スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)

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pdsetupHiRDBシステムのOSへの登録・削除

機能

HiRDBシステムの一部がOSとともに開始又は終了するように,HiRDB運用ディレクトリ下のHiRDBシステムをOSに登録します。また,インストールされたHiRDBのロードモジュールを,指定したHiRDB運用ディレクトリに複写します。

実行者

スーパユーザが実行できます。

形式

HP-UX(32ビットモード)の場合

 
 /opt/HiRDB_S/bin/pdsetup
 
   〔{ -d 〔-f〕
 
     |〔-c 文字コード種別〕 〔-p プログラム名〕 〔-l ロード種別〕 〔-k {on|off}〕}〕
 
   HiRDB運用ディレクトリ
 

HP-UX(64ビットモード),Solaris(64ビットモード),AIX(64ビットモード),及びLinuxの場合

 
 /opt/HiRDB_S/bin/pdsetup
 
   〔{ -d 〔-f〕|-c 文字コード種別  〔-k {on|off}〕}〕
 
   HiRDB運用ディレクトリ
 

Solaris(32ビットモード)及びAIX(32ビットモード)の場合

 
 /opt/HiRDB_S/bin/pdsetup
 
   〔{ -d 〔-f〕|〔-c 文字コード種別〕 〔-l ロード種別〕 〔-k {on|off}〕}〕
 
   HiRDB運用ディレクトリ
 

 

HP-UX(32ビットモード)の場合

 
 /opt/HiRDB_P/bin/pdsetup
 
   〔{ -d 〔-f〕
 
     |〔-c 文字コード種別〕 〔-p プログラム名〕〔-l ロード種別〕 〔-k {on|off}〕}〕
 
   HiRDB運用ディレクトリ
 

HP-UX(64ビットモード),Solaris(64ビットモード),AIX(64ビットモード),及びLinuxの場合

 
 /opt/HiRDB_P/bin/pdsetup
 
   〔{ -d 〔-f〕|-c 文字コード種別 〔-k {on|off}〕}〕
 
   HiRDB運用ディレクトリ
 

Solaris(32ビットモード)及びAIX(32ビットモード)の場合

 
 /opt/HiRDB_P/bin/pdsetup
 
   〔{ -d 〔-f〕|〔-c 文字コード種別〕 〔-l ロード種別〕 〔-k {on|off}〕}〕
 
   HiRDB運用ディレクトリ
 

オプション

HiRDB運用ディレクトリ下のHiRDBシステムをOSから削除する場合に指定します。登録する場合は,このオプションを省略してください。

-dオプションを指定した場合,次のメッセージが表示され,HiRDBの実行に必要なファイルを削除するかどうかを問い合わせます。

 
KFPS00036-Q Specify whether to delete files necessary for execution from specified HiRDB home directory ?
[y:Yes , n:No]
 

yを応答した場合,HiRDBの実行に必要なファイル及びディレクトリを削除します。その場合,次回pdsetupコマンドを実行したときに,実行に必要なファイルをインストールディレクトリからコピーします。

nを応答した場合は,ファイル及びディレクトリは削除しません。

次のような場合にはyを応答してください。

<規則>
  1. -dオプション指定時,テキストビジーなどの原因でOSからのHiRDB運用ディレクトリの削除に失敗することがあります。その場合は,削除に失敗したファイル及びディレクトリを,OSのrmコマンドで削除してください。
  2. -dオプションを指定してyを応答した場合,HiRDB運用ディレクトリ下にHiRDBが作成したファイルが大量にあると,コマンドの実行に時間が掛かることがあります。その場合,あらかじめOSのrmコマンドか,pdcspool -d 0で不要なファイルを削除しておいてください。
  3. HiRDB運用ディレクトリを削除する場合,Java仮想マシンを使用しているUAPを停止してください。停止しないでHiRDB運用ディレクトリを削除した場合,HiRDB運用ディレクトリが完全に削除されないことがあります。この場合,OSのrmコマンドで削除してください。

