スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド

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11.1.1 HiRDB開始前の準備

各サイトのHiRDBを開始する前に,準備しておく作業について説明します。

<この項の構成>
(1) RAID Managerの起動
(2) ペア論理ボリュームグループの状態確認

(1) RAID Managerの起動

HiRDBが使用するインスタンスのRAID Managerを,業務サイトおよびログ適用サイトで起動してください。RAID Managerの起動は,RAID Managerのhorcmstartコマンドで行います。horcmstartコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

(2) ペア論理ボリュームグループの状態確認

業務サイトおよびログ適用サイトの,それぞれのペア論理ボリュームグループの状態を確認してください。業務サイトの場合はpdrisechkコマンドで,ログ適用サイトの場合はpdrisechk -lコマンドで確認します。業務サイトおよびログ適用サイトのペア論理ボリュームグループが次の表の状態であれば,各サイトのHiRDBを開始できます。このとき,業務サイトとログ適用サイトで実行したpdrisechkコマンドでKFPS05815-Iメッセージ(end_code=OK)が出力されます。次の表以外の状態のペア論理ボリュームグループがある場合,該当するペア論理ボリュームグループについてKFPS05816-Eメッセージが出力されるため,次の表の状態になるように対策してください。

表11-1 HiRDBを開始できるペア論理ボリュームグループの状態

保護モード
(pd_rise_fence_level
オペランドの値)
ペア論理ボリューム
グループ名
フェンス
レベル
ボリューム属性 ペア
ステータス
業務サイト ログ適用
サイト
data aaaa_bb....bb_DB なし SMPL SMPL なし
aaaa_bb....bb_LOG data P-VOL S-VOL PAIR
aaaa_cccc_USTS
aaaa_bb....bb_SSTS
aaaa_bb....bb_SPD
never aaaa_bb....bb_DB なし SMPL SMPL なし
aaaa_bb....bb_LOG never P-VOL S-VOL PAIR
aaaa_cccc_USTS
aaaa_bb....bb_SSTS
aaaa_bb....bb_SPD

(凡例)
aaaa:HiRDB識別子
bb....bb:サーバ名
cccc:ユニット識別子

ペア論理ボリュームグループが表11-1の状態でなくても,HiRDBを開始できる場合があります。開始できるかどうか,次の手順に従ってチェックしてください。ただし,表11-1以外の状態でHiRDBを開始した場合,業務サイトとログ適用サイトとのデータベースの整合性が保てなくなったり,ログ適用も正しく実施できなかったりします。したがって,次のどちらかのケース以外では,ペア論理ボリュームグループを表11-1に示す状態にしてから開始することをお勧めします。

(a) ログ適用サイトの場合
  1. ペア論理ボリュームグループのボリューム属性とステータスの収集
    ログ適用サイトで,更新コピーが必要なHiRDBファイルを配置した,すべてのペア論理ボリュームグループに対してpairvolchkコマンドを実行し,ボリューム属性とペアステータスを収集してください。収集には,RAID Managerのpairvolchkコマンドを使用します。pairvolchkコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
  2. 開始可否の判定
    収集したすべてのペア論理ボリュームグループのボリューム属性とペアステータスから,次に示す「・ログ適用サイトのHiRDBが開始できない条件」に該当するかどうかを判定します。該当する場合は,HiRDBは開始できません。なお,該当するペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態かどうかについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
    • ログ適用サイトのHiRDBが開始できない条件
      シングルサーバまたはディクショナリサーバ(マスタディレクトリ用RDエリアがあるサーバ)のファイル区分がDBのペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態である。
(b) 業務サイトの場合
  1. ペア論理ボリュームグループのボリューム属性とステータスの収集
    業務サイトで,更新コピーが必要なHiRDBファイルを配置した,すべてのペア論理ボリュームグループに対してpairvolchkコマンドを実行し,ボリューム属性とペアステータスを収集してください。収集には,RAID Managerのpairvolchkコマンドを使用します。pairvolchkコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
  2. 開始可否の判定
    収集したすべてのペア論理ボリュームグループのボリューム属性とペアステータスから,次に示す「・業務サイトのHiRDBが開始できない条件」のどちらかに該当するかどうかを判定します。該当する場合は,HiRDBは開始できません。なお,該当するペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態かどうかについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
    • 業務サイトのHiRDBが開始できない条件
      (1) シングルサーバまたはディクショナリサーバ(マスタディレクトリ用RDエリアがあるサーバ)のファイル区分がDBのペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態である。
      (2) ファイル区分がUSTS,SSTS,LOG,またはSPDのペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態である。