- {-i|-r〔 -t〕|-l|dbdestroy}
HiRDBシステムの開始モードを指定します。省略した場合,前回の終了モードが正常終了であれば正常開始,前回の終了モードが強制終了,又は異常終了であれば再開始となります。再開始時には,データベースの回復処理をします。
- -i:
- データベース初期設定ユティリティ(pdinit)でデータベースの初期設定が終了している場合に,再度データベースを初期設定したいときに指定します。
- -r:
- データベース複写ユティリティ(pdcopy)でマスタディレクトリ用RDエリアのバックアップを取得する場合(-M x指定)に,指定します。また,マスタディレクトリ用RDエリアの障害などでHiRDBを開始できない場合,データベース回復ユティリティ(pdrstr)を実行するときに指定します。
- -t:
- データベース複写ユティリティ(pdcopy)又はデータベース回復ユティリティ(pdrstr)実行時に,系切り替え対象の共有リソースをあらかじめ活性化させる場合に指定します。HAモニタをクラスタソフトウェアとして使用し,サーバモードの系切り替え機能を適用している場合に指定できます。
- なお,このオプションを指定する場合は,-rオプションを同時に指定する必要があります。
- -l:
- ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを適用している場合,ログ適用サイトのHiRDBを開始するときに指定します。
- ログ適用サイトでは,業務サイトから送られてくるシステムログを入力して,ログ適用サイトのデータベースの内容を常に最新にするための動作だけをしています。そのため,ログ適用サイトでは,データベースへのアクセスができません。
- <規則>
- -lオプションは,ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを適用している場合に,ログ適用サイトから実行できます。業務サイトから実行した場合はエラーとなります。
- -lオプションを指定してログ適用処理を実行している場合,系切り替え機能は使用できません。ログ適用処理中に障害が発生してHiRDBが異常終了した場合でも系切り替えをしません。
また,予備系では,-lオプションを指定してpdstartコマンドを実行できません。実行した場合はKFPS05813-Eメッセージが出力されます。
- -lオプションを指定してログ適用処理を実行する場合,縮退起動,及び回復不要FESは使用できません。これは,一部のユニットが開始されない状態では,ログ適用サイトのHiRDBを開始できないためです。
- ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを適用している複数ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバの場合,システムマネジャのユニットにだけサイト状態を記憶するファイルが配置されます。システムマネジャ以外のユニットでは,システムマネジャのユニットからの指示によってサイト状態を決めています。
このため,ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを適用したHiRDB/パラレルサーバの場合で,システムマネジャ以外のユニットを業務サイトとして単独で開始する際には,-lオプションは指定しないでください。
なお,ログ適用サイトとして単独で開始する際には,必ず-lオプションを指定してください。
システムマネジャ以外のユニットを単独で開始する場合の,サイトの状態とpdstartコマンドのオプションの組み合わせを次に示します。
サイト状態 |
開始するユニット |
pdstartコマンドのオプション |
オプションの組み合わせ |
-u又は-x |
-q |
-l |
業務 |
システムマネジャ |
○ |
× |
× |
組み合わせできる |
○ |
× |
○ |
組み合わせできない |
システムマネジャ以外 |
× |
○ |
× |
組み合わせできる |
× |
○ |
○ |
組み合わせできない |
ログ適用 |
システムマネジャ |
○ |
× |
× |
組み合わせできない |
○ |
× |
○ |
組み合わせできる |
システムマネジャ以外 |
× |
○ |
× |
組み合わせできない |
× |
○ |
○ |
組み合わせできる |
(凡例)
○:指定あり。
×:指定なし。
- dbdestroy:
- 再開始(pdstartオプション指定なし)でHiRDBが再開始できない場合に,強制開始するときに指定します。このオプション指定時は,すべてのRDエリア(システム用RDエリアも含まれます)を破壊しますので,注意してください。
- {-x ホスト名|-u ユニット識別子} 〔-r|-l|dbdestroy〕
ユニットを開始したい場合に指定します。
- -x ホスト名 〜<識別子>((1〜32))
- ユニットを開始する場合,開始するユニットがあるホストの名称を指定します。-iオプションとは同時に指定できません。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,指定したホストのユニットにあるホストBESとゲストBESを開始します。クラスタソフトウェアで実行系と指示されたサーバは実行系として開始し,待機系と指示されたサーバは受け入れ可能状態として開始します。実行系として開始したサーバは,HAグループ内のほかのユニットから見ると,受け入れ可能状態となります。
- -u ユニット識別子 〜<識別子>((4文字))
- ユニットを開始する場合,開始するユニットのユニット識別子を指定します。-iオプションとは同時に指定できません。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合,指定したユニットにあるホストBESとゲストBESを開始します。クラスタソフトウェアで実行系と指示されたサーバは実行系として開始し,待機系と指示されたサーバは受け入れ可能状態として開始します。実行系として開始したサーバは,HAグループ内のほかのユニットから見ると,受け入れ可能状態となります。
-r,-l,及びdbdestroyについては,{-i|-r|-l|dbdestroy}の説明を参照してください。
サーバを開始する場合,開始するサーバの名称を指定します。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用している場合の注意事項:
- -uオプションを指定していない場合,HAグループ内の稼働中の全ユニットで,指定したサーバを開始します。ただし,実行系として開始するのは,クラスタソフトウェアで指示された1サーバだけであり,残りのサーバは受け入れ可能状態として開始します。
- -uオプションを指定している場合,そのユニットの指定したサーバを開始します。クラスタソフトウェアで実行系と指示されたサーバは実行系として開始し,待機系と指示されたサーバは受け入れ可能状態として開始します。開始したサーバが実行系の場合,HAグループ内のほかのユニットから見ると,そのサーバは受け入れ可能状態となります。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
フロントエンドサーバのSUSPEND状態(データディクショナリ用RDエリアの回復待ちや,ディクショナリサーバの起動待ちなどの状態)の原因を取り除いた後に,フロントエンドサーバを起動するときに指定します。-sの指定の有無に関係なく,障害が発生したすべてのフロントエンドサーバが起動されます。
HiRDB/パラレルサーバでユニットを開始する場合に指定します。また,スタンバイ型系切り替え機能を適用している場合で,待機ユニットを開始する場合に指定します。
-qオプションを指定する場合,開始したいユニットに対応するホスト(システム共通定義のpdunitの-x又は-cオペランドに指定したホスト)に直接ログインして実行します。
-qオプションを指定した場合,システム定義のpd_reduced_check_timeオペランドの値(省略時は20分)までに,すべてのユニットを開始する必要があります。ユニットが開始できない場合,HiRDBの開始処理は中止されます。
-r,及び-lについては,{-i|-r|-l|dbdestroy}の説明を参照してください。
1:1スタンバイレス型系切り替え機能を使用する場合,代替部を待機状態にするときに指定します。次の場合に指定してください。
- クラスタソフトのコマンドで計画系切り替えを実行した場合,代替部は停止状態になります。この場合,障害発生に備えるために,pdstart -q -cコマンドで代替部を待機状態にします。
- 正規BESユニットをpdstop -uコマンドなどで停止して,対応する代替BESユニットの代替部が連動停止した後,再度正規BESユニットをpdstart -qコマンドで開始した場合,代替部は停止状態になります。この場合,障害発生に備えるために,pdstart -q -cコマンドで代替部を待機状態にします。
pdstart -q -cコマンドを実行する場合,待機状態にする代替部のホスト(システム定義のpdunitオペランドの-xに指定したホスト)に,直接ログインして実行してください。
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