-dオプションを指定したときだけ組み合わせて指定できます。HiRDB稼働中又は異常終了途中でも,強制的にHiRDBをOSから登録,削除します。このオプションを指定した場合,処理中のHiRDBは即時中断されます。また,HiRDBディレクトリ下のロードモジュールは削除しません。

なお,このオプションは,pdstop -fコマンドが受け付けられないときだけ指定してください。通常は,pdstopコマンドでHiRDBを停止した後,pdsetup -dコマンドを実行してください。-fオプションを指定した場合,HiRDBのプロセスの幾つかが残ることがあります。その場合は,OSのpsコマンドで残ったプロセスを調査し,killコマンドで消してください。そうしないと,次回のpdsetup実行時,HiRDBを起動できなくなることがあります。

   〜《Solaris,Linux以外の場合:sjis》

   〜《Solaris,Linuxの場合:ujis》

HiRDBシステムで使用する各国文字データの文字コード種別を指定します。

sjis:シフトJIS漢字コード

chinese:EUC中国語漢字コード

chinese-gb18030:中国語漢字コード(GB18030)

ujis:EUC日本語漢字コード

utf-8:Unicode(UTF-8)
ISO/IEC 10646の規格では,1文字当たり1〜4バイトの範囲に文字が割り当てられ,5,6バイトの範囲は将来の規格のために予約されています。HiRDBでは1文字当たり1〜6バイトの範囲まで使用できますが,文字が割り当てられていない5,6バイトの範囲を使用する場合,将来発生するおそれのある問題については保証できません。

lang-c:単一バイト文字コード

<規則>
  1. このオプション指定した場合,HiRDB運用ディレクトリとインストールディレクトリが異なり,既にHiRDB運用ディレクトリにlibがあるときには,-cオプションの指定は無効になり,前回の文字コードが引き継がれます。
  2. 文字コードの設定を変更したい場合,pdsetup -dで一度OSからHiRDB運用ディレクトリを削除してから,再度pdsetup -cを実行してください。なお,-cオプションと-dオプションは同時に指定できません。指定した場合には,-cオプションが無視されます。
  3. HiRDB/パラレルサーバの場合,すべてのサーバで同一の文字コード種別を指定してください。
  4. HiRDB External Data Access機能を使用する場合は,SJIS,UJIS,又はlang-cを指定してください。
  5. HiRDB Text Search Plug-in Version 2がバージョン02-02以前の場合,utf-8は指定できません。

HiRDBが連携できるプログラムプロダクトのプログラム名を指定します。

OmniBack:
JP1/OmniBack IIを使用してバックアップを取得,又は回復をする場合に指定します。

<規則>
  1. 前回,pdsetup -dコマンドでnを応答していた場合は,このオプションを指定しても無視されます。
  2. このオプションを指定する場合は,HiRDBを構成するすべてのホストでこのオプションを指定したpdsetupコマンドを実行する必要があります。
  3. HiRDB運用ディレクトリとインストールディレクトリが同じ場合,-pオプションは常に有効となりますが,異なる場合で既にHiRDB運用ディレクトリにlibがあるときは,-pオプションは無効となり,前回指定したオプションの内容が引き継がれます。-pオプションの指定を変更したい場合は,一度pdsetup -dコマンドでHiRDB運用ディレクトリを削除してから,再度pdsetupコマンドを実行してください。
  4. -pオプションと-dオプションは同時に指定できません。同時に指定した場合は,-pオプションが無視されます。
  5. このオプションは,32ビットモードのHP-UX版のときに指定できます。

ロードモジュールの種別を指定します。

前回,pdsetup -dコマンドでnを応答している場合,このオプションの指定は無視され,前回の情報が引き継がれます。

posix:
POSIXライブラリ版のロードモジュールを使用する場合に指定します。POSIXライブラリ版のロードモジュールは,Javaストアドプロシジャ,Javaストアドファンクション,ディレクトリサーバ連携機能,又はHiRDB External Data Access機能を使用する場合に必要です。

