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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


8.4 環境変数の設定

ここでは,HADB管理者,およびHADB管理グループに所属するOSユーザが設定する環境変数について説明します。

設定した値が,HADBサーバ使用時のシェルで有効になるようにしてください。環境変数の設定方法については,OSのマニュアルを参照してください。

また,マルチノード機能を使用する場合は,全ノードで,それぞれ環境変数を設定してください。

重要

環境変数は,必ずHADBサーバが停止している状態で設定してください。adbstopコマンドを実行することで,HADBサーバを終了できます。

環境変数に設定する値を次の表に示します。

表8‒10 環境変数に設定する値

項番

環境変数

設定する値

1

LANG

OSの文字コードを指定します。

日本語環境で使用する場合:

次のどちらかの文字コードを選択します。

  • Unicode(UTF-8)

    この環境変数にja_JP.UTF-8を指定してください。

  • Shift-JIS

    この環境変数にja_JP.SJISを指定してください。

英語環境で使用する場合:

文字コードはUnicode(UTF-8)になります。この環境変数にen_US.UTF-8を指定してください。

2

LD_LIBRARY_PATH

この環境変数に,次に示すディレクトリを追加してください。

  • $ADBDIR/lib

また,次のどちらかの条件を満たす場合は,この環境変数に$ADBDIR/client/libも追加してください。

  • HADBサーバでadbsqlコマンドを実行する場合

  • HADBサーバでCLI関数を使用したAPを開発または実行する場合

3

PATH

この環境変数に,次に示すディレクトリを追加してください。

  • $ADBDIR/bin

  • $ADBDIR/client/bin

4

TZ

HADBサーバをインストールするマシンのタイムゾーンを設定します。

なお,うるう秒対応のタイムゾーンは設定しないでください。

[マルチノード機能]

マルチノード機能を使用する場合,この環境変数の指定値を,全ノードで一致させてください。

5

ADBDIR

この環境変数には,サーバディレクトリを絶対パスで指定してください。

6

ADBLANG

HADBサーバで使用する文字コードを指定します。

日本語環境で使用する場合:

次のどちらかの文字コードを選択します。

  • Unicode(UTF-8)

    この環境変数にUTF8を指定してください。

  • Shift-JIS

    この環境変数にSJISを指定してください。

SJISを指定する場合,Shift-JISのマルチバイト文字がsyslogに出力されることを防ぐため,次に示すどれかの対処をしてください。

  • HADBサーバに拡張SYSLOG機能を適用して,syslogの文字コード変換(Shift-JISからUnicodeへの変換)を行う

    拡張SYSLOG機能については,「10.4.6 syslogの文字コード変換と信頼性向上(拡張SYSLOG機能の適用)」を参照してください。

  • 次に示す項目の指定で,マルチバイト文字を使用しないようにする

    ・定義系SQL中に指定する名前(表名,インデクス名,列名など)

    ・HADBが使用するディレクトリやファイル名称

  • 環境変数ADBSYSLOGLV0を指定する

    ADBSYSLOGLV0を指定した場合,syslogにHADBのメッセージは出力されません。ただし,メッセージログファイルには,HADBのすべてのメッセージが出力されます。

英語環境で使用する場合:

文字コードはUnicode(UTF-8)になります。この環境変数にUTF8を指定してください。

[マルチノード機能]

マルチノード機能を使用する場合,この環境変数の指定値を,全ノードで一致させてください。

7

ADBMSGLOGSIZE

1つのサーバメッセージログファイルの最大容量をメガバイト単位で設定できます。設定できる範囲は1〜2,000です。HADBサーバでは,4つのサーバメッセージログファイルが作成されます。

この環境変数を省略した場合,1つのサーバメッセージログファイルの最大容量は16メガバイトとなります。

8

ADBSYSLOGLV

この環境変数を設定すると,syslogに出力されるメッセージを出力レベルに従って抑止できます。

syslogに出力されるメッセージを抑止したい場合,この環境変数を設定してください。出力レベルは,06のどれかを指定してください。

syslogに出力されるメッセージの出力レベルの一覧については,「10.4.5 syslogへのメッセージの出力抑止」を参照してください。

なお,出力レベルに06以外を指定した場合,エラーとなります。

また,この環境変数を設定しない場合は,出力レベルに6が仮定されます。

9

ADBCLTDIR

HADBクライアントの各種ファイルが格納されているディレクトリを指定します。この環境変数には,サーバディレクトリを絶対パスで指定してください。

この環境変数は,次のどちらかの条件を満たす場合に設定してください。

  • HADBサーバでadbsqlコマンドを実行する場合

  • HADBサーバでCLI関数を使用したAPを開発または実行する場合

10

ADBCLTLANG

HADBクライアントで使用する文字コードを指定します。

日本語環境で使用する場合:

次のどちらかの文字コードを選択します。

  • Unicode(UTF-8)

    この環境変数にUTF8を指定してください。

  • Shift-JIS

    この環境変数にSJISを指定してください。

英語環境で使用する場合:

文字コードはUnicode(UTF-8)になります。この環境変数にUTF8を指定してください。

この環境変数は,次のどちらかの条件を満たす場合に設定してください。

  • HADBサーバでadbsqlコマンドを実行する場合

  • HADBサーバでCLI関数を使用したAPを開発または実行する場合

11

ADBSQLNULLCHAR

この環境変数には,adbsqlコマンドの検索結果にナル値がある場合に,ナル値を表示する文字列(ナル値表示文字列)を指定します。0〜32バイトの文字列を指定できます。0バイトの文字列を指定した場合は,ナル値の表示は空白になります。

この環境変数を省略した場合,ナル値は*(アスタリスク)で表示されます。

検索データ中に,アスタリスクがある場合や,ナル値を任意の文字で出力したい場合に,この環境変数を指定してください。

なお,マルチバイト文字を指定すると,検索結果の表示が乱れることがあります。

この環境変数は,HADBサーバでadbsqlコマンドを実行する場合に設定を検討してください。

12

CLASSPATH

HADBサーバでJavaのAPを開発または実行する場合(JDBCドライバを使用する場合)に,この環境変数を指定します。この環境変数には,JARファイルの絶対パスを指定します。次のパスを指定してください。

  • $ADBDIR/client/lib/adbjdbc8.jar

JARファイルの格納先を上記から変更した場合は,変更先の絶対パスを指定してください。

JDBCドライバが提供するJDBC規格外のメソッド(接続情報設定および取得インタフェースのメソッド)など,JDBCドライバが提供するクラスを直接操作する場合は,APをコンパイルする前にこの環境変数を指定してください。

注※

環境変数LANGADBLANG,およびADBCLTLANGで選択する文字コードを合わせてください。

例1:日本語環境でUnicode(UTF-8)を使用する場合

     LANG="ja_JP.UTF-8"
     ADBLANG=UTF8
     ADBCLTLANG=UTF8

例2:英語環境でUnicode(UTF-8)を使用する場合

     LANG="en_US.UTF-8"
     ADBLANG=UTF8
     ADBCLTLANG=UTF8