12.7.1 A社の情報分析システムの構成
ECサイトを運営するA社を例にして,監査証跡機能の運用例を説明します。
- 監査証跡機能の使用を決定した背景
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A社は,インターネット上で商品やサービスを販売するECサイトを運営しています。A社では,顧客の個人情報,販売履歴,在庫状況などの情報をHADBのデータベースで管理しています。これらの情報(データ)は,人気商品や顧客の好みをリアルタイムに分析するために,30分ごとにデータベースにインポートされています。データベースにインポートされるデータには,個人情報が含まれているため,A社は,HADBの監査証跡機能を使用して,データベースの監査をできるようにしました。
- A社の情報分析システムの稼働状況
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ECサイトにログインした顧客の情報や,ECサイトの販売情報および在庫情報を,30分ごとにデータベースにインポートする
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BIツールを使用して情報分析をする
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HADBサーバで処理するクエリは,1日に2,000~2,400回程度発生する
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1SQL文の長さは16キロバイト未満である
A社のECサイトと情報分析システムの構成を次の図に示します。
図12‒5 A社のECサイトと情報分析システムの構成 -
上記の条件とシステムの構成を前提として,監査証跡機能の運用例を以降で説明します。