スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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付録A.2 シンクポイントダンプファイルに関する質問

<この項の構成>
(1) KFPS02179-Iメッセージが多発しています
(2) 有効保証世代数について

(1) KFPS02179-Iメッセージが多発しています

質問
KFPS02179-Iメッセージ(シンクポイントダンプの取得契機を迎えたが,以前のシンクポイントダンプ取得処理が完了していないため,取得契機を無視した)が多発していますが,問題ありませんか?

お答えします
このメッセージが出力されるときは,シンクポイントダンプ取得時点で実行中の更新系トランザクションがコミットするのを待っている(有効化完了待ち)状態です。システムログファイルの数及び容量が十分にあれば,特に問題はありません。ただし,このような状態でHiRDB又はユニットが異常終了すると,HiRDB又はユニットの再開始時間が長くなることがあります。
システムログファイルの数及び容量が十分でない場合は,上書きできる状態のファイルがなくなり(KFPS01256-Eメッセージが出力される),HiRDB又はユニットが異常終了することがあります。次に示す見直しをしてこのようなトラブルを防いでください。
データベースやディクショナリを更新してからコミットするまでの時間が長いトランザクションの場合
対策案を次に示します。
  • 途中でCOMMIT文を発行できないか検討してください。
  • 更新後に大量検索をするトランザクションは,更新と大量検索の順番を入れ替えて,トランザクション内の最初の更新からコミットまでを短くできないか検討してください。
システムログファイルの数及び容量が十分でない場合
対策案を次に示します。
  • 出力されるシステムログをすべて格納できるだけの総ファイル容量を用意することをお勧めします。無理な場合は,少なくともマニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」に記載してある最低容量以上は確保するようにしてください。
  • 大量更新するトランザクションにはデータベースの更新ログを取得しないようにします。データベースの更新ログを取得するかどうかは,クライアント環境定義のPDDBLOGオペランドで指定します。ただし,データベースの更新ログを取得しない場合は,UAP実行時に障害が発生すると,バックアップ取得時点にしかデータベースを回復できないため注意してください。

(2) 有効保証世代数について

質問
シンクポイントダンプファイルの有効保証世代数とは何のことでしょうか?

お答えします
HiRDBの再開始に備えてシステムログファイルをどの位置から読み始めればよいかなどの情報がシンクポイントダンプファイルに格納されています。シンクポイントダンプファイルに格納した位置情報以降のシステムログファイルは再開始時に使用される可能性があるため,上書きできない状態にします。
有効保証世代数とは,「何世代前のシンクポイントダンプファイルに対応するシステムログファイルを上書きできない状態にして保護するか」ということです。例えば,有効保証世代数が1の場合は,最新のシンクポイントダンプファイルに対応するシステムログファイルが上書きできない状態になります。有効保証世代数が2の場合は,最新のシンクポイントダンプファイル及び1世代前のシンクポイントダンプファイルに対応するシステムログファイルが上書きできない状態になります。このように有効保証世代数を2にすると,上書きできない状態のシステムログファイルが増える可能性があります。
シンクポイントダンプファイルの有効保証世代数はpd_spd_assurance_countオペランドで指定します。