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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


16.8.3 バックアップの運用例(OSコマンドを使用)

ここでは,OSのコマンドを使用したバックアップの運用例(フルバックアップを取得する運用例)について説明します。

〈この項の構成〉

(1) システムの構成例

4つのノード(hadb01hadb02hadb03hadb04)で構成されるマルチノード構成で,プライマリノードhadb01とします。DBディレクトリ,アーカイブディレクトリ,同義語辞書ファイルの格納ディレクトリ,および監査証跡の出力先ディレクトリは,次の構成となっているとします。

hadb01のディレクトリ構成

hadb02のディレクトリ構成

hadb03のディレクトリ構成

hadb04のディレクトリ構成

(2) バックアップの取得

OSのコマンドを使用して,バックアップを取得する手順を説明します。

手順

  1. マルチノード構成のHADBサーバを終了する※1

    adbstop
    KFAA90000-I adbstop processing started.
    KFAA91154-I The HADB system was terminated normally.
    KFAA90001-I adbstop processing ended. (return code = 0)
     
    monend

    プライマリノードhadb01adbstopコマンドを実行し,全ノードのHADBサーバが正常終了したあとに,HAモニタのmonendコマンドを実行してください。

  2. OSのコマンドでバックアップを取得する

    OSのcpコマンドおよびddコマンドをプライマリノードhadb01で実行し,次のディレクトリのバックアップを取得します。

    • DBディレクトリのバックアップの取得

      cp -r /HADB/db/ADBSYS /HADB_bkup/db/ADBSYS
      dd if=/HADB/db/ADBMST of=/HADB_bkup/db/ADBMST bs=524288
      dd if=/HADB/db/ADBDIC of=/HADB_bkup/db/ADBDIC bs=524288
      dd if=/HADB/db/ADBSTBL of=/HADB_bkup/db/ADBSTBL bs=524288
      dd if=/HADB/db/ADBUTBL01 of=/HADB_bkup/db/ADBUTBL01 bs=524288
      dd if=/HADB/db/ADBUIDX01 of=/HADB_bkup/db/ADBUIDX01 bs=524288

      バックアップの取得先ディレクトリは/HADB_bkup/dbです。

      システムディレクトリが$DBDIR/ADBSYSにマウントされていない場合は,OSのmountコマンドを実行してマウントしてください。

      なお,ブロックスペシャルファイルのデータをバックアップする場合,ボリューム全体をコピーするため,実際の使用量よりもバックアップ容量が増えます。

    • アーカイブディレクトリのバックアップの取得

      cp -r /HADB/archive /HADB_bkup/archive

      アーカイブマルチチャンク表を定義している場合は,アーカイブディレクトリのバックアップを取得する必要があります。

      アーカイブディレクトリをNFSサーバ上に作成している場合は,アーカイブディレクトリのバックアップをセカンダリノードおよびワーカーノードで取得する必要はありません。

    • 同義語辞書ファイルの格納ディレクトリのバックアップの取得

      cp -r /mnt/syndict /HADB_bkup/syndict

      同義語検索を行っている場合は,同義語辞書ファイルの格納ディレクトリのバックアップを取得する必要があります。

    メモ

    監査証跡の出力先ディレクトリ下の監査証跡ファイルは,監査証跡の保存先ディレクトリに移動する運用のため,監査証跡の出力先ディレクトリのバックアップを取得する必要はありません。

  3. マルチノード構成HADBサーバを開始する※2

    adbstart

    プライマリノードおよび全セカンダリノード(hadb01hadb03)でadbstartコマンドおよびHAモニタのmonbeginコマンドを実行してください。adbstartコマンドの実行後,別ターミナル(コマンド入力画面)から,HAモニタのmonbeginコマンドを実行してください。

