10.2.3 HADBサーバの稼働モード
HADBサーバには,次の稼働モードがあります。
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通常モード
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静止モード
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オフラインモード
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メンテナンスモード
各稼働モードの詳細について,次の表に示します。
項番 |
稼働モードの種類 |
説明 |
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1 |
通常モード |
通常の稼働モードです。 通常モードのときは,HADBサーバおよびHADBクライアントで,通常どおりSQL文およびコマンドを実行できます。 なお,HADBサーバを初めて開始する場合に,オプションを省略してadbstartコマンドを実行すると,通常モードで開始されます。 |
2 |
静止モード |
データベースの更新を抑止する稼働モードです。 HADBサーバを稼働したまま,データベースのバックアップを取得するときなどに,このモードを使用します。 静止モードのときは,HADBサーバおよびHADBクライアントで,データベースを検索するSQL文は実行できます。しかし,データベースを更新するSQL文は実行できません。また,一部のコマンドも実行できません。 静止モードで実行できるSQL文およびコマンドについては,マニュアルHADB コマンドリファレンスのadbstart(HADBサーバの開始)を参照してください。 |
3 |
オフラインモード |
HADBサーバがインストールされているサーバマシンとは異なるマシンにインストールされているHADBクライアントからの接続を受け付けない稼働モードです。 コマンド実行時に,HADBサーバの処理性能を最大限に利用したいときなどに,このモードを使用します。 オフラインモードのときは,HADBサーバと同じサーバマシンにインストールされているHADBクライアントからは,通常どおりSQL文およびコマンドを実行できます。しかし,HADBサーバがインストールされているサーバマシンとは異なるマシンにインストールされているHADBクライアントからは,SQL文およびコマンドを実行できません。 オフラインモードで実行できるSQL文およびコマンドについては,マニュアルHADB コマンドリファレンスのadbstart(HADBサーバの開始)を参照してください。 |
4 |
メンテナンスモード |
HADBサーバがAPの接続要求を受け付けない稼働モードです。メンテナンスモードの場合は,adbmodareaコマンドまたはadbupddmkコマンドなどの特定のコマンドだけが実行できます。メンテナンスモードの場合に実行できるコマンドについては,マニュアルHADB コマンドリファレンスのadbstart(HADBサーバの開始)の各稼働モードで実行できるSQL文およびコマンドを参照してください。 メンテナンスモードは,次に示す場合などに使用します。
マルチノード構成へのノードの復帰については,「18.16.3 マルチノード構成へのノードの復帰」を参照してください。 |
- 〈この項の構成〉
(1) 稼働モードを変更する方法
HADBサーバの稼働モードは,HADBサーバの開始時,またはHADBサーバの稼働中に変更できます。稼働モードを変更する方法を次に示します。
- ■稼働モードを通常モードに変更する方法
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HADBサーバの開始時に変更する場合
HADBサーバを開始するときに,adbstart --normalコマンドを実行してください。
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HADBサーバの稼働中に変更する場合
静止モード,オフラインモード,またはメンテナンスモードで稼働しているときに,adbchgsrvmode --normalコマンドを実行してください。
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- ■稼働モードを静止モードに変更する方法
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HADBサーバの開始時に変更する場合
HADBサーバを開始するときに,adbstart --quiescenceコマンドを実行してください。
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HADBサーバの稼働中に変更する場合
通常モードで稼働しているときに,adbchgsrvmode --quiescenceコマンドを実行してください。通常モードから,静止モードに変更できます。
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- ■稼働モードをオフラインモードに変更する方法
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HADBサーバの開始時に変更する場合
HADBサーバを開始するときに,adbstart --offlineコマンドを実行してください。
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HADBサーバの稼働中に変更する場合
通常モードで稼働しているときに,adbchgsrvmode --offlineコマンドを実行してください。通常モードから,オフラインモードに変更できます。
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- ■稼働モードをメンテナンスモードに変更する方法
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HADBサーバの開始時に変更する場合
HADBサーバを開始するときに,adbstart --maintenanceコマンドを実行してください。
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HADBサーバの稼働中に変更する場合
通常モードで稼働しているときに,adbchgsrvmode --maintenanceコマンドを実行してください。通常モードから,メンテナンスモードに変更できます。
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(2) 稼働モードを確認する方法
HADBサーバの稼働モードは,次に示すコマンドで確認できます。
adbls -d srv
コマンドを実行すると,HADBサーバの状態が表示されます。実行結果のSTATUSの項目を確認してください。
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STATUSがACTIVEの場合
稼働モードは,通常モードになります。
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STATUSがQUIESCEの場合
稼働モードは,静止モードになります。
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STATUSがOFFLINEの場合
稼働モードは,オフラインモードになります。
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STATUSがMAINTNCEの場合
稼働モードは,メンテナンスモードになります。