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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


2.16.4 マルチノード構成からのノードの切り離し

ノード障害が発生した場合,障害が発生したノードをマルチノード構成から切り離し,残ったノードで業務を継続します。

参考

障害が発生したノードをマルチノード構成から切り離し,残ったノードで処理を継続することを,HAモニタでは縮退運用と呼んでいます。

〈この項の構成〉

(1) マスタノードでノード障害が発生した場合

マスタノードでノード障害が発生した場合,そのマスタノードをマルチノード構成から切り離し,スレーブノードの1つをマスタノードに切り替えて,残ったノードで業務を継続します。

マスタノードでノード障害が発生した場合のノードの切り離しを次の図に示します。

図2‒59 マスタノードでノード障害が発生した場合のノードの切り離し

[図データ]

[説明]
  • ノード障害が発生したマスタノードをマルチノード構成から切り離し,スレーブノードの1つをマスタノードに切り替えます。これをマスタノードの切り替えといいます。

  • ノード障害が発生したマスタノードで実行中のSQL文はエラーになり,トランザクションを実行していたAPは,HADBサーバから切り離されます。また,ノード障害が発生した時点で,HADBサーバに接続だけしていてトランザクションを実行していないAPも,HADBサーバから切り離されます。

参考

障害が発生したマスタノードで実行されていた更新処理に対する回復処理(ロールバック)が,新たにマスタノードになるスレーブノードで実行されます。回復処理の完了後,マスタノードの切り替え処理が行われます。

ノード障害発生時のノードの切り離し,およびマスタノードの切り替えは,HAモニタが管理しています(HAモニタの系切り替え機能で実現しています)。マスタノードはHAモニタの実行系として動作し,スレーブノードはHAモニタの待機系として動作します。

スレーブノードの1つをマスタノードに切り替える際,共有するディスクの切り替えや,エイリアスIPアドレスの追加および削除も,HAモニタが実行します。

参考

マスタノードに切り替えられるスレーブノードは,HAモニタの系切り替え機能によって,新たに実行系となるノードです。系の切り替え先(マスタノードに切り替えられるスレーブノード)の決定方法はHAモニタの仕様に依存します。

(2) スレーブノードでノード障害が発生した場合

スレーブノードでノード障害が発生した場合,そのスレーブノードをマルチノード構成から切り離し,残ったノードで業務を継続します。

スレーブノードでノード障害が発生した場合のノードの切り離しを次の図に示します。

図2‒60 スレーブノードでノード障害が発生した場合のノードの切り離し

[図データ]

[説明]

ノード障害が発生したスレーブノードで実行中のSQL文はエラーになり,トランザクションを実行していたAPは,HADBサーバから切り離されます。

参考

障害が発生したスレーブノードで実行していたトランザクションのロールバックが,マスタノードで実行されます。