    重要

    adbstartコマンドが終了する前に,monbeginコマンドを実行してください。

    monbegin
  4. マルチノード構成にワーカーノードを追加する

    adbstart

    ワーカーノード(hadb04)で,adbstartコマンドを実行してください。

注※1

手順1.は,次の方法で代替することもできます。

プライマリノードhadb01adbchgsrvmodeコマンドを実行し,プライマリノードのHADBサーバの稼働モードを静止モードに変更します。

adbchgsrvmode --quiescence
注※2

手順1.で注※1の方法を実施した場合は,プライマリノードhadb01adbchgsrvmodeコマンドを実行し,プライマリノードのHADBサーバの稼働モードを通常モードに変更してください。

adbchgsrvmode --normal

(3) バックアップからの回復

バックアップからの回復手順を説明します。

手順

  1. マルチノード構成のHADBサーバを終了する

    adbstop
    KFAA90000-I adbstop processing started.
    KFAA91154-I The HADB system was terminated normally.
    KFAA90001-I adbstop processing ended. (return code = 0)
     
    monend

    プライマリノードhadb01adbstopコマンドを実行し,マルチノード構成のHADBサーバが正常終了したあとに,HAモニタのmonendコマンドを実行してください。

  2. OSのコマンドでデータベースを回復する

    OSのcpコマンドおよびddコマンドをプライマリノードhadb01で実行し,バックアップから次のディレクトリを回復します。

    • DBディレクトリの回復

      cp -r /HADB_bkup/db/ADBSYS /HADB/db/ADBSYS
      dd if=/HADB_bkup/db/ADBMST of=/HADB/db/ADBMST bs=524288
      dd if=/HADB_bkup/db/ADBDIC of=/HADB/db/ADBDIC bs=524288
      dd if=/HADB_bkup/db/ADBSTBL of=/HADB/db/ADBSTBL bs=524288
      dd if=/HADB_bkup/db/ADBUTBL01 of=/HADB/db/ADBUTBL01 bs=524288
      dd if=/HADB_bkup/db/ADBUIDX01 of=/HADB/db/ADBUIDX01 bs=524288

      バックアップファイルの格納ディレクトリは,/HADB_bkup/dbです。

      システムディレクトリが$DBDIR/ADBSYSにマウントされていない場合は,OSのmountコマンドを実行してマウントしてください。

    • アーカイブディレクトリの回復

      rm -r /HADB/archive/*
      cp -r /HADB_bkup/archive/* /HADB/archive

      アーカイブマルチチャンク表を定義している場合は,アーカイブディレクトリを回復する必要があります。

      アーカイブディレクトリをNFSサーバ上に作成している場合は,セカンダリノードおよびワーカーノードでアーカイブディレクトリを回復する必要はありません。

    • 同義語辞書ファイルの格納ディレクトリの回復

      rm -r /mnt/syndict/*
      cp -r /HADB_bkup/syndict/* /mnt/syndict

      同義語検索を行っている場合は,同義語辞書ファイルの格納ディレクトリを回復する必要があります。

  3. マルチノード構成HADBサーバを開始する

    adbstart

    プライマリノードおよび全セカンダリノード(hadb01hadb03)でadbstartコマンドおよびHAモニタのmonbeginコマンドを実行してください。adbstartコマンドの実行後,別ターミナル(コマンド入力画面)から,HAモニタのmonbeginコマンドを実行してください。

    重要

    adbstartコマンドが終了する前に,monbeginコマンドを実行してください。

    monbegin

    マルチノード構成のHADBサーバの開始後,プライマリノードのHADBサーバの稼働モードが静止モードの場合,プライマリノードhadb01adbchgsrvmodeコマンドを実行し,プライマリノードのHADBサーバの稼働モードを通常モードに変更してください。

    adbchgsrvmode --normal
  4. マルチノード構成にワーカーノードを追加する

    adbstart

    ワーカーノード(hadb04)で,adbstartコマンドを実行してください。

  5. 同義語辞書ファイルの同期を取る

    adbsyndict -s

    プライマリノードhadb01adbsyndictコマンドを実行し,同義語辞書ファイルの同期を取ってください。同義語検索を行っている場合に限り,この操作を実行してください。