スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド

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3.2.1 RAID Managerの環境構築

<この項の構成>
(1) RAID Managerのコンフィグファイル
(2) RAID Managerインスタンスの起動
(3) ペア論理ボリュームグループの生成

(1) RAID Managerのコンフィグファイル

ペア論理ボリュームグループはRAID ManagerのコンフィグファイルHORCM_CONF)に指定します。RAID Managerのコンフィグファイルに対応づける項目を次の表に示します。

表3-1 RAID Managerのコンフィグファイルに対応づける項目

項目名 RAID Managerのコンフィグファイル(HORCM_CONF)
ペア論理ボリューム HORCM_DEV dev_nameパラメタ
ペア論理ボリュームグループ HORCM_DEV dev_groupパラメタ

(2) RAID Managerインスタンスの起動

「(1)RAID Managerのコンフィグファイル」で構築したRAID Managerインスタンスを,メインサイトおよびリモートサイトで起動します。RAID Managerインスタンスの起動には,RAID Managerのhorcmstartコマンドを使用します。horcmstartコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

(3) ペア論理ボリュームグループの生成

RAID Managerのpaircreateコマンドでペア論理ボリュームグループを生成します。このとき,メインサイトのボリュームがP-VOLになるようにします。paircreateコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

paircreateコマンド実行時に指定するフェンスレベル(-fオプションの値)は,リアルタイムSANレプリケーションの処理方式(pd_rise_pairvolume_combinationオペランドの値),および保護モード(pd_rise_fence_levelオペランドの値)によって異なります。関係を次の表に示します。

表3-2 paircreateコマンド実行時に指定するフェンスレベル

リアルタイムSANレプリ
ケーションの処理方式(pd_rise_pairvolume_
combinationオペランドの値)
保護モード
(pd_rise_fence_level
オペランドの値)
ペア論理ボリューム
グループ名
フェンスレベル
(paircreate
コマンドの
-fオプション
の値)
sync data aaaa_bb....bb_DB data
aaaa_bb....bb_LOG
aaaa_cccc_USTS
aaaa_bb....bb_SSTS
aaaa_bb....bb_SPD
never aaaa_bb....bb_DB never
aaaa_bb....bb_LOG
aaaa_cccc_USTS
aaaa_bb....bb_SSTS
aaaa_bb....bb_SPD
async aaaa_ALL async
hybrid data aaaa_bb....bb_DB async
aaaa_bb....bb_LOG data
aaaa_cccc_USTS
aaaa_bb....bb_SSTS
aaaa_bb....bb_SPD
never aaaa_bb....bb_DB async
aaaa_bb....bb_LOG never
aaaa_cccc_USTS
aaaa_bb....bb_SSTS
aaaa_bb....bb_SPD

(凡例)
aaaa:HiRDB識別子
bb....bb:サーバ名
cccc:ユニット識別子
−:該当しません。

また,非同期ペアボリュームを作成するときに指定するコンシステンシーグループについても,リアルタイムSANレプリケーションの処理方式(pd_rise_pairvolume_combinationオペランドの値)によって異なります。関係を次の表に示します。

表3-3 paircreateコマンド実行時に指定するコンシステンシーグループ(-fオプションの値)

リアルタイムSANレプリ
ケーションの処理方式(pd_rise_pairvolume_
combinationオペランドの値)
ペア論理
ボリューム
グループ名
コンシステンシーグループID
(paircreateコマンドの-fオプションの値)
sync 非同期ペアボリュームはありません。
async aaaa_ALL HiRDBシステム内の全ペア論理ボリュームグループを,同じコンシステンシーグループに割り当ててください。
hybrid aaaa_bb....bb_DB 各ペア論理ボリュームグループを異なるコンシステンシーグループに割り当ててください。

(凡例)
aaaa:HiRDB識別子
bb....bb:サーバ名

 

ペア論理ボリュームグループの作成例を次に示します。システム構成は次のとおりとします。

システム定義の例

 
set pd_system_id = HRD1
set pd_rise_use = Y
set pd_rise_pairvolume_combination = hybrid
set pd_rise_fence_level = data
pdunit -u UNT1 -x host1 -d "/opt/HiRDB_S"
pdstart -t SDS -s sds1 -u UNT1
 

paircreateコマンドの実行例(メインサイトから実行)

 
paircreate -g HRD1_sds1_DB -f async -vl
paircreate -g HRD1_sds1_LOG -f data -vl
paircreate -g HRD1_UNT1_USTS -f data -vl
paircreate -g HRD1_sds1_SSTS -f data -vl
paircreate -g HRD1_sds1_SPD -f data -vl