してください。

  • adbdbstatusコマンドを実行する

    次に示すコマンドを実行してDBエリア,表とインデクスの使用量情報を出力し,チャンクID(Chunk_ID)を確認してください(結果はCSV形式で出力されます)。DBエリア,表とインデクスの使用量情報で出力される項目の詳細については,「13.7.2 DBエリア,表とインデクスの使用量情報で出力される項目の一覧」を参照してください。

    adbdbstatus -d used -c table -n 処理対象表の表名

    表名は「スキーマ名.表識別子」の形式で指定してください。

-r 範囲指定

アーカイブするチャンクの範囲を指定します。-rオプションの詳細については,「(4) -rオプション(範囲指定)の詳細」を参照してください。

処理対象表

チャンクのアーカイブ処理の対象となるアーカイブマルチチャンク表を指定します。

指定規則を次に示します。

  • スキーマ名.表識別子」の形式で指定します。

    自分が所有している表を指定する場合は,スキーマ名を省略できます。ほかのHADBユーザが所有している表を指定する場合は,スキーマ名を指定してください。

  • スキーマ名または表識別子中に,英小文字または\がある場合の指定規則については,「1.4.3 表名の指定規則」を参照してください。

  • アーカイブマルチチャンク表以外の表は指定できません。

  • ARCHIVE CHUNK権限を持っている表を指定できます。

  • 更新できる(更新不可状態ではない)表を指定してください。更新不可状態の表を指定するとエラーになります。

  • ビュー表は指定できません。

(3) -cオプションの指定が原因のエラー

-cオプションの指定が原因でadbarchivechunkコマンドがエラーとなる場合には,次の2つが考えられます。

どちらの場合も,指定を修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。なお,-cオプションの詳細については,「(2) オプションの説明」の「-c」を参照してください。

(a) -cオプションの指定形式に誤りがある場合

-cオプションの指定形式に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

表2‒1 オプションの指定形式に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

項番

出力されるメッセージID

考えられる誤り

誤った指定の例

修正例

1

KFAA50225-E

指定したチャンクIDの個数が30,000個を超えている

-c 1-30001

-c 1-30000

2

ハイフン(-)の両側に同じチャンクIDを指定している

-c 3-3,7

-c 3-5,7

3

ハイフン(-)の右側に,左側のチャンクIDより小さいチャンクIDを指定している

-c 10-3

-c 3-10

4

  • KFAA90002-E

  • KFAA96830-I

チャンクIDとコンマ(,)の間に空白がある

-c 1,3,10

-c 1,3,10

5

チャンクIDとハイフン(-)の間に空白がある

-c 1,3-10

-c 1,3-10

6

KFAA90003-E

指定値の長さが32キロバイトを超えている

[図データ]

-c 1-xxxxx

単独指定ではなく,範囲指定に変更する(コンマ(,)ではなくハイフン(-)を使用する)

(凡例)

△:空白

(b) -cオプションに不正なチャンクIDを指定している場合

-cオプションに不正なチャンクIDを指定している場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

表2‒2 不正なチャンクIDを指定している場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

項番

出力されるメッセージID

考えられる誤り

誤った指定の例

修正例および対処方法

1

KFAA50284-E

指定したチャンクIDのチャンクすべてが処理対象表に存在しない

処理対象表に存在するチャンクのチャンクIDが2および6の場合
  • -c 3-5

  • -c 4,5

処理対象表に存在するチャンクのチャンクIDが2および6の場合
  • -c 2,6

  • -c 2-6

処理対象表に存在し,かつアーカイブ対象のチャンクのチャンクIDを指定してください。

処理対象表に存在するチャンクのチャンクIDを検索する方法については,「(2) オプションの説明」の「-c」を参照してください。

(4) -rオプション(範囲指定)の詳細

アーカイブするチャンクの範囲を,-rオプションで指定します。範囲指定に指定した範囲に,アーカイブレンジ列(アーカイブマルチチャンク表の検索時に,検索範囲を絞り込むために使用する列)の値の範囲が一部でも含まれている場合,該当するチャンクがアーカイブされます。ただし,指定した範囲のデータが格納されたチャンクのうち,アーカイブ対象ではないチャンクはアーカイブされません。アーカイブ対象のチャンクについては,「2.1.1 機能概要」を参照してください。

