9.9.5 統計ログファイルの運用
(1) 統計ログファイルに出力される情報
統計ログファイルには,次に示すHADBサーバの稼働情報が出力されます。
-
SQL文の統計情報
統計ログファイルに出力された情報は,adbstatコマンドを実行することで確認できます。
HADBサーバは,統計ログファイルを自動的に4つ作成して使用します。
- 注意事項
-
作成された統計ログファイルを手動で更新しないでください。統計ログファイルに出力される情報が不正になるおそれがあります。
1つの統計ログファイルの最大容量は,サーバ定義adb_sta_log_max_sizeオペランドで指定できます。サーバ定義adb_sta_log_max_sizeオペランドについては,「7.6.2(8) 統計情報に関するオペランド(set形式)」を参照してください。
1つの統計ログファイルが最大容量に達すると,HADBサーバはその統計ログファイルへの出力をやめて,次の統計ログファイルに出力します。このとき,切り替え先の統計ログファイルに格納されている古い情報は,上書きされます。そのため,古い情報が上書きされる前に,定期的にadbstatコマンドを実行することで,統計ログファイルに出力された情報を出力しておく必要があります。
統計ログファイルに格納されているいちばん古い情報が,上書きされないで保持される期間の目安について説明します。
次に示す条件でSQL文を実行して統計ログファイルに情報が出力される場合,いちばん古い情報が上書きされないで保持される期間は,およそ31日となります。31日を超えると,いちばん古い情報から上書きされます。
- ■条件
-
-
1つの統計ログファイルの最大容量
4ギガバイト(サーバ定義adb_sta_log_max_sizeオペランドの指定を省略する,または4を指定する)
-
SQL文を実行する平均間隔
1秒間に1回,SQL文を実行する
-
データ用DBエリアの数,およびグローバルバッファの数
128(1つのデータ用DBエリアに対して,1つのグローバルバッファを割り当てる)
-
HADBサーバに接続するHADBクライアントの最大同時接続数
128(ただし,実際の同時接続数の平均値は64とする)
-
- 参考
-
-
使用される統計ログファイルは,HADBサーバを開始するときにサーバメッセージログファイルに出力されるKFAA80295-Iメッセージで確認できます。
-
1つの統計ログファイルが最大容量に達して,統計ログファイルが切り替わる場合,サーバメッセージログファイルにKFAA80296-Iメッセージが出力されます。
-
(2) 統計ログファイルの出力先を変更する場合
統計ログファイルは,$ADBDIR/spoolディレクトリ下に出力されますが,サーバ定義adb_sta_log_pathオペランドを指定して,統計ログファイルの出力先ディレクトリを変更できます。サーバ定義adb_sta_log_pathオペランドについては,「7.6.2(8) 統計情報に関するオペランド(set形式)」を参照してください。
- 注意事項
-
統計ログファイルの出力先ディレクトリを変更した場合,変更前の統計ログファイルに格納されている統計情報を参照できなくなります。そのため,統計ログファイルの出力先ディレクトリを変更する前に,adbstatコマンドを実行して統計情報を出力しておいてください。
(3) 統計ログファイルを削除する場合
統計ログファイルを削除する手順を次に示します。
- 注意事項
-
統計ログファイルを削除する場合は,ここで説明している手順に必ず従ってください。手順に従わないと,統計ログファイルに出力される情報が不正になるおそれがあります。
- 参考
-
HADBサーバの運用テストを実施したあとに,統計ログファイルが不要になり削除することがあります。その場合は,ここで説明する手順に従って統計ログファイルを削除してください。
手順
-
adbstopコマンドでHADBサーバを正常終了する
マルチノード機能を使用している場合は,統計ログファイルを削除するノードのHADBサーバを正常終了してください。
コールドスタンバイ構成の場合は,コールドスタンバイ構成を正常終了してください。
-
OSのrmコマンドなどで,統計ログファイルの出力先ディレクトリ下のファイルを削除する
次のファイルをすべて削除してください。
-
adbstatlogXX
ファイル名のXXは通番であり,01〜04のどれかになります。
-
.adbstatlog
隠しファイルです。
-
-
adbstartコマンドでHADBサーバを正常開始する