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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


14.8.1 バックアップの取得方法

データベースのバックアップを取得する手順を次に示します。

図14‒4 バックアップを取得する手順(マルチノード機能を使用している場合)

[図データ]

各手順の詳細を以降で説明します。

〈この項の構成〉

(1) バックアップ取得時の留意事項を確認する

9.3.1 バックアップの取得方法」を参照して,バックアップ取得時の留意事項を確認してください。

(2) マルチノード構成のHADBサーバを正常終了する,またはマスタノードのHADBサーバを静止モードに変更する

次のどちらかの操作を実行してください。

上記のどちらかの操作を実行しないと,データベースを回復する際にデータベースの整合性が取れなくなるおそれがあります。

HADBサーバの状態を確認する場合は,任意のノードでadblsコマンドを実行してください。

(3) マスタノードでバックアップを取得する

マスタノードで,バックアップを取得するファイルの一覧を次の表に示します。

ファイルがシンボリックリンクの場合は,リンク先のファイル,またはブロックスペシャルファイルのコピーが必要です。

なお,マルチノード構成のHADBサーバを正常終了している場合は,コピーを実行する前に,システムディレクトリが$DBDIR/ADBSYSにマウントされていることを確認してください。マウントされていない場合は,OSのmountコマンドを実行して,システムディレクトリを$DBDIR/ADBSYSにマウントしてください。

また,バックアップファイルはスパースファイルにしないでください。

表14‒9 バックアップを取得するファイルの一覧

項番

バックアップを取得するファイル

ファイルの格納先

ファイルの種類

バックアップの取得有無

フルバックアップ

簡易バックアップ

1

コマンドステータスファイル

$DBDIR/ADBSYS/ADBUTL

レギュラーファイル

2

システムログファイル

$DBDIR/ADBSYS/ADBSLG

レギュラーファイル

3

ステータスファイル

$DBDIR/ADBSYS/ADBSTS

レギュラーファイル

4

マスタディレクトリ用DBエリアファイル

$DBDIR/ADBMST

ブロックスペシャルファイル

5

ディクショナリ用DBエリアファイル

$DBDIR/ADBDIC

ブロックスペシャルファイル

6

システム表用DBエリアファイル

$DBDIR/ADBSTBL

ブロックスペシャルファイル

7

データ用DBエリアを構成するすべてのファイル

$DBDIR/DBAREA※1

ブロックスペシャルファイル

×

8

アーカイブファイル

アーカイブディレクトリ※2

レギュラーファイル

×

(凡例)

○:バックアップの取得が必要です。

×:バックアップの取得は不要です。

注※1

adbinitコマンドまたはadbmodareaコマンドで,ユーザが指定した名称になります。

注※2

CREATE TABLE文のチャンクアーカイブ指定のARCHIVEDIRで指定したディレクトリのことです。

参考

次に示すファイルについては,バックアップの取得は不要です。

  • 作業表用DBエリアファイル($DBDIR/ADBWRK)

  • 作業用ディレクトリ下($DBDIR/ADBWORK)のファイル

  • 障害情報(コアファイル)の出力先ディレクトリ下($DBDIR/SPOOL)のファイル

    サーバ定義のadb_core_pathオペランドを指定した場合は,adb_core_pathオペランドに指定したディレクトリになります。

なお,これらのファイルも,上記の表に示すファイルと一緒にバックアップを取得して,バックアップから回復しても問題はありません。

(4) マルチノード構成のHADBサーバを開始する,またはマスタノードのHADBサーバを通常モードに変更する

次のどちらかの操作を実行してください。