範囲指定は,アーカイブレンジ列のデータ型に基づき,解釈されます。

範囲指定の種類と詳細な説明の参照先を次の表に示します。

表2‒3 範囲指定の種類および参照先

項番

範囲指定の種類

参照先

1

日付の範囲指定

(a) 日付の範囲指定

2

時刻の範囲指定

(b) 時刻の範囲指定

3

時刻印の範囲指定

(c) 時刻印の範囲指定

4

固定長文字列の範囲指定

(d) 固定長文字列の範囲指定

5

10進数の範囲指定

(e) 10進数の範囲指定

6

整数の範囲指定

(f) 整数の範囲指定

7

浮動小数点数の範囲指定

(g) 浮動小数点数の範囲指定

次の条件の場合を例に,どのチャンクがアーカイブされるかについて示します。

図2‒4 日付の範囲指定の内容とアーカイブされるチャンクの関係

[図データ]

-rオプションの指定時の規則を次に示します。

(a) 日付の範囲指定

アーカイブするチャンクの範囲を日付で指定します。

形式
-r {YYYY-MM-DDYYYY/MM/DD}-{YYYY-MM-DDYYYY/MM/DD

最小値(日付指定)と最大値(日付指定)をハイフン(-)でつなぎます。最小値とハイフン(-)の間,および最大値とハイフン(-)の間には空白を入れないでください。

説明

YYYY:年(00019999

MM:月(0112

DD:日(01MMに指定した月の最終日)

指定例

指定例1:-r 2016/01/01-2016/12/31

指定例2:-r 2016-01-01-2016-12-31

それぞれの日付は,「YYYY-MM-DD」または「YYYY/MM/DD」の形式で指定してください(「YYYY」,「MM」,「DD」をスラッシュ(/)またはハイフン(-)で区切ります)。

指定例1の場合,2016/01/01,および2016/12/31が日付指定として扱われます。

指定例2の場合,2016-01-01,および2016-12-31が日付指定として扱われます。

日付の範囲指定に関する規則を次に示します。

  • YYYY」,「MM」,「DD」の桁数が足りない場合は,足りない分,左側に0を補ってください。

  • 日付の範囲指定が指定できるアーカイブレンジ列のデータ型は次のとおりです。

    • DATE

    • TIMESTAMP

  • 日付の範囲指定では,日付だけを指定できます。アーカイブレンジ列のデータ型がTIMESTAMP型の場合,時刻の指定は省略されたものとして扱われます。そのため,次に示す表のとおりに開始時刻と終了時刻が補正されます。その結果,指定した日付の範囲指定内のデータが含まれるすべてのチャンクが,アーカイブする対象になります。

    表2‒4 開始時刻および終了時刻の補正

    項番

    TIMESTAMP型の列に定義した小数秒の桁数

    開始時刻

    終了時刻

    1

    0

    0時0分0秒

    23時59分59秒

    2

    3

    0時0分0.000秒

    23時59分59.999秒

    3

    6

    0時0分0.000000秒

    23時59分59.999999秒

    4

    9

    0時0分0.000000000秒

    23時59分59.999999999秒

    5

    12

    0時0分0.000000000000秒

    23時59分59.999999999999秒

  • 日付の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。エラーとなった場合は,これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

    表2‒5 日付の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

    項番

    出力されるメッセージID

    考えられる誤り

    誤った指定の例

    修正例

    1

    KFAA50225-E

    • 日付の桁数が規定を超えている

    • 日付の桁数が規定より不足している

    -r 2015/7/1-2015/008/031

    -r 2015/07/01-2015/08/31

    2

    範囲外の日付を指定している

    -r 2015/01/01-2015/06/31

    -r 2015/01/01-2015/06/30

    3

    • KFAA90002-E

    • KFAA96830-I

    範囲指定の形式が誤っている

    指定例

    -r 2015/01/11-2015/7/31

    説明

    日付指定とハイフン(-)の間に空白があるため,シェルが空白でオプション引数を区切ってしまう

    -r 2015/01/11-2015/07/31

    (凡例)