<規則>
  1. HiRDB運用ディレクトリとインストールディレクトリが同じ場合,-lオプションは常に有効となります。ただし,異なる場合は,既にHiRDB運用ディレクトリに/libディレクトリがあるとき,-lオプションは無効となり,前回指定したオプションが引き継がれます。POSIXライブラリ版のロードモジュールを使用する場合は,いったんpdsetup -dコマンドでHiRDB運用ディレクトリを削除してから,再度pdsetupコマンドを実行してください。なお,-lオプションと-dオプションは同時に指定できません。同時に指定した場合,-lオプションは無視されます。
  2. このオプションは,32ビットモードのHP-UX版,AIX版,及びSolaris版のときに指定できます。

OSシャットダウン時のHiRDBの終了方法を指定します。なお,このオプションは,AIX版のHiRDBの場合は指定できません。

on:
OSシャットダウン時にHiRDBを明示的に強制終了させます。

off:
OSシャットダウン時にHiRDBを正常終了させる,又はOSの強制終了に依存させます。

onを指定した場合,OSシャットダウン時にHiRDBの稼働状態に関係なく強制終了をするため,HiRDBが稼働していないときはエラーメッセージを出力することがあります。

OSシャットダウン時のHiRDBの終了方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

コマンド引数

HiRDBを組み込むHiRDB運用ディレクトリを指定します。マルチHiRDBシステム作成時には,HiRDBシステムごとにこのコマンドを実行し,そこでHiRDB運用ディレクトリを指定します。

なお,シンボリックリンクしたHiRDB運用ディレクトリは指定しないでください。

規則

  1. pdsetupコマンドは,HiRDBが停止中のときだけ実行できます。ただし,-kオプションだけを指定する場合は,HiRDBの稼働に関係なく実行できます。
  2. pdsetupコマンドは,各サーバマシンで実行してください。

注意事項

  1. pdsetupコマンドのリターンコードを次に示します。
    0:正常終了
    1:権限エラー,ファイル作成失敗,排他確保失敗など。
  2. /etc/inittabに関する注意事項を次に示します。
    プラットフォーム 注意事項
    HP-UX,AIX,Solaris,Linux(RHEL5以前)
    • pdsetupコマンドの結果は,/etc/inittabにHiRDB運用ディレクトリがあるかないかで確認できます。また,Linux版の場合は,HiRDB運用ディレクトリ名/bin/pddの作成有無で確認できます。
    • pdsetupコマンドを実行している間は,エディタなどで/etc/inittabを編集しないでください。また,同じマシン内で複数のHiRDBに対するpdsetupコマンドやOpenTP1のdcsetupコマンドを同時に実行しないでください。これらを実行すると,/etc/inittabの内容が破壊されることがあります。内容が破壊された場合,$PDDIR/conf/Inittab下にinittabX(Xは1〜3の通番)という名称のバックアップ用のファイルが退避されているので,次の方法で回復してください。
    (a) スーパユーザでログインします。
    (b) $PDDIR/conf/Inittab下から,復旧したいファイルを/etc/inittabにコピーします。
    (c) /etc/init qを実行します。
    Linux(RHEL6) pdsetupコマンドの結果は,/etc/init/以下にHiRDB運用ディレクトリ名/bin/pddの文字列を含むファイルがあるかないかで確認できます。
    Linux(RHEL7以降) pdsetupコマンドの結果は,/usr/lib/systemd/system/以下にHiRDB運用ディレクトリ名/bin/pddの文字列を含むファイルがあるかないかで確認できます。
  3. バージョン07-03以降のHiRDBの場合,Java実行環境(JRE)が同梱されないため,pdsetupコマンド実行時にHiRDB運用ディレクトリ下にjreディレクトリが作成されません。そのため,Javaストアドルーチンを使用する場合は,JREを入手する必要があります。