2.16.1 マルチノード機能とは
マルチノード機能とは,複数のHADBサーバを連携することによって,検索系SQLの処理の負荷分散を実現する機能のことです(スケールアウトによる負荷分散)。
マルチノード機能を使用した負荷分散の例を次の図に示します。
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- [説明]
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上記の例では,3つのHADBサーバで検索系SQLの処理を実行し,負荷分散を行っています。
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HADBクライアントからのAPの接続要求は,マスタノードのHADBサーバが受け付けます。
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マスタノードのHADBサーバが,負荷分散の制御を行います。マスタノードのHADBサーバが負荷の少ないノードを選択し,そのノードで検索系SQLを実行します。検索系SQLの処理を各ノードに振り分けることで負荷分散を実現しています。
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マルチノード機能の制御を行うHADBサーバがあるノードをマスタノードといいます。更新系SQLや,adbimportコマンドなどのコマンドはマスタノードで処理されます。
マスタノードは必ず1つ必要になります。
APまたはコマンドの接続要求はマスタノードのHADBサーバが受け付けます。
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検索系SQLを処理するHADBサーバがあるノードをスレーブノードといいます。マルチノード機能を使用する場合,ノードの最大数は4つになります。そのため,スレーブノードは,1〜3つ設定できます。
スレーブノードでは,更新系SQLや,adbimportコマンドなどの一部のコマンドは実行できません。
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マルチノード機能を使用している複数のHADBサーバから成るシステム構成をマルチノード構成といいます。
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HAモニタ
ノードの状態を監視し,障害が発生した場合にノードの切り離しを実行する製品です。HAモニタの機能については,「2.16.3 HAモニタによるノードの管理」を参照してください。
マスタノードはHAモニタの実行系として動作し,スレーブノードはHAモニタの待機系として動作します。
- 参考
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HADBサーバがインストールされているサーバマシンと,そのサーバマシンにインストールされているOS,HADBサーバ,およびHAモニタを包括したものをノードといいます。
マルチノード機能使用時の処理性能は,ハードウェア環境や処理件数に依存します。また,マルチノード機能を使用する場合は,マルチノード機能を使用しない場合に比べて,マスタノードとスレーブノードの通信処理や同期処理のオーバヘッドによって,SQL文およびコマンドの実行処理に時間が掛かることがあります。