    △:空白

(b) 時刻の範囲指定

アーカイブするチャンクの範囲を時刻で指定します。

形式
-r hh:mm:ss〔.〔nn...n〕〕-hh:mm:ss〔.〔nn...n〕〕

最小値(時刻指定)と最大値(時刻指定)をハイフン(-)でつなぎます。最小値とハイフン(-)の間,および最大値とハイフン(-)の間には空白を入れないでください。

説明

hh:時(0023

mm:分(0059

ss:秒(0059

.:小数点

nn...n:小数秒(n09

指定例

指定例1:-r 00:00:00-12:59:59

指定例2:-r 00:00:00.000-12:59:59.999

それぞれの時刻は,「hh」,「mm」,「ss」を,コロン(:)で区切ります。

小数秒を指定する場合は,「ss」と「nn...n」を,小数点(.)で結んでください。

指定例1の場合,00:00:00,および12:59:59が時刻指定として扱われます。

指定例2の場合,00:00:00.000,および12:59:59.999が時刻指定として扱われます。

時刻の範囲指定に関する規則を次に示します。

  • hh」,「mm」,「ss」の桁数が足りない場合は,足りない分,左側に0を補ってください。

  • 時刻の範囲指定が指定できるアーカイブレンジ列のデータ型は次のとおりです。

    • TIME

  • 小数秒がTIME型の列に定義した小数秒の桁数より大きい場合,小数秒の桁数より下位の桁部分は切り捨てられます。

  • 小数秒を省略した場合,TIME型の列に定義した小数秒の桁数を基に,開始時刻および終了時刻が補正されます。補正の詳細について,次の表に示します。

    表2‒6 小数秒を省略した場合の,開始時刻および終了時刻の補正

    項番

    TIME型の列に定義した小数秒の桁数

    開始時刻

    終了時刻

    1

    3

    .000秒

    .999秒

    2

    6

    .000000秒

    .999999秒

    3

    9

    .000000000秒

    .999999999秒

    4

    12

    .000000000000秒

    .999999999999秒

  • 時刻指定の,最小値と最大値の比較については,マニュアルHADB SQLリファレンス変換,代入,比較できるデータ型比較できるデータ型日時データの比較を参照してください。

  • 時刻の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。エラーとなった場合は,これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

    表2‒7 時刻の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

    項番

    出力されるメッセージID

    考えられる誤り

    誤った指定の例

    修正例

    1

    KFAA50225-E

    • 時刻の桁数が規定を超えている

    • 時刻の桁数が規定より不足している

    -r 0:0:0-012:59:59

    -r 00:00:00-12:59:59

    2

    範囲外の時刻を指定している

    -r 00:00:00-12:60:00

    -r 00:00:00-12:59:59

    3

    • KFAA90002-E

    • KFAA96830-I

    範囲指定の形式が誤っている

    指定例

    -r 00:00:00-12:59:59

    説明

    時刻指定とハイフン(-)の間に空白があるため,シェルが空白でオプション引数を区切ってしまう

    -r 00:00:00-12:59:59

    (凡例)

    △:空白

(c) 時刻印の範囲指定

アーカイブするチャンクの範囲を時刻印で指定します。

形式
-r '{YYYY-MM-DDYYYY/MM/DD}△hh:mm:ss〔.〔nn...n〕〕'
    -'{YYYY-MM-DDYYYY/MM/DD}△hh:mm:ss〔.〔nn...n〕〕'

最小値(時刻印指定)と最大値(時刻印指定)をハイフン(-)でつなぎます。最小値とハイフン(-)の間,および最大値とハイフン(-)の間には空白を入れないでください。

説明

YYYY:年(00019999

MM:月(0112

DD:日(01MMに指定した月の最終日)

:半角空白,またはタブ

hh:時(0023

mm:分(0059

ss:秒(0059

.:小数点

nn...n:小数秒(n09

指定例

指定例1:-r '2016/01/01 00:00:00'-'2016/12/31 12:59:59'

指定例2:-r '2016/01/01 00:00:00.000'-'2016/12/31 12:59:59.999'

それぞれの時刻印は,日付指定と時刻指定を半角空白で結び,アポストロフィ(')で囲んで指定してください。日付指定は,「YYYY-MM-DD」または「YYYY/MM/DD」の形式で指定してください(「YYYY」,「MM」,「DD」をスラッシュ(/)またはハイフン(-)で区切ります)。時刻指定は,「hh」,「mm」,「ss」を,コロン(:)で区切ります。小数秒を指定する場合は,「ss」と「nn...n」を,小数点(.)で結んでください。

