Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


18.2.3 ネットワーク構成

HAモニタありのマルチノード構成の場合,次に示す3つのネットワークを使用します。各ネットワークは物理的に分けてください。

〈この項の構成〉

(1) クライアント−サーバ間ネットワーク

HADBクライアントとHADBサーバ間の通信で使用するネットワークです。

HADBクライアントは,エイリアスIPアドレスを使用してHADBサーバに接続します。そのため,マニュアルHAモニタ Linux(R)(x86)編LANの引き継ぎを参照して,エイリアスIPアドレスを設定してください。

図18‒1 HAモニタありのマルチノード構成のシステム構成例(オンプレミス環境の場合)」でのIPアドレス,およびポート番号の設定例を次の表に示します。

表18‒2 クライアント−サーバ間ネットワークのIPアドレスとポート番号の設定例

項番

設定対象

IPアドレス

ポート番号

1

クライアントマシン

10.196.108.111

設定不要

2

サーバマシンhadb01プライマリノード

10.196.108.11

23650

3

サーバマシンhadb02セカンダリノード

10.196.108.12

23650

4

サーバマシンhadb03セカンダリノード

10.196.108.13

23650

5

サーバマシンhadb04(ワーカーノード)

10.196.108.14

23650

6

エイリアスIPアドレス

10.196.108.143

23650

(2) ノード間ネットワーク

HADBサーバ間の通信,およびHAモニタの監視パスとして使用するネットワークです。

ネットワーク構築する際,LinuxのBonding機能を使用したNIC冗長化を推奨します。また,Bonding機能を使用する際には,複数のLANカードを用意してください。

Bonding機能の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。HAモニタの監視パスの設定については,マニュアルHAモニタ Linux(R)(x86)編監視パスの設定を参照してください。

図18‒1 HAモニタありのマルチノード構成のシステム構成例(オンプレミス環境の場合)」でのIPアドレス,およびポート番号の設定例を次の表に示します。

表18‒3 ノード間ネットワークのIPアドレスとポート番号の設定例

項番

設定対象

IPアドレス

ポート番号

1

サーバマシンhadb01プライマリノード)のHADBサーバ間通信

172.16.0.11

23651

2

サーバマシンhadb01プライマリノード)のHAモニタの監視パス

172.16.0.11

7777

3

サーバマシンhadb02セカンダリノード)のHADBサーバ間通信

172.16.0.12

23651

4

サーバマシンhadb02セカンダリノード)のHAモニタの監視パス

172.16.0.12

7777

5

サーバマシンhadb03セカンダリノード)のHADBサーバ間通信

172.16.0.13

23651

6

サーバマシンhadb03セカンダリノード)のHAモニタの監視パス

172.16.0.13

7777

7

サーバマシンhadb04(ワーカーノード)のHADBサーバ間通信

172.16.0.14

23651

注※

ワーカーノードはHAモニタの管理対象外のため,HAモニタの監視パスの設定は不要です。

通常は,HADBサーバ間の通信で使用するネットワークと,HAモニタの監視パスとして使用するネットワークを分けます。ただし,この場合,HAモニタは,HADBサーバ間の通信で使用するネットワークの障害を検知することができません。ここで説明しているとおり,HADBサーバ間の通信で使用するネットワークと,HAモニタの監視パスとして使用するネットワークを同じにすると,ネットワーク障害をHAモニタが検知することができます。そのため,ここで説明しているとおりにノード間ネットワークを構成することを推奨します。

ただし,対象のネットワークが単一障害点となってしまうため,必ずLinuxのカーネル拡張パッケージであるbondingパッケージなどを使用してLANアダプタを冗長化し,ネットワークの耐障害性を向上させてください。

(3) リセットパス

系のリセットを使用する場合は,リセットパスが必要になります。共有ディスクのSCSIリザーブを使用する場合は,リセットパスは必要ありません。

リセットパスとは,HAモニタが障害を検知した際,障害が発生したノードの入出力をリセットするために使用するネットワークです。このネットワークは,リセットパス専用のネットワークである必要があります。詳細については,マニュアルHAモニタ Linux(R)(x86)編リセットパスの構成を参照してください。

図18‒1 HAモニタありのマルチノード構成のシステム構成例(オンプレミス環境の場合)」でのIPアドレス,およびポート番号の設定例を次の表に示します。

表18‒4 リセットパスのIPアドレスとポート番号の設定例

項番

設定対象

IPアドレス

ポート番号

1

サーバマシンhadb01プライマリノード)のリセットパス

192.168.0.11

11111

2

サーバマシンhadb01プライマリノード)のSVP

192.168.0.21

22222

3

サーバマシンhadb02セカンダリノード)のリセットパス

192.168.0.12

11111

4

サーバマシンhadb02セカンダリノード)のSVP

192.168.0.22

22222

5

サーバマシンhadb03セカンダリノード)のリセットパス

192.168.0.13

11111

6

サーバマシンhadb03セカンダリノード)のSVP

192.168.0.23

22222

ワーカーノードはHAモニタの管理対象外のため,リセットパスの設定は不要です。

HAモニタによる共有ディスクのデータ保護方法には,系のリセットの使用を推奨しています。この場合,リセットパスが必要になります。また,HADBサーバが稼働するサーバマシンにSVPなどの障害管理プロセサが搭載されている必要があります。詳細については,マニュアルHAモニタ Linux(R)(x86)編必要なハードウェアを参照してください。