12.4.1 監査人の追加,削除,変更(監査権限の付与または取り消し)
監査人の追加,削除,変更方法(監査権限の付与または取り消し方法)について,例を使って説明します。
(1) 監査人の追加(監査権限の付与)
監査人の追加は,DBA権限を持っているHADBユーザが行います。監査人の追加手順を次に示します。
- 例題
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監査管理権限を持つ監査人(認可識別子がADBAUDITADMIN01)と,監査参照権限を持つ監査人(認可識別子がADBAUDITOR01)を追加します。HADBユーザを新規に作成し,そのHADBユーザに監査権限を付与します。
手順
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HADBユーザを追加する
CREATE USER "ADBAUDITADMIN01" IDENTIFIED BY '#HelloHADB_AUD01' CREATE USER "ADBAUDITOR01" IDENTIFIED BY '#HelloHADB_AUD02'
認可識別子がADBAUDITADMIN01と,認可識別子がADBAUDITOR01のHADBユーザを追加します。
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追加したHADBユーザに,CONNECT権限と監査権限を付与する
GRANT CONNECT,AUDIT ADMIN TO "ADBAUDITADMIN01" GRANT CONNECT,AUDIT VIEWER TO "ADBAUDITOR01"
ADBAUDITADMIN01にはCONNECT権限と監査管理権限を,ADBAUDITOR01にはCONNECT権限と監査参照権限を付与します。
- 重要
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追加された監査人は,すぐに初期パスワード(#HelloHADB_AUD01,#HelloHADB_AUD02)を変更してください。パスワードの変更方法については,「11.6.2 HADBユーザのパスワードを変更する方法」を参照してください。
既存のHADBユーザを監査人にする場合は,上記の手順1.の操作は必要ありません。また,既存のHADBユーザがCONNECT権限を持っている場合は,上記の手順2.で監査権限だけを付与します。
- メモ
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DBA権限を持っているHADBユーザに監査管理権限を付与することはできません。
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暗号管理権限を持っているHADBユーザに監査管理権限を付与することはできません。
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PAM認証を使用するHADBユーザに,監査管理権限および監査参照権限を付与することはできません。
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(2) 監査人の削除(監査権限の取り消し)
監査人の削除手順を次に示します。
- 例題1
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監査管理権限を持っている監査人(認可識別子はADBAUDITADMIN)を削除します。
手順
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監査人(ADBAUDITADMIN)が持っている監査管理権限を取り消す
REVOKE AUDIT ADMIN FROM "ADBAUDITADMIN"
この操作は,監査管理権限を持っているHADBユーザが実行します。
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監査管理権限を取り消したHADBユーザ(ADBAUDITADMIN)を削除する
DROP USER "ADBAUDITADMIN"
この操作は,DBA権限を持っているHADBユーザが実行します。
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- 例題2
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監査参照権限を持っている監査人(認可識別子はADBAUDITOR)を削除します。
手順
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監査人(ADBAUDITOR)が持っている監査参照権限を取り消す
REVOKE AUDIT VIEWER FROM "ADBAUDITOR"
この操作は,監査管理権限を持っているHADBユーザが実行します。
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監査参照権限を取り消したHADBユーザ(ADBAUDITOR)を削除する
DROP USER "ADBAUDITOR"
この操作は,DBA権限を持っているHADBユーザが実行します。
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(3) 監査人の変更
監査人の変更手順を次に示します。
- 例題
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監査管理権限を持っている監査人を変更します。認可識別子がADBAUDITADMIN01のHADBユーザから,認可識別子がADBAUDITADMIN02のHADBユーザに監査人を変更します。
認可識別子がADBAUDITADMIN02のHADBユーザを新規に作成し,そのHADBユーザを新たな監査人にします。
手順
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HADBユーザ(ADBAUDITADMIN02)を追加する
CREATE USER "ADBAUDITADMIN02" IDENTIFIED BY '#HelloHADB_AUD02'
認可識別子がADBAUDITADMIN02のHADBユーザを追加します。
この操作は,DBA権限を持っているHADBユーザが実行します。
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追加したHADBユーザ(ADBAUDITADMIN02)に,CONNECT権限と監査管理権限を付与する
GRANT CONNECT,AUDIT ADMIN TO "ADBAUDITADMIN02"
この操作は,DBA権限を持っているHADBユーザが実行します。
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監査人(ADBAUDITADMIN01)が持っている監査管理権限を取り消す
REVOKE AUDIT ADMIN FROM "ADBAUDITADMIN01"
この操作は,監査管理権限を持っているHADBユーザが実行します。
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監査管理権限を取り消したHADBユーザ(ADBAUDITADMIN01)を削除する
DROP USER "ADBAUDITADMIN01"
この操作は,DBA権限を持っているHADBユーザが実行します。
この操作は,このHADBユーザが不要な場合に限り実施してください。
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- 重要
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新たな監査人(ADBAUDITADMIN02)は,すぐに初期パスワード(#HelloHADB_AUD02)を変更してください。パスワードの変更方法については,「11.6.2 HADBユーザのパスワードを変更する方法」を参照してください。
既存のHADBユーザを新たな監査人にする場合は,上記の手順1.の操作は必要ありません。また,既存のHADBユーザがCONNECT権限を持っている場合は,上記の手順2.で監査管理権限だけを付与します。
- メモ
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DBA権限を持っているHADBユーザに監査管理権限を付与することはできません。
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暗号管理権限を持っているHADBユーザに監査管理権限を付与することはできません。
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PAM認証を使用するHADBユーザに,監査管理権限および監査参照権限を付与することはできません。
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(4) 留意事項
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監査管理権限を持っているHADBユーザは,自分が持っている監査権限,およびほかのHADBユーザが持っている監査権限を取り消すことができます。
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監査証跡機能が有効な場合,監査管理権限とCONNECT権限の両方を持っているHADBユーザが自分だけのときは,自分が持っている監査管理権限を取り消すことはできません。
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監査証跡機能が無効な場合,監査権限を取り消すことはできません。ただし,次に示す条件をすべて満たす場合は,自分が持っている監査管理権限を取り消すことができます。
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監査管理権限を持っているHADBユーザが自分だけである
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監査参照権限を持っているHADBユーザがいない
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