指定例1の場合,2016/01/01 00:00:00,および2016/12/31 12:59:59が時刻印指定として扱われます。

指定例2の場合,2016/01/01 00:00:00.000,および2016/12/31 12:59:59.999が時刻印指定として扱われます。

時刻印の範囲指定に関する規則を次に示します。

  • YYYY」,「MM」,「DD」,「hh」,「mm」,「ss」の桁数が足りない場合は,足りない分,左側に0を補ってください。

  • 時刻印の範囲指定が指定できるアーカイブレンジ列のデータ型は次のとおりです。

    • TIMESTAMP

  • 小数秒がTIMESTAMP型の列に定義した小数秒の桁数より大きい場合,小数秒の桁数より下位の桁部分は切り捨てられます。

  • 小数秒を省略した場合,TIMESTAMP型の列に定義した小数秒の桁数を基に,開始時刻および終了時刻が補正されます。補正の詳細について,次の表に示します。

    表2‒8 小数秒を省略した場合の,開始時刻および終了時刻の補正

    項番

    TIMESTAMP型の列に定義した小数秒の桁数

    開始時刻

    終了時刻

    1

    3

    .000秒

    .999秒

    2

    6

    .000000秒

    .999999秒

    3

    9

    .000000000秒

    .999999999秒

    4

    12

    .000000000000秒

    .999999999999秒

  • 時刻印指定の,最小値と最大値の比較については,マニュアルHADB SQLリファレンス変換,代入,比較できるデータ型比較できるデータ型日時データの比較を参照してください。

  • 時刻印の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。エラーとなった場合は,これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

    表2‒9 時刻印の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

    項番

    出力されるメッセージID

    考えられる誤り

    誤った指定の例

    修正例

    1

    KFAA50225-E

    • 時刻印の桁数が規定を超えている

    • 時刻印の桁数が規定より不足している

    -r '2015/7/100:00:00'-'2015/008/03112:59:59'

    -r '2015/07/0100:00:00'-'2015/08/3112:59:59'

    2

    範囲外の時刻印を指定している

    -r '2015/01/0100:00:00'-'2015/06/3112:60:00'

    -r '2015/01/0100:00:00'-'2015/06/3012:59:59'

    3

    • KFAA90002-E

    • KFAA96830-I

    範囲指定の形式が誤っている

    指定例

    -r '2016/04/0100:00:00'△-△'2016/06/3012:59:59'

    説明

    時刻印指定とハイフン(-)の間に空白があるため,シェルが空白でオプション引数を区切ってしまう

    -r '2016/04/0100:00:00'-'2016/06/3012:59:59'

    4

    指定例

    -r 2016/04/0100:00:00-2016/06/3012:59:59

    説明

    時刻印指定がアポストロフィ(')で囲まれていないため,シェルが日付と時刻の間の空白でオプション引数を区切ってしまう

    (凡例)

    △:空白

(d) 固定長文字列の範囲指定

アーカイブするチャンクの範囲を固定長文字列で指定します。

形式
-r a...a-a...a

最小値(固定長文字列指定)と最大値(固定長文字列指定)をハイフン(-)でつなぎます。最小値とハイフン(-)の間,および最大値とハイフン(-)の間には空白を入れないでください。

説明

a...a:1文字以上の文字列

指定例

-r 20160101-20161231

20160101および20161231が固定長文字列指定として扱われます。

固定長文字列の範囲指定に関する規則を次に示します。

  • 固定長文字列指定には,1文字以上の文字列を指定します。

  • 指定した固定長文字列指定は,英大文字と英小文字が区別されます。

  • 固定長文字列の範囲指定が指定できるアーカイブレンジ列のデータ型は次のとおりです。

    • CHARACTER

  • 二重引用符("),ストローク(|)など,OSやシェルが別の意味で使用している文字を含む固定長文字列指定を指定する場合は,その文字の直前にエスケープ文字(\)を指定してください。または,固定長文字列指定の全体をアポストロフィ(')で囲んでください。

