スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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26.12.2 server定義文

<この項の構成>
(1) nameオペランド
(2) switchtypeオペランド
(3) actcommandオペランド
(4) termcommandオペランド

(1) nameオペランド

スタンバイ型系切り替え機能の場合はHiRDB運用ディレクトリ名を絶対パス名で指定します。HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニットのHiRDB運用ディレクトリ名を絶対パス名で指定します。

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合は,HiRDB識別子(pd_system_idオペランドの指定値)と正規BESユニットのユニット識別子(pd_unit_idオペランドの指定値)を「/」で組み合わせて指定します。HiRDB識別子がDB01で,正規BESユニットのユニット識別子がUNT1の場合は次のように指定します。

 DB01/UNT1

影響分散スタンバイレス型系切り替えの場合は,HiRDB識別子とサーバ識別子を「/」で組み合わせて指定します。HiRDB識別子がDB01で,サーバ識別子がBES1の場合は次のように指定します。

 DB01/BES1

(2) switchtypeオペランド

このオペランドにはサーバ障害を検出したときの処理を指定します。

switch:
HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了すると系を切り替えて切り替え先の系でHiRDBを再開始します。
1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,代替BESユニットに作成する代替部用のserver定義文にはswitchを指定することをお勧めします。switchを指定すると,代替中に代替BESユニットで障害が発生した場合,代替部から正規BESユニットに系が切り替わるため,再開始後の代替BESユニットの負荷を減らせます。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,ゲストBES用のserver定義文にはswitchを指定することをお勧めします。switchを指定すると,ゲストBESが稼働中のユニットで障害が発生した場合,ゲストBESがほかのユニットに切り替わるため,再開始後の負荷を分散できます。

restart:
障害が発生した系でHiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)を再開始します。障害が発生した系でHiRDBを再開始できないときに,系を切り替えて切り替え先の系でHiRDBを再開始します(KFPS00715-Eメッセージが出力された時点で系を切り替えます)。
1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,代替BESユニットに作成する代替部用のserver定義文にはrestartを指定しないことをお勧めします。restartを指定すると,代替中に代替BESユニットで障害が発生した場合,ユニットの再開始後も代替BESユニットで正規BESユニットの代替処理を継続するため,再開始後の代替BESユニットの負荷が減りません。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,ゲストBES用のserver定義文にはrestartを指定しないことをお勧めします。restartを指定指定すると,ゲストBESの稼働中のユニットで障害が発生した場合,ユニットの再開始後にゲストBESが処理を継続するため,再開始後の負荷を分散できません。

manual:
HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)を再開始できなくても自動的に系を切り替えません。
ポイント
1:1スタンバイレス型系切り替え機能で相互代替構成の場合,代替BESユニットと代替部のswitchtypeオペランドには同じ値を指定してください。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,HAグループ内の全サーバのswitchtypeオペランドには同じ値を指定してください。

(3) actcommandオペランド

このオペランドに指定したコマンドをパッケージ起動及びフェイルオーバ時に実行します。サーバモードの場合,系切り替えが発生した延長で待機系ユニットに対してコマンドを発行する必要がないため,このオペランドを指定しないことをお勧めします。

システムマネジャのユニットを系切り替えの対象にしている場合,actcommandオペランドにpdstartコマンド(HiRDB/パラレルサーバの場合はpdstart -q)を指定すると,パッケージの開始コマンドに連動してHiRDBを開始できます。ただし,系切り替えのときにもactcommandオペランドが実行されるため,既に開始処理を行っている待機系HiRDBに対してpdstartコマンドが発行されてエラーが出力されます。

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,待機系(代替部)でactcommandオペランドを指定する必要があるときは,pdstart -q -cコマンドを指定してください。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,actcommandオペランドは指定できません。

(4) termcommandオペランド

このオペランドにはpdstop -f -qコマンド(HiRDB/パラレルサーバの場合はpdstop -z -qコマンド)を指定することをお勧めします。強制停止のオプションを指定するのは確実にユニットを停止することと,計画系切り替え時に待機系が再開始で引き継ぐ必要があるためです。また,実行系ユニットが起動していない状態で計画系切り替えをした場合,termcommandオペランドで指定したpdstopコマンドがエラーとなります。termcommandオペランドを指定しない場合,実行系ユニットをpdstopコマンドで強制停止させた上で系切り替えをする必要があります。実行系ユニットを稼働させたままで計画系切り替えをした場合は,実行系ユニットが二つ存在することになり,障害が発生して両系停止となる可能性があります。

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,代替部のtermcommandオペランドにはpdstop -z -cコマンドを指定してください。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,HAグループ内の全サーバのtermcommandオペランドにはpdstop -z -sコマンドを指定してください。