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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


9.10.8 SQLトレース情報を利用したSQL文のチューニング

ここでは,SQLトレース情報を利用したSQL文のチューニング手順について説明します。

〈この項の構成〉

(1) SQLトレース情報をSQL文単位で出力している場合

SQLトレース情報をSQL文単位で出力している場合に,SQL文をチューニングする手順について次に示します。

手順

  1. チューニングに利用する情報を準備する

    SQLトレース情報を参照できるように準備してください。

  2. 実行時間の長いSQL文を特定する

    SQLトレース情報の「SQL文の実行情報」のexe_timeに出力されているSQL文の実行時間を確認して,実行時間の長いSQL文を特定してください。

  3. SQL文の実行情報の出力値を記録する

    手順2.で特定した「SQL文の実行情報」の次の値を記録してください。

    • con_id(コネクションID)

    • con_num(コネクション通番)

    • stmt_hdl(SQL文に割り当てられた文ハンドル)

    • sql_serial_num(SQL文通番)

  4. SQL文の基本情報を確認する

    次の条件を満たす「SQL文の基本情報」を探してください。

    • con_id,con_num,stmt_hdl,およびsql_serial_numの値が,手順3.で記録した値と同じである

    複数のSQL文の基本情報の中から,該当するSQL文の基本情報を探す方法については,「9.10.4 SQLトレース情報の出力例と見方」を参照してください。

  5. 実行したSQL文とアクセスパス情報,および?パラメタの情報を確認する

    手順4.で特定した「SQL文の基本情報」の直後に出力されている「実行したSQL文とアクセスパス情報」,および「?パラメタの情報」を確認してください。

  6. 統計情報を確認する

    手順2.で特定した「SQL文の実行情報」の直後に出力されている次の統計情報を参照して,SQL文のチューニングを実施してください。

    • SQL文の統計情報

    • アクセスパスの統計情報

(2) SQLトレース情報をコール単位で出力している場合

SQLトレース情報をコール単位で出力している場合に,SQL文をチューニングする手順について次に示します。

手順

  1. チューニングに利用する情報を準備する

    SQLトレース情報を参照できるように準備してください。

  2. 実行時間の長いSQL文を特定する

    SQLトレース情報の「SQL文の実行情報」のexe_timeに出力されているSQL文の実行時間を確認して,実行時間の長いSQL文を特定してください。

  3. SQL文の実行情報の出力値を記録する

    手順2.で特定した「SQL文の実行情報」の次の値を記録してください。

    • con_id(コネクションID)

    • con_num(コネクション通番)

    • stmt_hdl(SQL文に割り当てられた文ハンドル)

    • sql_serial_num(SQL文通番)

  4. SQL文の実行情報を確認する

    次の条件を満たす「SQL文の実行情報」を探してください。

    • con_id,con_num,stmt_hdl,およびsql_serial_numの値が,手順3.で記録した値と同じである

    • 検索系SQLを実行した場合は,コール種別がPREPまたはOPENである

    • 更新系SQLを実行した場合は,コール種別がPREP,EXECまたはEXDIである

  5. 実行したSQL文とアクセスパス情報,および?パラメタの情報を確認する

    手順4.で特定した「SQL文の実行情報」の直後に出力されている次の情報を確認してください。

    • コール種別がPREPまたはEXDIの場合は,「実行したSQL文とアクセスパス情報」を確認する

    • コール種別がOPENまたはEXECの場合は,「?パラメタの情報」を確認する

  6. SQL文の実行情報を確認する

    次の条件をすべて満たす「SQL文の実行情報」を探してください。

    • con_id,con_num,stmt_hdl,およびsql_serial_numの値が,手順3.で記録した値と同じである

    • コール種別がCLOS,EXEC,またはEXDIである

  7. 統計情報を確認する

    手順6.で特定した「SQL文の実行情報」の直後に出力されている次の統計情報を参照して,SQL文のチューニングを実施してください。

    • SQL文の統計情報

    • アクセスパスの統計情報