    指定例

    指定例1:-r a\|c-def

    指定例2:-r 'a|c'-def

    どちらの場合も,a|c,およびdefが固定長文字列指定として扱われます。

  • 固定長文字列指定を二重引用符(")で囲み,さらにアポストロフィ(')で囲むと,二重引用符(")も固定長文字列指定として扱われます。

    指定例

    -r '"abc"'-def

    "abc",およびdefが固定長文字列指定として扱われます。

  • 固定長文字列指定にハイフン(-)を含める場合は,固定長文字列指定をアポストロフィ(')で囲んでください。最小値と最大値の区切りと見なされるハイフン(-)と区別するためです。

    指定例

    • \'(バックスラッシュとアポストロフィ)で囲む場合

      -r \'a-c\'-def

    • アポストロフィ(')で囲み,さらに二重引用符(")で囲む場合

      -r "'a-c'"-def

    どちらの場合も,a-c,およびdefが固定長文字列指定として扱われます。

    また,固定長文字列指定にハイフン(-)を含まない場合も,アポストロフィ(')で囲むと,そのアポストロフィ(')を除いた値が固定長文字列指定として扱われます。

    指定例

    • \'(バックスラッシュとアポストロフィ)で囲む場合

      -r \'abc\'-def

      abc,およびdefが固定長文字列指定として扱われます。

  • 固定長文字列指定にアポストロフィ(')を含む場合は,1個のアポストロフィ(')を表すのに,2個連続してアポストロフィ(')を指定してください。

    指定例

    • \'(バックスラッシュとアポストロフィ)を2個指定する場合

      -r a\'\'c-def

    • アポストロフィ(')を含む固定長文字列指定を二重引用符(")で囲む場合

      -r "a''c"-def

    どちらの場合も,a'c,およびdefが固定長文字列指定として扱われます。

  • 固定長文字列指定の,最小値と最大値の比較については,マニュアルHADB SQLリファレンス変換,代入,比較できるデータ型比較できるデータ型文字データの比較を参照してください。

  • 固定長文字列の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。エラーとなった場合は,これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

    表2‒10 固定長文字列の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

    項番

    出力されるメッセージID

    考えられる誤り

    誤った指定の例

    修正例

    1

    KFAA50225-E

    固定長文字列の範囲指定に,最小値と最大値の区切りと見なされるハイフン(-)が複数ある

    -r a-c-def

    -r 'a-c-def'

    -r \'a-c\'-def

    2

    • KFAA90002-E

    • KFAA96830-I

    範囲指定の形式が誤っている

    指定例

    -r abc△-△def

    説明

    固定長文字列指定とハイフン(-)の間に空白があるため,シェルが空白でオプション引数を区切ってしまう

    -r abc-def

    (凡例)

    △:空白

(e) 10進数の範囲指定

アーカイブするチャンクの範囲を10進数で指定します。

形式
-r 〔{+|-}〕{a...a〔.〔b...b〕〕|.b...b}
    -〔{+|-}〕{a...a〔.〔b...b〕〕|.b...b

最小値(10進数指定)と最大値(10進数指定)をハイフン(-)でつなぎます。最小値とハイフン(-)の間,および最大値とハイフン(-)の間には空白を入れないでください。

説明

+-:符号(""符号は省略できます)

a...a:整数部(a09

.:小数点

b...b:小数部(b09

DECIMAL(5,2)の場合の指定例

指定例1:-r -100-100

指定例2:-r -100.00-+100.00

-100.00および+100.00が10進数指定として扱われます。

10進数の範囲指定に関する規則を次に示します。

  • 整数部と小数部のどちらかを指定する必要があります。小数部がない場合は,小数点を省略できます。

  • 10進数の範囲指定が指定できるアーカイブレンジ列のデータ型は次のとおりです。

    • DECIMAL

    • NUMERIC

  • 小数部がDECIMALまたはNUMERICの位取り(小数部の桁数)より大きい場合,位取り(小数部の桁数)より下位の桁部分は切り捨てられます。

  • 10進数の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。エラーとなった場合は,これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

    表2‒11 10進数の範囲指定に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

    項番

    出力されるメッセージID

    考えられる誤り

    誤った指定の例

    修正例

    1

    KFAA50225-E

    アーカイブレンジ列のデータ型で使用できない数値を指定している

    指定例

    -r 0-123456789012345678901234567890123456789

    説明

    10進数指定を39桁で指定している

    指定例

    -r 0-12345678901234567890123456789012345678

    説明

    10進数指定を38桁で指定する

    2

    • KFAA90002-E

    • KFAA96830-I

    範囲指定の形式が誤っている

    指定例

    -r 0-1

    説明

    10進数指定とハイフン(-)の間に空白があるため,シェルが空白でオプション引数を区切ってしまう

    -r 0-1

    (凡例)

    △:空白

(f) 整数の範囲指定

アーカイブするチャンクの範囲を整数で指定します。

形式
-r 〔{+|-}〕a...a-〔{+|-}〕a...a

最小値(整数指定)と最大値(整数指定)をハイフン(-)でつなぎます。最小値とハイフン(-)の間,および最大値とハイフン(-)の間には空白を入れないでください。

説明

+-:符号(""符号は省略できます)

a...a:数値(a09

指定例

指定例1:-r -100-100

指定例2:-r -100-+100

-100および+100が整数指定として扱われます。

整数の範囲指定に関する規則を次に示します。

  • 整数の範囲指定が指定できるアーカイブレンジ列のデータ型は次のとおりです。

    • INTEGER

    • SMALLINT

  • 整数の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。エラーとなった場合は,これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

    表2‒12 整数の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

    項番

    出力されるメッセージID

    考えられる誤り

    誤った指定の例

    修正例

    1

    KFAA50225-E

    アーカイブレンジ列のデータ型で使用できない数値を指定している

    INTEGERの場合

    -r 0-9223372036854775808

    SMALLINTの場合

    -r 0-2147483648

    INTEGERの場合

    -r 0-9223372036854775807

    SMALLINTの場合

    -r 0-2147483647

    2

    • KFAA90002-E

    • KFAA96830-I

    範囲指定の形式が誤っている

    指定例

    -r 0-1

    説明

    整数指定とハイフン(-)の間に空白があるため,シェルが空白でオプション引数を区切ってしまう

    -r 0-1

    (凡例)

    △:空白

(g) 浮動小数点数の範囲指定

アーカイブするチャンクの範囲を浮動小数点数で指定します。

形式
-r 〔{+|-}〕{a...a〔.〔b...b〕〕|.b...b}〔{E|e}〔{+|-}〕c...c〕
    - 〔{+|-}〕{a...a〔.〔b...b〕〕|.b...b}〔{E|e}〔{+|-}〕c...c

最小値(浮動小数点数指定)と最大値(浮動小数点数指定)をハイフン(-)でつなぎます。最小値とハイフン(-)の間,および最大値とハイフン(-)の間には空白を入れないでください。

説明

+-:符号(""符号は省略できます)

a...a:仮数部の整数部(a09

.:小数点

b...b:仮数部の小数部(b09

Ee:浮動小数点数定数

c...c:指数部(c09

図2‒5 -rオプションの浮動小数点数の範囲指定の指定例

[図データ]

指定例1の場合は,-100,および100が浮動小数点数指定として扱われます。

指定例2の場合は,-1.0E2,および+1.0E2が浮動小数点数指定として扱われます。

指定例3の場合は,-100,および1.0E+2が浮動小数点数指定として扱われます。

浮動小数点数の範囲指定に関する規則を次に示します。

  • 浮動小数点数の範囲指定が指定できるアーカイブレンジ列のデータ型は次のとおりです。

    • DOUBLE PRECISION

    • FLOAT

  • 浮動小数点数の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤りについて,次の表に示します。エラーとなった場合は,これらの誤りを修正したあと,再度adbarchivechunkコマンドを実行してください。

    表2‒13 浮動小数点数の範囲指定の指定内容に誤りがある場合に出力されるメッセージIDと,考えられる誤り

    項番

    出力されるメッセージID

    考えられる誤り

    誤った指定の例

    修正例

    1

    KFAA50225-E

    指定できる文字数を超えている

    指定例

    -r 0-123…(中略)…789

    説明

    浮動小数点数指定を510文字で指定している

    指定例

    -r 0-123…(中略)…78

    説明

    浮動小数点数指定を509文字で指定する

    2

    • KFAA90002-E

    • KFAA96830-I

    範囲指定の形式が誤っている

    指定例

    -r 0-1

    説明

    浮動小数点数指定とハイフン(-)の間に空白があるため,シェルが空白でオプション引数を区切ってしまう

    -r 0-1

    (凡例)

    △:空白